【天ぷらと日本酒って最高じゃない?】京都のラグジュアリーなホテルで1日限りのペアリングディナー
京都・祇園や河原町、先斗町などの繁華街に近い鴨川のほとりに開業して10年を迎えた「ザ・リッツ・カールトン京都」。
「天婦羅 水輝(てんぷら みずき)」にて、450年の歴史を持つ滋賀の酒蔵「冨田酒造」の日本酒「七本槍(しちほんやり)」とコラボレーションのディナーを楽しんできました。
「ザ・リッツ・カールトン京都」の日本料理「水揮(みずき)」は、地下1階にあり、会席・天麩羅・鮨・鉄板の4セクションで構成されています。
今回のイベントは、ミシュランガイドにも掲載されている「天麩羅 水暉」で開催されました。カウンター席は8席のみ。
冨田酒造 七本槍(しちほんやり)
「冨田酒造」は滋賀県長浜市木之本町で450余年の歴史を持つ滋賀の古酒蔵です。
酒蔵からほど近い賤ヶ岳(しずがたけ)にて、豊臣秀吉と柴田勝家が戦った「賤ヶ岳の合戦」。
秀吉側の7人の若武者たちは槍(やり)の使い手であったことから「賤ヶ岳の七本槍」と呼ばれていて、これが日本酒「七本槍」の名に由来しています。
「七本槍」は、原材料の酒米の9割が滋賀県産米「玉栄(たまさかえ)」。
「玉栄」は酒米としては硬くて扱いが難しいそうですが、滋賀県産米にこだわり、名工たちの手により美味しいお酒に作り上げられています。
テラスでスパークリング
明るいうちにお店に着いて、青もみじの緑が鮮やかで心地よいテラスにて「純米スパークリング 日本酒 awaibuki」をいただきました。
「カンパーイ」。樽の中で二時発酵をさせた日本酒は、しゅわしゅわっとのどごしが良く、ほどよい酸味があっておいしい。
「冨田酒造」15代目 冨田泰伸氏
今回のペアリングディナーには、「冨田酒造」15代目の冨田泰伸氏が来館。お酒の説明をたっぷりしてくださいました。
ペアリングディナー
先ほどの「純米スパークリング 日本酒 awaibuki」と磨き60(米の4割を精米している)の新酒「純米 玉栄 しぼりたて生原酒」をガラスのおちょこでいただきました。
スパークリングはグラスと温度帯の違いでまた味わいが変わり、玉栄の方は渋みと苦味のある若い味わい!
先付
このような盛り付けで先付が登場。ステキですね!
筍(たけのこ)、赤い近江(おうみ)こんにゃく、平貝(たいらぎ)の木の芽和えに土筆(つくし)。
山菜「うるい」の天ぷらは衣が軽くてサクッと。柔らかなホタルイカ、アスパラガス、フルーツトマト、やわらかな筍の姫皮、黄身酢はオレンジ色でまろやかな酸味。
はぁ~!さすがのおいしさです。おいしいお酒がさらにおいしく飲めます。
次に「純米吟醸 吟吹雪」が登場。キレがありすっきりとした辛口なので、天ぷらに合わせるのにぴったりですね。
天婦羅のスタート
まずは車海老の足の素揚げ。カラッと軽い。自然な圧搾製法の一番搾りべに花油を使われているそうです。
70gの大車海老。うす衣をまとい、うまみをとじこめているから最高においしい。
希少な淡路島・由良のムラサキウニ。鮮度を示すため裏向けに並べられているそうです。
有明の海苔の天ぷらに、アオサ海苔で磯臭さを加味し、由良のウニと岐阜・中津川のキャビアをあしらった逸品!
