エンゼルス・ファンにとって『特別な場所』で入団会見を行った大谷翔平
大リーグのロサンゼルス・エンゼルスに入団した大谷翔平が本拠地のエンゼル・スタジアム正面入口にて公開入団会見を行ったが、そこはエンゼルス球団とそのファンにとって『特別な場所』だった。
入団会見をファンに公開するのはメジャーリーグでも異例のこと。
2009年のワールドシリーズでMVPに選ばれた松井秀喜が、その年のオフにFAとなり、エンゼルスへFA移籍したときでも、エンゼルスの入団会見は球場内の会見室で行われ、ファンには公開されていない。
エンゼルスが移籍選手の入団会見をファンに公開したのは、2011年オフにFAだったアルバート・プーホルスとCJ・ウィルソンを獲得したとき。
このときは今回の大谷と同じくエンゼル・スタジアムの正面入口に特設ステージを設けて公開会見を行った。
プーホルスとウィルソン合わせて総額3億3150万ドル(約375億円)の超大型契約で大物FA2選手と契約したこのときには、約4000人のファンが球場前に集まった。
エンゼルスはマイナー契約を結んで、メジャー昇格後も最低年俸の54万ドル(約6000万円)の大谷に対して、メジャーを代表するスーパースターと同じ扱いで歓迎の意を表した。
また、このエンゼル・スタジアム正面入口は、2002年にワールドチャンピオンに輝いたときの優勝パレードの最終地点で、多くのファンと共に優勝を喜んだ特別な場所でもある。
エンゼルスはこの2002年を最後にワールドシリーズから遠ざかっている。
2004年から2009年までの6シーズンは5度も地区優勝しながら、プレーオフで敗退。そして、2010年から今年までの8年間は1度しかプレーオフに出場できないほど長い低迷に苦しんでいる。
2011年のプーホルスとウィルソンの入団会見に4000人ものファンが集まったのは、大型契約で移籍してきた2人がエンゼルスに球団2つ目のワールドシリーズ・トロフィーを与えてくれると期待したからに他ならない。
「メジャーリーグのスタートラインに立てたことを感謝している」と入団会見で感謝の言葉を口にした大谷は、「これからエンゼルスの一員として、ファンの皆さんと共に優勝を目指して頑張っていく」と集まった多くのファンに対して熱いメッセージを送った。
次に大谷がエンゼル・スタジアムの正面入口の特設ステージに立つのは、ワールドシリーズ優勝パレードのときになるはずだ。
エンゼルス・ファンたちは、この『特別な場所』で大谷が優勝トロフィーを高々と掲げる姿を頭の中に思い浮かべながら、大きな声援と拍手で新入団選手を歓迎した。