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インプレゾンビが消えるかも? X、広告収益配分プログラムの変更を発表。返信時の広告表示で収益発生せず

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
収益配分プログラムの変更を発表する公式アカウント。Xより筆者キャプチャ

 X(旧Twitter)は10月10日、収益配分プログラムの仕組みを11月8日より変更すること発表しました。これにより日本ユーザーを悩ませてきたインプレゾンビが消える可能性が出てきました。

投稿の返信欄に広告が表示されても収益発生しないように

 これまでXの収益配分プログラムでは、投稿の返信欄に表示された広告の売上の一部が投稿者に配分されていました。

 しかし、Xではこの仕組みを取りやめ、今後は「投稿に対してプレミアム(有料会員)ユーザーがエンゲージメントする」ことで、プレミアムユーザーが支払っているサブスクリプション費用の最大25%を配分するようにするとのことです。

 つまり、いくらバズったとしてもプレミアムユーザーが絡んでくれなければ収益配分はゼロということになります。

 ちなみにエンゲージメントとは「返信、いいね、ブックマーク、コンテンツの視聴時間など」が当てはまるということですので、収益配分がゼロになることはないと思われますが、ほかのユーザーからの接触があまりないアカウントだと収益は減ることが予想されます。

他人のツイートにぶら下がるインプレゾンビが消えるかも?

 期待されるのはやはりインプレゾンビがどうなるか、です。

 返信欄の広告から収益が配分されなくなるのであれば、バズっているツイートに返信をぶら下げても稼げなくなることが予想されます。

 一方で“表示はされる”ため、これがエンゲージメントとして計上され、売上の一部が渡ってしまう可能性はあります。

 ただ、収益としては減ることが予想されるため、もしかしたらインプレゾンビが消えるかもしれません。

視聴者(閲覧ユーザー)分析やスパム防止も

 また、収益配分の計算には、閲覧ユーザーが誰をフォローしているかなどの特性も考慮されるとのことです。

 このほか返信に関係ないスパイ行為をシステム側で検知し、問題があると判断した場合はペナルティを科すスパム防止も行うとしています。

 インプレゾンビ、これで消えるといいですね!

2024年10月10日16時24分追記

 筆者はインプレゾンビについて2種類いるとの認識で今回の記事を書いています。

 1つはインプレッションを稼いで、収益配分条件の500万インプレッションを達成しようとするユーザーです。これは今回の変更でもなくならいと思います。

 もう1つは返信欄に自分に投稿や他者(おそらくは別アカウント)の投稿をぶら下げて、そこから収益を得る目的のインプレゾンビです。今回の記事で減るインプレゾンビはこちらです。

 なお、別の認識として筆者のなかでインプレゾンビが多い理由として、投稿者Aの投稿Aに返信した投稿者Bの返信Bのリプライに表示された広告は、投稿者Bに配分されるものと考えていました。ただ、これはそういった説明を確認できていないため、筆者の認識違いかもしれません。補足として書いておきます。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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