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【目黒区】「グラフィカリー 中目黒店」のカレーは、思ってたのとまったく違う異次元のおいしさ!

Chikuwa地域ニュースサイト号外NETライター(東京都目黒区)

中目黒の山手通り沿いにある「にこバー」内に2021年12月15日(水)、5色の冷凍カレー「グラフィカリー」をランチ提供する路面店がオープン。プレオープンとして試食会が開催されたので取材してきました。

「にこバー」内でランチ営業する「グラフィカリー 中目黒店」
「にこバー」内でランチ営業する「グラフィカリー 中目黒店」

お店の前には目印として、ランチ営業を告げる看板が出されていました。見た目もおしゃれでカラフルな「グラフィカリー」とはどんな味なのでしょうか?

路面店オープンをプロデュースしたシェフクリエイト合同会社代表の日吉瑞己(ひよし みずき)さんと、レシピ開発されたシェフの近藤潤(こんどう じゅん)さんにもお話を伺ってきました。

「グラフィカリー」とは温めるだけでプロの味が楽しめる冷凍カレー

グラフィカリーとは、お店で食べるスパイシーで香り高いカレーをどなたでも再現できるよう開発したカレー。湯せんで温めるだけで簡単にプロフェッショナルな味を楽しめるよう、1食ずつ個包装で販売されています。

コロナ禍で苦戦する飲食店、特にスナックやバーなどの夜営業中心のお店でも、本格的なカレーをランチ提供できるようにイメージして開発したそうです。

「美しい色」をコンセプトに5つの色と味のカレーをラインナップ。しかもそれぞれがインド料理と異なる食文化との組み合わせとして開発されており、これまでにない味わいのカレーを楽しめるというユニークさです。

以下、グラフィカリーを順番に試食した感想をまとめてみました。

ヴィーガンの方も安心して食べられる「黄-KI 精進出汁ダルカレー」

黄-KI 精進出汁ダルカレー
黄-KI 精進出汁ダルカレー

「黄-KI 精進出汁ダルカレー」は、動物性食材を一切使用していない赤レンズ豆とひよこ豆を使用した豆カレー。日本とインドの食文化が融合した一品です。

ダルカレーはインド料理店ではポピュラーなカレーの一つ。私も好物なのでよく食べますが、比較的やさしい味わいが特徴ゆえ、食べた時にちょっとぼけたような印象を受けがちなのが欠点でもあります。

『スパイスや具材をいろいろ使いすぎると、豆の風味が損なわれてしまうことが多い』と近藤さん。このため、干しシイタケと昆布の出汁をベースに、豆のゆで汁を合わせ、極力スパイスを引き算してまとめているとのことでした。

実際に試食した印象は”しっかりとした味わいのある豆カレー”です。きちんとスパイスの香りも立ち上りますが、昆布やシイタケの優しい旨味と豆の旨味が上手に融合されています。

挽きわりレンズ豆と大きめのひよこ豆の食感の違いが楽しめるのも魅力的です。

いろんなお店で豆カレーを食べてきて『これは』というものになかなか出会えませんでしたが、グラフィカリーの豆カレーはリピート必至。動物性のものを一切使用していなくても、ここまでパンチがあって旨味や奥行のある味が出せるのかと感心しました。

ヴィーガンの方でも安心して食べられますし、唐辛子も控えめなので小さいお子さんやご年配の方でもおいしく召し上がっていただけると思います。

色鮮やかで魚介の旨味たっぷりの「碧-MIDORI シーフードグリーンカレー」

碧-MIDORI シーフードグリーンカレー
碧-MIDORI シーフードグリーンカレー

2品目は自家製グリーンカレーペーストを使用したシーフードカレーです。グリーンカレーといえばタイカレーをすぐに思い浮かべますが、グラフィカリーの方は色鮮やかなほうれん草などの緑野菜のペーストを使った見た目も鮮やかなカレー。

タイと北インドの食文化が融合した一品となっています。

レモングラス、バイマックルー 、カーといったタイの代表的なハーブを中心に青唐辛子をふんだんに使った爽やかで刺激的な辛さが魅力。

実際に食べた印象は、シーフードの出汁がしっかりと感じられ、オリエンタルなタイのハーブとインド料理の深みのあるスパイシーさがバランスよく鼻に抜けていきます。

タイのグリーンカレーとも違う、インドのザグカレー(ほうれん草のカレー)とも違う、まさにグラフィカリーだけのオリジナルの味です。海老やホタテの旨味、濃厚さがありつつも重さを感じさせない軽やかな辛さは、ついついもう一口と食べ進んでしまいます。

