人を動かす「熱量マネジメント」
■ なぜ熱量が必要なのか
私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。だからわかります。絶対達成のために「熱量」は不可欠。なぜなら「熱量」が人を動かすからです。
たとえば、お笑い芸人が話していることを文字起こしして、それを「音声読み上げソフト」を使って聞いてみてください。まず、笑えません。当然です。熱量がないからです。
ということはつまり、人を動かすときに、何を言うのかという「言語データ」にだけとらわれてはいけない、ということです。他者のみならず、自分を奮い立たせるためにも熱量が必要なのです。熱量があることで、ハートに火をつけることができます。
■ 習慣化の4ステップ
それでは、他者(自分)がどのような状態のときに熱量が必要なのか。
わかりやすくするために、ここで、習慣化するために必要な「4ステップ」を紹介します。無意識のうちにできている状態のことを習慣化していると呼び、そこにいたるまでのステップが4段階ある、という話です。
それは、以下の4ステップです。
1.無意識的無能状態(知らないからできない状態)
2.意識的無能状態(知っているけれどもできない状態)
3.意識的有能状態(意識しているときだけできる状態)
4.無意識的有能状態(無意識にできる状態)
この4ステップの中で、最も大事なのはステップ2。
いわゆる「わかっちゃいるけどできない状態」のとき。この状態のときに、どう働きかけるかで、3つ目、4つ目の「無意識的有能」にまで到達するかどうかが決まります。
自分を動かす場合も、誰かを動かす場合もそう。先述したとおり、言語的な情報を伝えるだけでは不十分です。なぜならそんなこと、すでに「知っている」からです。「わかっている」からこそ、反論できないので、指摘されればされるほど逆ギレしたくなります。
「わかってるって!」
と。
■ 熱量マネジメント
動けないときは、誰にでもあります。理屈じゃないのです。ですから、そのまま放置していれば、次第に行動に移せない自分に腹が立ち、そして、その状態がつづけば、いずれそこから目を背け、「くすぶっている状態」へと突入していきます。
研修を受けても、仕組みで「見える化」しても、人の行動はそう簡単に変わりません。わかっていることを、何度言われても、何度見せられても、動けないものは動けないのです。
先述した、お笑い芸人の音声を文字起こしした情報と同じ。熱量がないから、心が動かされない。
少し気持ちを込めるだけでいいのです。「やろうよ!」と。「一緒に頑張ろうよ!」と言うだけでいいのです。テクニックや小細工に意識を向けすぎるから、うまくいくものもうまくいかないのです。
ですから、効果的に熱量を投入する「熱量マネジメント」が必要なのです。
■ 熱量を浪費してはならない
さて熱量は、「熱の量」と書きます。計測でき、限りがあるものです。使っているとドンドン減っていくものですから、浪費しないことです。
ですから、イライラしたり、怒ってばかりいると、限りある熱量が、そこに使われてしまいます。熱量がどれぐらいあるのか。それは個人差があるでしょうから、自分にどれぐらいの「熱意の量」があるかを見極め、ここぞというときに使えるように心掛けたいですね。
これも「熱量マネジメント」の一つです。