次に旬のホワイトアスパラガス。この状態の良さ!レモンと塩でいただきました。
生もと 琥刻(きもと ここく)
酵母無添加・天然の乳酸菌で作られる2022年のビンテージです。古酒とまではいかないので飲みやすい。ラベルはよく見ると「二〇二二」と記されています。
近江牛を今の季節の味覚で
花山椒を近江牛のロースと葉山椒で巻いた天ぷら。口の中でしっとりとした和牛に山椒の香りが広がり、サクッと衣がアクセントで絶品のおいしさ。
魚のおいしさは扱いで変わる
静岡・焼津の老舗鮮魚店「サスエ前田」より仕入れの金目鯛。同じ魚でも扱いの仕方でおいしさが相当違うそうです。そしてこの火入れ具合もお見事。鬼おろしと天つゆでいただきました。衣サックリ、金目鯛ふんわり。
木ノ環 本桶仕込
「木ノ環 本桶仕込」は、木の桶によりクリーミーなニュアンスが加わるそうです。
京都で筍といえば西京極の樫原(かたぎはら)。柔らかい繊維質の筍に唐墨(からすみ)香りと塩味がお酒とともに溶け合い、これがペアリングの真骨頂!
今だけの味わい!
「淡路 油女(あぶらめ)新子」。当て字が(笑)若い世代による有田焼の盛り台に泳いでいるように並べられたのは小さなアイナメ。この状態でいただけるのは一年のうち2週間ほどらしく、ふわりほくほくと堪能しました。
無農薬純米「無有(むう)」
「無農薬純米『無有(むう)』」は、農薬「無し」で、新たな価値が「有る」お酒。良い香りが印象的でした。
今度の近江牛はフィレの紫蘇巻き。安曇野(あずみの)のワサビでいただきました。古典的表現ですが、ほっぺた落ちそう。
純米大吟醸 玉栄
「純米大吟醸 玉栄」が登場。このころに大吟醸とは?「食中で楽しんでいただける大吟醸」をコンセプトにしているそうです。確かに次から山菜が続くので甘めでコクのあるお酒が合うかも!
京都 美山(みやま)の天然の山菜
タラノメ大好き。ほろ苦さと風味がたまらない。
こちらはコシアブラ。初めていただきました。
大蛤(おおはまぐり)を貝殻ごと揚げた天ぷら!
生食できる大蛤をさっと揚げたのだそうです。切り口に醤油を垂らしてあるのでそのままでいただきます。
京都 鷹峯 新玉葱
これも季節の味わい。
御食事
オールドバカラのグラスに香の物
野菜や昆布を取り合わせて。
桜海老の天ちらし/瀬田シジミの赤出汁
赤酢の酢飯の上に桜海老のサクサクのかき揚げ。赤出汁は瀬田のシジミ入り。
純米 シェリー樽熟成
シェリー酒の樽を使って熟成させた日本酒は、薄く色づき、甘くまろやかなニュアンスが加わり、デザート時にぴったり。
京都の細長いイチゴ「章姫(あきひめ)」、大きくてとても甘くてみずみずしい佐賀の新ブランドみかん「にじゅうまる」。そしてエルメのマカロン「ショコラアメール」。
おわりに
季節の食材を日本最高峰の天ぷらで、歴史ある名酒造の日本酒のラインナップで味わう特別メニュー。心地よいおもてなし。一生忘れられない晩餐の一つとなりました。
これを機会にまたランチやディナーでも伺いたい。
天婦羅 水揮(てんぷらみずき)
京都府京都市中京区鴨川二条大橋畔
ザ・リッツ・カールトン京都 B1F
075-746-5522(レストラン直通)
公式ページ(外部リンク)
こちらは一夜限りのイベントでしたが、次は「日本料理水揮」にて6月に、伏見の伝統ある2つの酒蔵とのコラボレーションディナーが開催されるので、日本酒がお好きな方はぜひチェックしてみてください。
「水揮 会席」×「北川本家」×「松本酒造」コラボレーションディナー
2024年6月21日(金)18:00~
30,000円(税サ込)※日本酒のペアリングつき
日本料理 水揮
京都府京都市中京区鴨川二条大橋畔
ザ・リッツ・カールトン京都 B1F
075-746-5522(レストラン直通)
公式予約ページ(外部リンク)