普通だけどダダものじゃない「橙-DAIDAI マイルドココナッツチキンカレー」

橙-DAIDAI マイルドココナッツチキンカレー
橙-DAIDAI マイルドココナッツチキンカレー

『普通のチキンカレーはないの?』といわれて開発したという「橙-DAIDAI マイルドココナッツチキンカレー」。ハワイココナッツと北インドのバターチキンカレーを組み合わせた、グラフィカリーの中で最も親しみやすい一品になっています。

動物性油脂をたっぷり使ったバターチキンカレーはおいしいのですが、途中で食べ飽きてしまうのが難点。バターをさっぱりとしたココナッツ油脂に置き換え、骨付きの手羽元を使うことで濃厚なコクをプラスしてまとめています。

実際にいただいてみましたが、甘さとコクがありながら爽やかなココナッツの香りと味わい、トマトの酸味、スパイスが描くハーモニーが楽しめました。ほろほろとほどけるチキンがカレーによく絡んでおいしい!

こちらも濃厚さを感じさせつつ、後味はとっても軽やかです。甘口に仕上がっているのでお子さんでもおいしく食べられますね。

「普通のチキンカレー」といいつつも、グラフィカリーらしいこだわりと工夫がたくさん詰まったオリジナルのおいしさでした。

最も開発に苦労した「黒-KURO 黒ゴマキーマカレー」

黒-KURO 黒ゴマキーマカレー
黒-KURO 黒ゴマキーマカレー

「黒-KURO 黒ゴマキーマカレー」は、5つのカレーの中で最も開発に苦労したという一品。中華料理と南インドのキーマカレーとを融合させた個性的な味わいとなっています。

ベースは黒胡麻担々麺をイメージしたもので、黒ゴマと八角、シナモンに黒胡椒・赤花椒・青花椒の3種のスパイスを組み合わせ、唐辛子とは異なるシャープな辛さを表現しています。

黒ゴマや担々麺ということばや見た目のイメージにとらわれると、このカレーの魅力を見失います。中華のような味わいもちゃんとあるのですが、インド料理らしいスパイスの複雑なハーモニーも広がる不思議な世界観。

キーマカレーというと挽肉ですが、賽の目状に切られたブロック肉の角煮が随所に隠れていて、噛み応えととろけるような食感の両方が楽しめます。

また、粗挽きされた八角などのスパイスのザクザク感と噛むたびに広がる香りがたまりません。

中華料理に使われるスパイスをそのまま使用すると、中華料理そのものになってしまう。一度組み立てたレシピを4回も捨てて、新しく設計しなおし、試食を繰り返したという近藤シェフ。

インドカレーに使われるトマトが邪魔しているのではないかと思い、トマトがまだインドに伝わる前のカレーレシピをベースに、黒ゴマキーマカレーを完成させたそうです。

その努力が花開き、これまでにないカレーを生み出しています。

一番の辛口ですが旨味も深い「紅-AKA 燻製スパイシーチキンカレー」

紅-AKA 燻製スパイシーチキンカレー
紅-AKA 燻製スパイシーチキンカレー

最後にいただいたのは“紅-AKA 燻製スパイシーチキンカレー”です。5色の中で最もパンチのある辛さが自慢の一品。メキシコと南インドのチキンカレーの融合です。

メキシコから直接取り寄せた燻製とうがらし「チレモレ」とグリーンカルダモンを組み合わせた爽快感のある辛さが楽しめます。

サラサラとしたスープカレーのよう。確かに辛いのですが複雑な旨味とコクがあり、まるでカツオ出汁のような味わいも感じられてびっくりです。

試食5品目でお腹はいっぱいなのですが、思わずお代わりといってしまいそうでした。

お酒を飲んだ後に締めカレーとしておいしくいただけそうな軽やかさ。ご飯と混ぜておじや感覚で食べてもいいそうです。

グラフィカリーを最後までおいしくサポートする付け合わせとオリジナルのお茶

(写真提供:グラフィカリー)
(写真提供:グラフィカリー)

グラフィカリーの付け合わせも個性的!

とろり半熟卵とスパイシーなポテト、黒胡麻をまぶした大根、三つ葉とココナッツを合わせたサンボル、どれもカレーのおいしさを引き立たせる名わき役でした。

サンボルは通常パクチーを使うところを三つ葉にしているので、パクチーが苦手という方でもおいしくいただけます

カレーと一緒にサービスされたお茶は、レモングラスなどのハーブを使った爽やかな味わい。スパイスの香りに慣れてしまった鼻をリセットさせて、再び香り高いカレーの世界を存分に堪能することができます。

5色カレーの魅惑的な味わいはどれも名残惜しかったのですが、毎回お茶でリセット。次のカレーの香り立ちを最後までしっかりと感じ、楽しむことができました。

エスニック料理好きが高じてオリジナルのカレー「グラフィカリー」を開発した近藤さん

グラフィカリーの生みの親・近藤潤さん
グラフィカリーの生みの親・近藤潤さん

グラフィカリーの生みの親である近藤さんは、お料理教室を運営するシェフクリエイトの卒業生であり、現在は教室のエスニック料理講師としても活躍中。

インド料理やタイ料理の他、和食、洋食など幅広い料理スキルの持ち主で、年間100件以上のケータリングや出張料理をこなしつつも、カレー専門卸売店グラフィカリーを運営しています。

