上本2ラン、新井3ラン、最後は俊介の2ランで2日連続サヨナラ勝ち!《8/18 阪神ファーム》
18日はソフトバンク3連戦の最終日だった阪神ファーム。また一段と厳しい暑さだったものの、ホームラン2本で5対1とリードしていたので、このまま勝つだろうと思っていたところ、なんと9回に追いつかれてしまったのです。ガックリと落ち込むスタンドでしたが「サヨナラ勝ちするための同点やろ~」というお客様の声。
そう、17日の同戦はホームラン2発で3点を失い、打線は7回まで横田選手の内野安打1本。ところが8回2死から緒方選手の中前打と西田選手のタイムリー二塁打で反撃、9回は四球の走者2人を板山選手が三塁打で還して同点!延長10回、先頭の西田選手が今季1号ホームランを放ってサヨナラ勝ちしていました。でもまさか2日続けて…という予想を見事に裏切り、俊介選手が打っちゃったんですよ。サヨナラホームラン!
この日はカメラ席でなくスタンドで観戦していたため、写真はホームラン3人のみですが、サヨナラに沸く選手たちの動きや表情もぜひ楽しんでください。
《ウエスタン公式戦》8月18日
阪神-ソフトバンク 27回戦 (鳴尾浜)
ソフ 010 000 004 = 5
阪神 002 000 032x = 7
◆バッテリー
【阪神】金田-山本-榎田-桑原-高宮-二神-筒井-福原-○小嶋(2勝1S) / 梅野
【ソフ】攝津(3回)-山田(3回)-柳瀬(1回)-星野(1回)-●島袋(2勝6敗1S)(2/3回) / 斐紹
◆本塁打 斐紹2号ソロ(金田)、上本6号2ラン(攝津)、新井4号3ラン(星野)、俊介1号2ラン(島袋)
◆二塁打 猪本
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率
1]三:上本 (4-1-2 / 1-0 / 0 / 0) .307
〃遊:植田 (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .133
2]右:柴田 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .263
〃右:俊介 (2-1-2 / 0-0 / 0 / 0) .255
3]二:板山 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .225
4]中:横田 (3-1-0 / 0-1 / 1 / 0) .278
5]左:緒方 (2-1-0 / 0-1 / 1 / 0) .268
6]指:新井 (4-2-3 / 2-0 / 0 / 0) .299
7]一:西田 (4-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .222
8]捕:梅野 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .233
9]遊三:森越 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .211
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
金田 4回 54球 (4-1-1 / 1-1 / 3.77) 151
山本 1回 10球 (0-1-0 / 0-0 / 1.97) 140
榎田 1回 9球 (0-1-0 / 0-0 / 0.00) 137
桑原 1回 13球 (0-0-0 / 0-0 / 4.38) 146
高宮 0.2回 11球 (1-0-0 / 0-0 / 4.73) 142
二神 0.0回 5球 (1-0-0 / 0-0 / 2.27) 143
筒井 0.1回 10球 (0-1-0 / 1-1 / 3.11) 143
福原 0.1回 22球 (4-1-0 / 3-3 / 5.27) 145
小嶋 0.2回 18球 (0-1-2 / 0-0 / 3.51) 144
試合経過
先取点はソフトバンク。10日のこのカード(タマスタ)で先発した金田が中7日で登板、2回に斐紹の2号ソロを浴びました。その後は2本のヒットを許しただけで4回を投げ1失点。阪神は3回に梅野が中前打し犠打で二塁へ、続く上本が2ランを放って逆転しています。
5回の山本、6回の榎田、7回の桑原が揃って三者凡退の好投を見せるも、打線がなかなか追加点を奪えず、7回を終わって2対1のまま。8回は高宮、二神、筒井と3投手を費やしてピンチを切り抜けた、その裏。ソフトバンク4人目の星野に対し、2死から横田がサード内野安打と盗塁、緒方は四球、続く新井が初球を打てレフトへの3ラン!5対1とリードを広げました。
もう安全圏と思ったのも束の間、続投の筒井が9回に先頭・釜元を振り逃げ(三振と暴投)で出して交代。ついで福原が江川と上林の連打で1点返され、1死後に斐紹の右前打で満塁となって真砂がセカンドへのタイムリー内野安打。なおも1死満塁で代わった小嶋が、代打・張本に四球を与えて押し出し。2死後にも金子圭へ押し出しの四球、一巡して釜元を左飛に打ち取って終了。土壇場で5対5の同点になります。
9回裏は島袋が登板。2死を取られたあと、途中出場の植田が中前打を放ち、同じく途中出場の俊介がカウント2-1からの3球目を打って、打球はレフトへ伸びていきました。なんと2試合連続のサヨナラホームラン!7対5で試合終了です。
祝・サヨナラ!水と氷のセレモニー
コメントの前に、サヨナラの瞬間をご紹介しましょう。まず植田選手がゆっくりとホームを踏んで、そして俊介選手も生還。2人でベンチ前に戻ってくると、掛布監督が両手を広げて出迎えました(冒頭のタイトル画像)。さらに、後ろから帰ってきた植田選手を満面の笑みで迎える監督。そのあたりで人ごみの中に青いバケツのような物体が見えてきたんですよね。
