受験直前、受験の朝に受験生と家族がすべきこと:受験の心理学
■受験シーズン到来
1月17、18日はセンター試験。その後は、私大の入試、国公立大学の二次試験。高校入試も、市立公立と続きます。受験生にとっては、試練の時期ですね。でもこの試練を上手に乗り越えれば、春が待っていますし、受験生は人として一回り大きくなれるでしょう。
■受験の前ににやってみよう:メンタルリハーサル
想像してください。
あなたは受験の朝、さわやかに目を覚まします。おいしく朝ごはんを食べて、元気に家を出ます。バスに乗り電車に乗り、受験会場に着きます。できるだけ具体的にイメージしましょう。受験会場に着いたあなたは、試験問題に取り組みます。頭はさえわたり、今まで勉強してきたことがスラスラと書けます。
こうしてあなたは実力を発揮し、深い達成感を持って受験会場を後にします。
これが、メンタルリハーサルです。スポーツ選手なども使う方法です。もちろん受験勉強は一生懸命しなくてはなりません。そして入試当日に必要はことは、実力を十分に発揮するということです。必要以上の不安や緊張は、困りますね。そんな雑念を取り払い、気持ちを落ち着ける方法が、メンタルリハーサルです。
何度でも、心の予行練習をやってみましょう。
■悪い想像はやめよう
ところが実際は、このメンタルリハーサルと逆の想像をしてしまう人たちがいます。入試のことを考えると、失敗するような嫌なことばかり考えてしまいます。
バス遠足の前に、バスに乗って乗り物酔いしている自分を何度も想像するようなものです。こんなことをしていると、遠足の日にバスを見ただけで気持ち悪くなります。
性格を変える必要はありません。無理に明るくなる必要もありません。いやな想像がわいてきたら、心の中で「ストップ」と言いましょう。それ以上考えることはやめましょう。
そして、どうせ想像するなら、さわやかで、元気のでるようなメンタルリハーサルの想像をしましょう。そうすれば、当日もきっと大丈夫です。
■入試の朝
さあ、入試の朝がやってきました。
前の日は早めに寝るでしょうが、人によってはすぐに眠れない人もいるでしょう。でも大丈夫。入試当日の朝、目が覚めたら、心の中で言いましょう。
「よし、ぐっすり眠れたぞ」
実際の睡眠時間なんてどうでも良いでしょう。タイムマシンで前の晩には戻れません。「よく眠れた」「良い目覚めだ」と自分で思えば良いのです。
心理学の研究によると、起床時に「よく眠れた」と思うことによって、実際に睡眠の良い効果が現れることがわかっています。
さて、受験の朝は特別なことはしない方が良いでしょう。いつものあなたの実力が出せればよいのですから。いつもの朝ごはんと、いつもの朝の支度です。それが、心身の快調につながります。
ただし、家族が玄関まで送ってくれるとか、ひと声やさしい声をかけてくれるとか、手作りのお弁当を持たせてくれるとか、そういいう特別なことは、もちろんOKです。
■受験生のご家族の皆さんへ
入試直前、入試の朝となれば、勉強ではなく、心身の調子を整え、心と体のベストコンディションを作ることこそが大切です。そのために家族にできることは、「温かな態度」です。
腫れ物にさわるように気を遣うのではありません。それは、逆効果です。プレッシャーを与えず、温かな態度で送り出す。これこそが、大切です。
人は、不安になり緊張するものです。どの受験生も同じです。でも、家族の愛を感じるとき、人は不安や緊張から解放され、実力が発揮できるのです。
「人は、愛に支えられて力が発揮されます。愛されている実感で、失敗したらどうしようという自分を縛る不安や緊張の思いから開放されるのです。」(「不安と緊張と愛の心理学:受験にも試合にもプレゼンにも負けないために」Yahoo!ニュース個人有料「碓井真史の心理学であなたをアシスト」)
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