来春の花粉予測~花粉症患者に朗報?~
花粉予測の二つの決め手
年が明けて、間もなくやってくるもの、それはスギ花粉の季節です。
そして、この花粉の飛散量を左右するものには、主に二つあると言われています。
それは、前年の夏の暑さと花粉の2年周期。
花粉の飛散量は前年の夏が暑ければ暑いほど、花芽の量が増加し、その翌年に多くの花粉を飛ばすことになります。
更に、花粉にはおおむね2年の周期、表年と裏年があることが知られており、多く飛んだ翌年は少なくなる一方で、少なかった翌年は多く飛ぶ傾向があるのです。
しかし、実際の予測には、猛暑の翌年が裏年にあたる場合など、この二つが複雑に絡み合うことも多いため、かなり困難な場合もあります。
このあたりを東京の過去のデータから見てみましょう。
東京都内の年ごとの花粉飛散量
都内で飛散量が多かった年を例にとってみましょう。
まず平成7年の大飛散の時には、前年(平成6年)の夏が記録的な大猛暑でした。
そして、この年(平成7年)の8月もかなり暑かったのですが、裏年にあたる平成8年の飛散量はかなり少なくなりました。
続いて、平成12年~15年にかけて。
これらの年はいずれも前年の夏がある程度暑かったために、極端な増減はないものの、比較的多い飛散量で、表年、裏年を繰り返しているように見えます。
更に、過去最大の飛散量となった平成17年の前年も大猛暑でした。裏年にあたる翌年は飛散量が激減しています。
最後に記録的な大猛暑となった平成22年の翌年、平成23年も大飛散となりましたが、裏年にあたる平成24年はやはり激減しています。
このように、大飛散となった翌年は少なくなる傾向は比較的はっきりしているのですが、平成12年~15年のようにだらだらと多く続くこともあり、予想は簡単ではありません。
来春は裏年にあたるが?
今年の春(平成25年)は、全国的にかなり多くの飛散量となりました。
上図のように東京都内の平均飛散数も9500個を超えており、過去3番前後に多い飛散量となっています。このことから裏年にあたる来春(平成26年)の飛散量は間違いなく、前年よりは少なくなると予想されます。
しかし、今年の夏が暑かったため、極端に少なくなるとは考えづらい状況です。
環境省の予想では、平成26年の花粉量は、ほとんどの所で、前年、あるいは例年よりも少なくなる予想です。
しかし、花粉症に対して十分な注意が必要とされるシーズン2000個を超える所が多い予想となっており、前年比や例年比での増減に関わらず、十分な花粉症対策が必要だと思われます。
(上図は環境省・気象庁発表資料より抜粋)