“ファイナリスト”への道険し。欧州組増加も喜べぬ、日本サッカー界が憂慮すべき誤算
リバプール対アトレティコ・マドリー戦が劇的な展開だっただけにチャンピオンズリーグ(CL)の中断は惜しまれる。しかし、アンフィールドで行われたその第2戦を振り返るならば、こちらの観戦モードは、延長後半8分、南野拓実が出場したことにより一転することになった。
瞬間、日本人であることを意識してしまった。大舞台に日本人選手が立つ姿を見て、誇らしい気持ちになったものだが、複雑な思いも去来した。
近年、日本人の海外組は急増。日本代表の7〜8割を占めるに至っているが、一方でチャンピオンズリーガーの数は伸び悩んでいる。片手で数えられる範囲からこぼれることがない状態だ。
今季も南野(ザルツブルク、リバプール)、奥川雅也(ザルツブルグ)、長友佑都(ガラタサライ)、伊東純也(ゲンク)の4人に終わった。しかもリバプールに移籍した南野以外は、すべてグループリーグで終わっている。日本人選手のほとんどは、欧州サッカーの中心から離れた位置でプレーしていることになる。
そうした現実が浮き彫りになった瞬間でもあった。日本人選手のレベルは本当に上がっているのか。南野が登場する姿を見ると、むしろ懐疑的になるのだった。CLを、国別対抗戦で争われるW杯の組替え戦と位置づけるならば、日本は、その決勝トーナメント1回戦に、もう何人か送り込んでいなくてはバランスが取れない。
延長後半8分と言えば、先発選手の多くに疲れが見えている状態だ。南野の動きはその分もあったのか、際立って軽快に見えた。2つほど惜しいシーンも作り出したが、それをもって活躍したと評価することはできない。
この記事は有料です。
たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバーをお申し込みください。
たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバー 2020年3月
税込550円(記事4本)
2020年3月号の有料記事一覧
※すでに購入済みの方はログインしてください。