どのチームの選手として殿堂入り!? イチローはマリナーズ、プーホルスはカーディナルス、ベルトレーは…
この夏、スコット・ローレンとフレッド・マグリフは、正式にホール・オブ・フェイマーとなる。ニューヨーク州クーパースタウンの殿堂&ミュージアムには、彼らの前に殿堂入りした選手や関係者と同じように、2人のレリーフが飾られる。
ローレンのレリーフは、セントルイス・カーディナルスのキャップをかぶっている。一方、マグリフのレリーフは、キャップにチームのロゴがついていない。殿堂&ミュージアムが、そう発表した。
ローレンは、フィラデルフィア・フィリーズ、カーディナルス、トロント・ブルージェイズ、シンシナティ・レッズの4チームでプレーした。
在籍期間は、フィリーズが最も長い。1993年のドラフトで2巡目・全体46位指名を受け、2002年の夏にトレードでカーディナルスへ移るまで在籍した。メジャーリーグでプレーした期間も、フィリーズが最長だ。また、出場は、フィリーズで844試合、カーディナルスで661試合、ブルージェイズで203試合、レッズで330試合。ゴールドグラブの受賞は、フィリーズとカーディナルスで3.5度ずつ、レッズで1度だ。なお、2002年は2チームでプレーしてゴールドグラブを手にしたので、どちらのチームも0.5度として数えた。
ローレンのレリーフは、フィリーズのキャップをかぶっていても、おかしくはない気がする。
殿堂&ミュージアムによると、ローレンがカーディナルスを選んだのは「チームのサクセス」が理由だという。ポストシーズン出場は、カーディナルス時代の3度(2002年、2004年、2006年)とレッズ時代の2度(2010年、2012年)。2004年と2006年はワールドシリーズに出場し、2006年はワールドチャンピオンとなった。
マグリフのチームは、ローレンよりも多い。ブルージェイズ、サンディエゴ・パドレス、アトランタ・ブレーブス、タンパベイ・デビルレイズ、シカゴ・カブス、ロサンゼルス・ドジャースの6チームだ。
ポストシーズン出場は、5度中4度がブレーブスの選手としてだが、レギュラーシーズンのスタッツは、ブルージェイズ、ブレーブス、デビルレイズのいずれも、甲乙つけ難い。この3チームと比べると、出場試合は少ないものの、パドレスとカブスで記録したスタッツも優れている。
ちなみに、マグリフにとって、デビルレイズは地元のチームだ。また、プロ入りしたのは、ニューヨーク・ヤンキースだった。指名順位は、1981年の9巡目・全体233位。翌年のオフに、トレードでブルージェイズへ移籍した。
キャップにチームのロゴがないレリーフは、マグリフが6人目となる。その前の5人は、キャットフィッシュ・ハンター、トニー・ラルーサ、グレッグ・マダックス、ロイ・ハラデイ、マイク・ムシーナだ。なお、ヨギ・ベラのプラークは、斜め横を向いていて、キャップのロゴは見えないものの、ピンストライプのユニフォームから、ヤンキースであることが窺える。
これから殿堂入りする選手の場合、例えば、イチローは、シアトル・マリナーズのキャップをかぶったプラークになるはずだ。マリナーズ時代に記録した2542安打は、通算3089安打の80%以上を占める。
アルバート・プーホルスは、カーディナルスだ。ロサンゼルス・エンジェルスでも長くプレーしたものの、その差は歴然としている。カーディナルス時代(2001~11年、2022年)の出塁率.417とOPS1.031に対し、エンジェルス時代(2012~21年)は出塁率.311とOPS.758だ。ホームランの本数も、倍以上違う。ポストシーズン出場は、カーディナルスで8度、エンジェルスとドジャースで1度ずつ。ローレンとともにワールドチャンピオンとなった2006年だけでなく、2011年もカーディナルスでワールドシリーズ優勝を経験している。
来年の夏から殿堂に飾られるであろう、エイドリアン・ベルトレーのプラークは、テキサス・レンジャーズのキャップをかぶっている可能性が高そうだ。もっとも、マグリフらのように、ロゴのないキャップも考えられる。ポストシーズン出場は、ドジャースで1度、レンジャーズで4度。ゴールドグラブの受賞は、マリナーズで2度、レンジャーズで3度。唯一のタイトルである本塁打王は、ドジャース時代の2004年に獲得した。48本のホームランを打ち、プーホルスとアダム・ダンに2本差をつけた。
なお、ローレンとベルトレーは、どちらも三塁手だった。三塁手の殿堂入りについては、こちらで書いた。