尹美香氏 懲役5年求刑の法廷で嗚咽「国会議員の代償は大きい」 「慰安婦運動が侮辱された」と反論も
かの尹美香(ユン・ミヒャン)氏(韓国国会議員/無所属)が久々に韓国でニュースになった。
8月23日、検察が懲役5年を求刑した2審公判に出席し「国会議員の代償はあまりにも大きい」と嗚咽。尹氏は慰安婦問題について日本への補償を求める「正義記憶連帯(正義連)」の理事長としての活動中、寄付金の横領疑惑で起訴されている。
この日、検察側は法廷でこう述べた。
「被告人は組織の代表として、不特定多数から受けた寄付金を横領して、罪質が非常に悪い。横領の規模が大きく、長期間にわたって犯行が行われ、韓国挺身隊問題対策協議会側に賠償されず、被害の回復がなされていないなどの理由から、一審の判決は過度に軽い」
今年2月に行われた1審では「法人口座に保管されていた資金1700万ウォンを私的に使用したとして」一部の業務上横領の罪だけを認め、被告の尹美香氏側に罰金1500万ウォンのみが言い渡されていた。
検察側が控訴しての法廷の場で、尹氏は最終陳述に臨み、こう反論した。
「慰安婦の被害者たちは30年前に韓国挺身隊問題対策協議会の活動家たちと会い、苦しい経験を世界に公開し、誇り高く人権回復運動の主体となった。その中心にキル・ウォノク、キム・ボクドンおばあさんがいた」
「しかし、3年前のイ・ヨンスおばあさんの記者会見以後に起きた一連の出来事と報道によって、被害者の主体的な人権回復運動は、私に引きずられた非主体的で受動的なものと侮辱され、攻撃の中で大きな傷を負った」
そう語りつつも「国会議員の代償は大きい」と嗚咽。同時に自身の潔白を主張し、「私は正義を追求しました。誠実に職務を果たしました」と語った。
検察は2020年9月、尹氏を業務上横領、詐欺、補助金管理法違反など6つの罪で起訴。尹氏は2011年から2020年までの間に正義連の前身である韓国挺身隊問題対策協議会の資金約1億ウォンを個人用途に使用したとされる。
また2017年から2020年までの間に、日本軍の慰安婦の被害者であるキル・ウォノク氏の痴呆の傾向を利用して7920万ウォン(約800万円)を寄付・贈与するようにしたとの疑惑もある。さらに、政府とソウル市の補助金を不正に受け取り、所轄庁に募集計画を登録せず、慰安婦支援団体を通じて寄付金を募集したという疑いも持たれている。
尹氏は2020年4月の韓国総選挙で当選。最大左派野党「ともに民主党」所属の議員として活動してきたが、これらの疑惑により党から除名処分を下されている。国会議員は辞任せず、無所属議員として活動中。
2審の判決公判は来月20日に開かれる。