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ノート(223) 仮釈放の審査に向けて提出を要する「申告票」とは

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:アフロ)

~続・工場編(16)

受刑262/384日目

仮釈放に向けた流れ

 1月13日のこの日は第2金曜であり、刑務作業のない教育的指導日だった。刑務所側が教材として用意した人材派遣業に関する紹介ビデオや保護司に対するインタビュー録音などを居室内で見聞きし、感想文を書き上げると、あとは税法などの自習をしてすごした。

 そうこうしていると、処遇部で受刑者の分類や教育などを担当している統括矯正処遇官が居室までやってきた。「分類統括」と呼ばれる幹部の一人だ。

 書類を渡しにきたとのことで、受け取って確認してみると、A4用紙2枚、表裏で4ページにわたるものだった。1ページめの上部に「申告票」という表題が、各ページには記載事項や記載欄が印刷されていた。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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