東京オリ・パラ組織委で「女性職員が椅子を引く性別役割分業は問題」は誤り。男性も女性も椅子を引いている
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の会見に対して、「武藤事務総長の椅子を女性職員が引く性別役割分業が自然に出ているのは問題だ」と指摘するツイートが1万4千件以上もリツイートされていますが、これは誤りです。
「女性が男性が座る椅子を引いた」ために“性別役割分業”だと受け取ったのだと思われますが、会見で椅子を引くのは男性であることもあれば、女性であることもあります。
女性登壇者の椅子を男性が引くシーンの例
以下の動画は、日本外国特派員協会にて田中眞紀子氏が会見したときのものです。
冒頭に写っていますが、男性職員が田中眞紀子氏の椅子を引いています。
ほかの登壇者の外国人男性らも疑問に思っていないようです。
また、映画監督のメアリー・ウェアハム氏が会見したときも男性職員が椅子を引いています。
一応書いておきますが、田中真紀子氏のときとは異なる男性です。
いずれも日本外国特派員協会における会見での例であり、日本外国特派員協会では“性別役割分業”が残っているようです。
……とは、思いませんよね?
男性登壇者の椅子を男性が引くシーンの例
こちらは同じく日本外国特派員協会で名古屋市長の河村たかし氏が会見したときのものです。
男性職員が河村たかし氏の椅子を引いています。
日本外国特派員協会の例が多すぎるので、イチロー選手が東京ドームでの試合後に引退会見をしたときの様子も取り上げてみます。
こちらでも男性職員がイチロー選手の椅子を引いています。
社会には「登壇者の椅子を引く」という仕事が存在する
これらの例や東京オリ・パラ組織委の会見からわかることは、“女性が男性が座る椅子を引く性別役割分業”があるのではなく、社会には“登壇者の椅子を引く”仕事が存在するということです。
高級レストランじゃないんだから「椅子は自分で座ればいいはず」と思わなくもないですが、ひとつのシーンだけを見て「性別差別だ」と批判するのは間違った結果を生み出します。