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韓国ライターが選ぶ2024年【注目度の高かったエンタメシーン】TOP3!

西嶋広美翻訳者(韓国語)/フリーライター
場面写真/Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中

気づけばもう、2024年も残り10日余りとなりました。今回は、2024年に注目度の高かった韓国のエンターテインメントシーンTOP3を挙げたいと思います。

なお、K-POP、映像コンテンツ、出版などの文化面でさまざまなヒット・話題作品が誕生しましたが、私(筆者)の独断と偏見で選ばせていただきました

【第3位】韓国ドラマ「涙の女王」|あの「愛の不時着」を超える視聴率を記録

Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中
Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中


ことしも韓国ドラマが熱かった! 日韓合作も多く、名作がたくさん生まれましたよね。そのなかでも話題性があった作品として外せないのが「涙の女王」ではないでしょうか。

ドラマ「涙の女王」(全16話)は、キム・スヒョン×キム・ジウォン主演のラブストーリーで、2024年3月9日~4月28日にtvN(CJ ENMが運営するテレビチャンネル)で放映されました。Netflix(ネットフリックス)でも配信され、日本のファンからも高評価を得た傑作です。

~あらすじ~

財閥三代目“デパート業界の女王”ホン・ヘイン(キム・ジウォン扮)と田舎出身の“スーパーマーケットの王子”ペク・ヒョヌ(キム・スヒョン扮)。そんな結婚3年目の夫婦に危機が訪れ、奇跡のように再び恋が動き出す――。

~視聴率~

初回の視聴率こそ、全国平均5.9%(首都圏平均6.5%/ニールセン・コリア全国有料世帯基準)と振るいませんでしたが、回を重ねるごとにぐんぐんと上昇し続け、4月28日に放映された最終回で24.9%(首都圏平均28.4%)をマークしました。24.9%はtvNドラマ歴代最高視聴率となります。ちなみに、同局で放映された「愛の不時着」(2019~20)の最高視聴率が21.7%でした。その「愛の不時着」を超える大ヒットドラマになったということです。

「涙の女王」は放映後、「第19回ソウルドラマアワード」韓流ドラマ部門・作品賞や「第15回コリアドラマアワード」作品賞、ベストカップル賞など数々の賞を受賞しています。2024年の韓国ドラマを語るうえで、欠かせない作品のひとつといえますね。

Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中

【関連記事】【韓国ドラマ】「愛の不時着」超えの視聴率!「涙の女王」最終回を韓国で視聴&ロケ地巡りをしたファンも

【第2位】ハン・ガン作家のノーベル文学賞受賞|アジア人女性初の快挙

ハン・ガン&ノーベル文学賞の特設コーナー/紀伊国屋書店(2024年10月18日、筆者撮影)
ハン・ガン&ノーベル文学賞の特設コーナー/紀伊国屋書店(2024年10月18日、筆者撮影)

こちらはエンターテインメントとはいえないかもしれませんが、“読書=娯楽”としての視点から外せませんでした。韓国の女性作家ハン・ガン(韓江)氏(54)が、2024年のノーベル文学賞を受賞しました。日本でも大きな話題となりましたよね。

韓国人の文学賞受賞は初。アジア人女性としても初となる快挙です。韓国人のノーベル賞受賞も、2000年に平和賞を受賞した金大中(キム・デジュン)元大統領以来、2人目となります。

名実ともに韓国を代表する作家のひとりであるハン氏ですが、既に日本語に翻訳されている作品も多いのです。

2016年に「国際ブッカー賞」を受賞した『菜食主義者』(連作小説集)、1980年の光州民主化運動を扱った長編作『少年が来る』(小説)、『ギリシャ語の時間』(小説)、『そっと 静かに』(エッセイ集)、『すべての、白いものたちの』(小説)、『回復する人間』(小説)、『引き出しに夕方をしまっておいた』(詩集)、『別れを告げない』 (小説)の単著が8作ほか、アンソロジー収録された作品も数編あります。

11月に開催された「K-BOOKフェスティバル 2024 in Japan」では、彼女の影響もあり2日間での来場者数が約3200人と大盛況。特設展示コーナーでは、多くの方が足を止めて見入っていました。

12月10日にストックホルムにておこなわれた授賞式後の晩餐会でハン氏は、「文学作品を読み、書くことは、必然的に生命を破壊するすべての行為に反対すること」と語り、「最も暗い夜でも、言葉は私たちが何でできているのかを問い、言語はこの惑星に生きる生命の観点から想像することにこだわり、言語は私たちを互いにつなぐ」と文学の重要性を強調しました。

【関連記事】アジア人女性初!作家ハン・ガン(韓江)さんが「ノーベル文学賞」を受賞|いま、韓国文学が熱い!

【第1位】「あーぱつあぱつ」|一度聴いたら耳から離れない“アパトゥ現象”

突如としてSNS上に登場した“「あーぱつあぱつ」動画”。原曲はK-POPガールズグループBLACKPINKのメンバー、ロゼと世界的シンガーソングライター、ブルーノ・マーズのコラボレーション曲「APT.(ROSÉ & Bruno Mars)」です。ロゼの1stスタジオアルバム「rosie」の先行公開曲で、10月18日に発表されるや、瞬く間に大ヒットしました。

「あーぱつあぱつ」と聞こえる部分は、日本語で訳すと「アパート」です。韓国語では本来、「アパトゥ」に近い発音になります。この楽曲に関しては「アパート」という意味が重要なのではなく、韓国で飲み会やパーティーでおこなわれるゲーム=アパートゲーム(アパトゥゲイム)の掛け声だということ。

このキャッチ―なフレーズとテンポから、「一度聴いたら耳から離れない!」との声が続出し、TikTok やInstagramには、「あーぱつあぱつ(アーパトゥアパトゥ)」に合わせて踊る、個性豊かな動画があふれ出しました。

12月6日にリリースされた「rosie」は、ビルボードのメインアルバムチャート「ビルボード200」で3位にランクイン。これはK-POPの女性アーティストにおける最高記録です。

年末になっても勢いが止まらない“アパトゥ現象”とも呼ばれるこのブーム。公開から2ヵ月でミュージックビデオ(MV)の視聴回数は6億2000万回を超えています! ちなみに、若者が集まる日本のクラブでも流れているそうですよ。

ソロでの活躍が目立つBLACKPINK。来年は完全体でのカムバックとワールドツアーの開催を予定しているとのことで、ファンの期待感は一層高まっています。

【関連記事】「あーぱつあぱつ」が耳から離れない|誰が歌ってるの?「あーぱつ」の意味も説明します!

来年2025年には、どんなヒット作品や人物が登場するのか、楽しみです。

“韓国歴” 30年以上の翻訳者兼ライターです。
長年の翻訳・取材経験などを生かし、さまざまな視点から韓国の記事を執筆中!
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翻訳者(韓国語)/フリーライター

小学生の頃から韓国が大好き!“韓国歴”は30年以上。神田外語大学韓国語学科卒(在学中「韓国外国語大学校」に交換留学)。大学卒業後は約18年間に渡り、韓流ポータルサイトのニュース記事(芸能・政治・経済・社会・スポーツ・北朝鮮)翻訳&コンテンツ企画業務に従事。インタビューや取材記事なども多数執筆。現在はフリーランスの翻訳者&執筆家(writer)として活動しています。

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