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男子ゴルフ界のホープ・中島啓太が、「帝王」ニクラウス氏からの祝福レターに感激

松瀬学ノンフィクション作家(日体大教授)
「帝王」からのレターを囲む木原部長、中島選手、河本選手、江原・男子監督(左から)

 日本ゴルフ界のホープ、中島啓太(日本体育大2年)がこのほど、ゴルフ界の「帝王」、ジャック・ニクラウス氏から祝福レターをもらった。昨年11月にはレギュラーツアー・三井住友VISA太平洋マスターズで優勝争いを演じて3位となり、アマチュア世界ランキング1位となった二十歳。「ゴルフ界をけん引されてきた偉大な方からメッセージをいただき光栄です。いつかジャック・ニクラウスさんに直接お礼を言えるよう、がんばりたい」と感激のコメントを口にした。

 中島の所属する日体大ゴルフ部は、ニクラウス氏の衣料品ブランド『ゴールデン・ベア』のユニフォームを使用している。その関係もあって、米国のニクラウス氏が同社のウェアを着た中島の活躍を知ることになったようだ。ニクラウス氏が日本人ゴルファーにレターを送るのは極めて異例。

 ニクラウス氏の直筆サイン付きのレターには、冒頭に「ゴルフの友たちへ」と書かれ、こう英文で続く。

 「私は何年も前に大学のゴルファーとして、自分の大学を代表し、全米の他の学校と競争することに大きな誇りを持っていました。また長年の私のパートナーから提供されたゴールデン・ベアのユニフォームを着ているチームを見て、とれもうれしく思います。中島啓太さんが三井住友VISA太平洋マスターズで3位入賞を果たしました。おめでとうございます。プロゴルファーたちと堂々と競う若い(アマチュア)プレーヤーの姿は、なんと素晴らしいのでしょう。2021年以降も引き続きの活躍をお祈り申し上げます」

 81歳となったニクラウス氏は米オハイオ州立大時代の1961年に全米アマチュア選手権のタイトルを獲得し、翌1962年にプロ転向した。その後、全米オープン、全英オープン、マスターズ、全米プロ(PGA)のメジャー選手権ですべて優勝するグランドスラムを達成。ライバルのアーノルド・パーマー氏とともにゴルフをメジャースポーツにするけん引力となったレジェンドである。

 ニクラウス氏は、若手ゴルファーを支援することでも知られ、毎年、米国でもっとも優れた学生ゴルファーに贈られる賞は「ジャック・ニクラウス賞」と呼ばれる。タイガー・ウッズもスタンフォード大在学時の1996年にこの賞を受賞している。

 日体大ゴルフ部には現在、中島ほか、河本力(3年)、石川遼の弟、石川航(3年)ら有望選手が所属している。同部の木原祐二部長は、「世界のゴルファーの憧れの方から手紙が届いて、びっくりしました。若い部員たちへの気遣いのコメントがあり、優しい人柄を感じました。新型コロナウイルス禍でみんなが不自由な生活を強いられている中、この手紙は部員たちの励みになります」と感謝した。

ノンフィクション作家(日体大教授)

早稲田大学ではラグビー部に所属。卒業後、共同通信社で運動部記者として、プロ野球、大相撲、五輪などを担当。4年間、米NY勤務。02年に同社退社後、ノンフィクション作家に。1988年ソウル大会から2024年パリ大会までのすべての夏季五輪ほか、サッカー&ラグビーW杯、WBC、世界水泳などを現場取材。酒と平和をこよなく愛する人道主義者。日本文藝家協会会員。元ラグビーワールドカップ組織委員会広報戦略長、現・日本体育大学教授、ラグビー部部長。著書は近著の『まっちゃん部長ワクワク日記』(論創社)ほか『荒ぶるタックルマンの青春ノート』『汚れた金メダル』『なぜ、東京五輪招致は成功したのか』など多数。

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