大阪桐蔭、花巻東、敦賀気比など確実! センバツ選考会を占う
センバツ選考会が今月28日の金曜日に行われる。年末から新聞やネットでも予想記事を目にするが、21世紀枠を除き、26校ほどは選出が確実な情勢。昨年は波乱の少ない選考となったが、果たして今年は?北から順に予想してみたい。(地区の数字は選出枠数)
北海道(1)クラークが初のセンバツへ
クラーク国際が旭川実を破って、初のセンバツを確実にした。左右の好投手を擁し、甲子園初勝利(夏は2回出て未勝利)をめざす。旭川実は2年連続で秋の全道大会準優勝に終わった。
東北(2)注目スラッガーの花巻東
佐々木洋監督(46)の長男・麟太郎(1年)の強打で注目された花巻東(岩手)は、センバツでも有力校の一つに数えられるだろう。昨夏に14大会連続出場を逃した聖光学院(福島)が、強力バッテリーを軸に続く。青森勢が準決勝で揃って敗退したのが惜しまれる。
関東(4.5)東海大相模が当落線上か?
地元開催で見事、初優勝した明秀日立(茨城)は、猛打が看板。投手陣が底上げできれば本番での活躍も期待できる。山梨学院は投打のバランスがいい。右腕・榎谷礼央(2年)ば大会でも上位にランクされるだろう。木更津総合(千葉)は、東海大相模(神奈川)を破った星が光る。浦和学院(埼玉)は、森士・前監督(57)からバトンを受けた森大監督(30)が今春、甲子園での初陣を迎えられそう。準々決勝の試合内容から、東京との比較になる5番手には東海大相模が浮上するだろう。
東京(1.5)死地から蘇った国学院久我山
国学院久我山が決勝の9回裏2死満塁から4番・成田陸(2年)の逆転サヨナラ一掃打で、37年ぶりの劇的優勝を果たした。二松学舎大付は、試合の大半をリードしながら、頼みの左腕・布施東海(2年)が踏ん張り切れず敗れた。両校に力の差はないと言っていい。関東との「抱き合わせ枠」については、後日、深く掘り下げて検証したい。
東海(2)日大三島が名将迎え大躍進
35年ぶりの静岡勢による決勝となり、県大会に続いて日大三島が聖隷クリストファーを破った。両校のアベック出場は堅い。報徳学園(兵庫)を18回、甲子園に導き、センバツ優勝経験もある永田裕治監督(58)が、就任2年目での大躍進となった。聖隷は県大会から苦しい試合の連続だったが、逆転勝ちを重ねた。両校ともベテラン監督に率いられ、終盤の粘りが身上だ。至学館(愛知)と大垣日大(岐阜)が大会を盛り上げた。
北信越(2)敦賀気比と星稜の揃い踏みか
近年の北信越で覇権を争う敦賀気比(福井)と星稜(石川)の「2強」によるファイナルは、気比がエース・上加世田頼希(2年=主将)の完封劇で制した。11安打を放ちながら敗れた星稜も、今春での退任が決まっている林和成監督(46)の花道を飾れそうだ。4強止まりの富山商と小松大谷(石川)は、ともに接戦を落とした。
近畿(7)和歌山東が大健闘し初出場確実
圧倒的な強さで優勝した大阪桐蔭(タイトル写真)が神宮大会も制し、「神宮枠」を持ち帰った。激戦の近畿大会を盛り上げたのが和歌山東。準々決勝で優勝候補の京都国際に競り勝ち、準決勝では金光大阪を圧倒した。初の甲子園となるセンバツでも勢いに乗って大暴れしたい。天理(奈良)は、長身エース・南澤佑音(2年)が復調し、試合運びが安定した。金光は、古川温生(2年)ー岸本紘一(2年=主将)のバッテリーが攻守で牽引する。8強敗退組でまず浮上するのは、京都国際か。森下瑠大(2年)、平野順大(2年)の左右両輪が健在で、昨夏甲子園4強を上回る成績も夢ではない。好投手・森健人(2年)の評価が高い東洋大姫路(兵庫)も有望。打線強化で、退任する藤田明彦監督(64)に白星をプレゼントしたい。残る1枠、つまり「神宮枠」は、エース不在が響いた近江(滋賀)と、屈指の好投手を擁する市和歌山の熾烈な争いになりそうで、後日、多角的に分析する。
中国(2.5)広島の名門が揃って出場か
毎年、定期戦を行っている広島のライバルが決勝まで勝ち上がった。優勝の広陵は、1年生スラッガー・真鍋慧に注目。広島商は苦戦を強いられた準決勝で、倉敷工(岡山)相手に8回に一挙7得点し、逆転勝ちした。広陵には県大会で勝っていて、20年ぶりのセンバツに期待がかかる。3番手は、倉敷工と岡山学芸館の岡山勢が争う。
四国(2.5)明徳は準決勝敗退で「抱き合わせ枠」次第か
長らく四国の王者に君臨する明徳義塾(高知)が、準決勝で鳴門(徳島)に延長11回の死闘の末、敗れた。優勝は高知で、好投手・森木大智(阪神からドラフト1位指名)で逃し続けた甲子園を、後輩たちが手繰り寄せた。左腕・冨田遼弥(2年)が明徳から13三振を奪った鳴門は、投打のバランスがいい。「抱き合わせ枠」は、明徳と岡山勢の争いになりそうだが、後日、詳細に分析する。
九州(4)九州国際大付に食い下がった大島
九州国際大付(福岡)が投打に圧倒的な強さを発揮した。左腕・香西一希(2年)は変化球の制球力に長ける。打線は、強打の佐倉侠史朗(1年)らが快打を連発した。この九国に決勝で果敢に挑んだのが大島(鹿児島)。エース左腕・大野稼頭央(2年)が球数制限との兼ね合いで登板がかなわず防戦一方だったが、最終回に本塁打などで5点を返した。21世紀枠で選ばれてから8年。実力での奄美大島からの出場は称賛に値する。九州の残る2校は4強で決まることが多く、有田工(佐賀)と長崎日大が選ばれるだろう。
21世紀枠(3)戦力重視傾向も当日のプレゼンテーション次第
近年は、学校そのものの評価もさることながら、戦力の裏付けを重視する傾向にある。その意味で俯瞰すると、西日本に有力校が多い。九州大会初戦で、大島と引き分け再試合の末に惜敗した大分舞鶴の評判がいい。前チームから県内で好成績を収めている点も追い風になるはずだ。中国大会出場の倉吉総合産(鳥取)も、優勝校の広陵に善戦していて、好左腕を擁した楽しみなチームと言える。東日本では、札幌国際情報(北海道)の戦力と、ここ数年の実績が際立つ。ただ、学校評価に関しては、当日のプレゼンテーションと、それに関連する質疑応答で評価の上がるチームが必ず出てくるので、現状は9校が横一線としておく。