そのキャリアに基づき生み出されたグラフィカリーは『出来立てはおいしくないカレー』だといいます。

グラフィカリーは解凍した時に最もおいしくなるように計算しつくしてつくっています。冷凍して熟成させることで最適なスパイシーさと香り、味わいになるよう調整。

出来立ては香りが強すぎるなど、まとまりのない味と感じると思います。」と近藤さん。

冷凍したものを解凍した瞬間が最もおいしいという状態につくり上げるまで、試行錯誤を重ねたそうです。

グラフィカリーの食材はすべて自然素材で、化学調味料、保存料、合成着色料不使用。食材のカットから、炒め、煮込みまで全て手作業というシェフハンドメイドの味です。

近藤さんは「カレーの色はすべて食材などの自然な色です。美しい色をコンセプトに開発しました。Instagramなどにアップした時も美しい色合いを楽しんでもらえるよう仕上げています」とおっしゃっていました。

お皿をパレットに見立てて、美しい色のカレーでアートを描くように盛りつける。グラフィカリーは「Graphically(グラフィカリー)=絵を見るように生き生きと描写する」ということばと、「Curry(カレー)」を掛け合わせているということですね。

「グラフィカリー」を味わえる実店舗として「にこバー」でランチ営業をスタート

(写真提供:グラフィカリー)
(写真提供:グラフィカリー)

にこバーは恵比寿駅や代官山駅にも近い、山手通りに面した小さなバーです。1人でふらりと立ち寄れる、アットホームでこじんまりとした雰囲気のお店。

今回、グラフィカリーの実店舗として営業をしてみようと考えた時、縁あってランチ営業をさせてもらう話がトントン拍子で決まったそうです。

お店の立ち上げやプロデュースとして関わったシェフクリエイト代表の日吉さんは、老舗フランス料理店などでキャリアを積み、独立。シェフクリエイトを立ち上げ、プロとして通用するお料理を短期間で習得できる教室をスタートさせた方です。

シェフクリエイトのコンセプトは「10年かかるプロの料理技術を4か月で習得する料理教室」。特定のレシピを教わるスタイルではなく、料理上達のためのエッセンスを盛り込んだ独自のお料理プログラムを提供しています。

一般的な家庭料理を学べるコース、フレンチやエスニックなど専門料理が学べるコースが用意されているので、「もっと料理がうまくなりたい」という方から「プロとして本格的な料理を提供できるようになりたい」という方まで幅広く学べる内容になっています。

気軽に受けられる「1Dayレッスン」も用意されているので興味がある方は、ぜひ問い合わせてみてはいかがでしょうか。

「グラフィカリー 中目黒」は定期的に通いたくなるお店

向かって左が日吉さん・右が近藤さん
向かって左が日吉さん・右が近藤さん

日吉さんのもとで料理を学んだ近藤さん。シェフクリエイトプロデュースのもと、エスニック料理に造詣が深い近藤さんのセンスを遺憾なく発揮したグラフィカリーを、より多くの方に知っていただく拠点として、中目黒に実店舗をオープンさせました。

近藤さんのグラフィカリーはもちろん通販でも購入できますが、気軽に味を体験できる場が誕生したのは追い風になりますね。「にこバー」内でランチ限定営業ですが、テイクアウトにも対応しています。

カレー好きの方も、飲食店で簡単に取り入れられるメニューの一つとして興味があるという方も、ぜひお店に足を運んでみてください。

近藤さんのアイデアと知識がたっぷり詰まった、見た目にもおいしいカレーをぜひ一度味わって欲しいと思います。

「にこバー」の入り口が少しわかりづらいので、お隣にあるラーメン屋「麺屋宗 中目黒店」を目指してくるとわかりやすいと思います。

【店舗概要】
グラフィカリー 中目黒店
営業時間:11時30分~15時(LO14時30分)、日曜休み
住所:東京都目黒区中目黒3-5‐33 オークヴィラ中目黒101 「にこバー内」
問合せ先:03-6712-2766

■取材協力
グラフィカリーシェフクリエイト合同会社

地域ニュースサイト号外NETライター(東京都目黒区)

コピーライターからWebライターへ転身。アロマセラピスト・整体師としても時々活動しています。趣味はカンフー(八卦掌・長拳)と古代史(関裕二先生のファン)。目黒区の魅力やおもしろいところを発信していきます。取り上げて欲しい目黒の穴場や情報もぜひお寄せください!

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