実は前日、サヨナラホームランを放った西田選手が柴田選手からバケツで水をかけられたと聞いていたので「あ、バケツだ」と思ってしまったんですが、よく見たらバケツではなくウォーターサーバーでした。その蓋を取って中の水を俊介選手にかけていたのは、前日の被害者…いえヒーローだった西田選手です。水どころか、中に入っていた氷の塊まで全部ぶちまけていましたよ。これはさすがに冷たかったかも。
夕方、引き揚げてきた時はもうユニホームもすっかり乾いていた俊介選手ですが、写真で見る限り、ずぶ濡れ。でも、みんないい笑顔ですね。少し遅れて輪に加わった筒井投手が、なぜか紙コップを俊介選手の頭に傾けて(何が入っていたのか、もしくは空だったのかは不明)祝福していたのも、ちょっと笑いました。
監督から、あえて出た苦言2つ
そんな様子をニコニコと、時には楽しそうな顔で拍手も送っていた掛布監督。ただサヨナラ勝ちという結果はよしとしても、本当なら5対1で終わらせるべき戦いでした。試合後の談話では「振り逃げだよなあ。難しいバウンドだとは思うけど、そういうとこをちゃんとしていかないと。山田(バッテリーコーチ)とも話したんだが、その前にも弾いていたでしょ?」と、9回の先頭を出した梅野選手の守備に言及。
「ピッチャーの信頼を得るのであれば、きょうのも捕らなきゃダメだよね。しっかりやっていかないと、1軍に行って、あれを繰り返したら…。山田も厳しく言っていると思う。バッティングは良くなってきているし、ああいうのが一番必要なものだと思いますよ」
また、17日からファームへ来た新井選手について「あそこで打つのは立派だけど最低でも犠牲フライで1点を取ることをね」と、2回は1死三塁で見逃し三振、6回は1死二、三塁で空振り三振に倒れた2打席を挙げました。「たかが1点、されど1点。犠牲を払って還すんだから、相手に与えるダメージが大きい。そういうことで、あんなゲームになってしまうんだと思うよ」と掛布監督は振り返っています。
中堅どころが放った3発で7点
では、いずれも貴重なホームランを放った3人のコメントです。まず3回の第6号逆転2ラン、上本選手は「(打ったのは)真っすぐです」とのこと。大きいのを狙っていたかと聞かれ「どうなんですかね。狙っていたわけではなかったです」。掛布監督によれば「しばらくやらせますよ。1軍からの指示なので」というサードの守備は「しっかり練習します」と短い言葉でした。
本来ならダメ押しになったであろう3ランを8回に放った新井選手。意地の一打?という振りに「まあまあ普通です。しっかりスイングできました」と言い、今後は「毎日しっかり、とことんやって、自分は10日で上がるという気持ちでやっていきたい」と話しています。
そして9回、サヨナラ2ランの俊介選手は「チェンジアップです。しっかり振れたので、入ってよかった。つないでいく意識でした。自分のスイングができたと思います」というコメント。バッティングの手応えは?「まだまだです。結果を出して早く呼んでもらえるようにしたいです」。ところでサヨナラホームランはプロ初ですよね。いつ以来?「高校くらいですかねえ。大学ではなかったので」
ヒーローではなく、つなぐ一心で
次に、9回2死から島袋投手の147キロをセンター前に打ち返した植田選手。「2死だけど、同点だったんで気持ちは楽でした。何とかつなごうと、フォアボールでもと思って。ちょっと甘かったので思いきって振れた。変化球も頭にいれていたけど、全部まっすぐでしたね」
あそこでアウトになって引き分けで終わるのと、次につないでサヨナラ2ランが出るのとでは全然違います。「きのうの西田さんを見て、きょう僕も…と思ったけど、ネクストにいて “あかん、あかん”と(笑)」思い直したそうですよ。「センターを意識して、追い込まれてから低い打球で何とか間抜けるように」。色気はキッパリ捨てたわけですね?「はい。それはもう。アウトになったら終わりなんで」
ところで、右打席で強い打球が増えてきたのでは?「右はきょうみたいなライナーを打つというイメージで、ああいうのが打てるように練習しています。きょう、よかったですねえ。ライナー」。自分でも納得の当たりだったみたいで、本当によくしゃべってくれました。
左打席でのバッティングに関して聞いてみると、練習での割合は「ほぼ半々。自分でやる時やスイングとかでは左が多いです。6:4くらい」とか。「打席数がまだ少ないので。とにかく右でしっかり打てるようにしたいですね」と言っています。フェニックスリーグでまたじっくり取り組むことになるでしょう。
今季最多の9人が登板した投手陣
おしまいにピッチャー陣です。「高めにボールが浮いて、変化球が決まらなくて、苦しいピッチングだった。守備に助けられました」と先発の金田投手。前回のソフトバンク戦の前から、構えを少し変えていて「コントロールを安定させるため。前より雑には見えないと思うし、無駄な球も少なくなった」と好感触のよう。しっくりきているかとの問いに「いい感じで投げられていると思います」という答えが返ってきました。
これが2度目の先発ですが、久保投手コーチによれば「先発をさせるというよりは、ピッチャーとして成長するためのもの。たまたま枠が空いていたこともあって。金田の良さであるスピードが損なわれたらダメなので、それを生かせるやり方で」とのことです。
久しぶりにイニングの頭から投げた山本投手は「そうですね。ランナーなしってのはあるけど、頭からは久しぶりかも」と言っていました。2対1の5回、1イニングを三者凡退で、9回に追いつかれなければ勝ち投手になるところだったんですよね。安定した救援ぶりが続いているので、早く1軍でのピッチャングが見たいものです。
一番最後に投げた小嶋投手は、同点にしてしまったものの勝ちがつき「同点止まりといえば、そうですけど…。もっと何かできたんじゃないかなと。やり方があったんじゃないかなと思いますねえ」と、かなり複雑な表情でした。