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間もなく開幕! アーケードゲームの祭典「アミューズメントエキスポ」で注目したい5つのポイント

鴫原盛之ライター/日本デジタルゲーム学会ゲームメディアSIG代表
昨年開催の「ジャパンアミューズメントエキスポ2023」会場(※筆者撮影。以下同)

一般社団法人日本アミューズメント産業協会(JAIA)が主催する、アーケードゲームの展示イベント「アミューズメントエキスポ2024」が、11月15(金)~16(土)日の2日間にかけて東京ビッグサイトで開催される。

会場では、国内外のゲームメーカーやオペレーター(※ゲームセンターの経営会社)などがブースを構え、最新のアーケードゲームをはじめ、その関連機器やサービスを出展する。初日は業界関係者のみ入場できる「ビジネスデ―」で、2日目は有料で誰でも入場できる「ユーザーデー」となる(※小学生以下は無料)。

先週あたりから、参加各社が出展情報のプレスリリースを続々と発信し、同時に特設サイトもオープンしているが、なぜか本イベントの関連情報は、ゲーム専門のメディアでもほとんど報道されていない感がある。

そこで「アミューズメントエキスポ2024」の見どころを、筆者がJAIA事務局を取材したうえで、5つのポイントに絞ったうえでまとめてみた。普段、ゲームセンターに行く機会がない、あるいは本イベントの存在を知らない人にも、何かの参考になれば幸いだ。

同じく、昨年11月に開催された「ジャパンアミューズメントエキスポ2023」会場の様子
同じく、昨年11月に開催された「ジャパンアミューズメントエキスポ2023」会場の様子

1:最新の景品を多数展示、フリープレイも可能な「プライズフェア」

昨今のアーケードゲーム市場、すなわちゲームセンターの主力ジャンルとなっているのがプライズ(景品)ゲームだ。普段ゲーセンに行く最大のお目当てがプライズ、あるいはクレーンゲームであり、自身の好きなキャラクターグッズをゲットすべく、日々「推し活」に励んでいる人も少なくないだろう。

そんな皆さんには、もし会場に足を運んだならば、まずは景品の製造、販売メーカー各社が合同で出展する「プライズフェア」ゾーンに向かうことをおすすめする。なぜなら、ここには最新の景品サンプルが多数展示され、加えて毎年恒例の「クレーンゲームフリープレイ」コーナーがあるからだ。

「クレーンゲームフリープレイ」コーナーは毎年人気が高く、今回も30~60分程度の待ち時間が発生することが予想されるが、スタッフが手取り足取りサポートしてくれるので、初心者でも比較的簡単に景品をゲットできるのが最高に嬉しい。

さらに今回は、初開催となる主催者企画「クレーンゲーム検定」コーナーも登場する。会場で実機をプレイしたうえで、その腕に応じて級・段位の認定証がもらえるそうなので、自信のある人はぜひ、こちらにもチャレンジしてはいかがだろうか。

前回の「クレーンゲームフリープレイ」コーナー。景品を獲得後、再び待機列に並ぶ来場者も例年非常に目立つ
前回の「クレーンゲームフリープレイ」コーナー。景品を獲得後、再び待機列に並ぶ来場者も例年非常に目立つ

2:ビデオゲーム好きの「最後の砦」か? 「exA-Arcadia」ブース

昔ながらのビデオゲームが好きな人は、今回が初出展となる「exA-Arcadia(エクサ・アルカディア)」ブースに注目だ(※)。

エクサ・アルカディアとは、国内ではShow Me Holdingsが販売している、オンライン対応ビデオゲーム基板のことで、複数のタイトルを自由に選んで遊べるのが最大の特徴。「サムライスピリッツ零SPECIAL完全版」「ドーナツドードードゥ!」「東方電幻景」などのタイトルが稼働中だ。

現在のアーケードゲーム市場では、新作ビデオゲームのリリースが激減している。今回出展する全51社の中でも、ビデオゲームの出展にこだわるのは、おそらく本ブースだけであろう。特に、ゲーセンと言えば真っ先にビデオゲームを思い付く昭和生まれのベテラン、いや大ベテランプレイヤーは、絶対に足を運ぶべきブースだ。

あくまで筆者の推測になるが、会場には公式サイトで本年に稼働予定と発表している「フィグゼイト -地獄の英雄伝説- EXAレーベル」「ジツ・スクワッド×キャッ党忍伝てやんでえ」「アクウギャレット EXAレーベル」の各タイトルが出展されるのではないかと思われる。

※筆者注:正確には、前々回(昨年2月に開催)のエイコーブース内で「exA-Arcadia」のビデオゲーム筐体を出展したことがある。

前々回のエイコーブースに設けられた「exA-Arcadia」コーナー
前々回のエイコーブースに設けられた「exA-Arcadia」コーナー

3:カードゲームの復権はあるのか?

2000年代に一大ブームとなったカードゲームだが、近年は当時に匹敵するムーブメントを巻き起こすほどのヒット作がなかなか出てこない。そこで注目したいのが、バンダイナムコアミューズメントブースに出展される「アイドルマスター TOURS」の動向だ。

本作は、昨年に引き続き2度目の出展となるが、以前に比べて完成度は間違いなく高まっていることだろう。長年の「アイマス」シリーズのファンだけでなく、本シリーズの元祖がアーケードゲームであることを知らない若い世代にも、はたして本作は受け入れられるのだろうか。

一方、コナミアミューズメントブースには、長年にわたり稼働を続けていたキッズ向けカードゲームの続編「モンスター烈伝 オレカバトル2」が出展される。こちらも低年齢層、あるいはファミリー客の人気をどれだけ集めるかに要注目だ。

前回のバンダイナムコアミューズメントブースに展示された「アイドルマスター TOURS」
前回のバンダイナムコアミューズメントブースに展示された「アイドルマスター TOURS」

4:音ゲー、ゲーム音楽ファンにオススメの「AMUSEMENT MUSIC FES 2024」

昨年に引き続き、特設ステージではコナミアミューズメント、セガフェイブ、タイトー、バンダイナムコグループが参加する「AMUSEMENT MUSIC FES 2024」が開催される。

こちらは各社の音楽ゲームに収録されている楽曲などを、アーティストたちが演奏、または歌い踊るライブイベント。今回は目立った新作タイトルの出展がないこともあり、日々音楽ゲームを遊んでいるプレイヤーにはイチ押しのコーナーである。

前回の様子は、下記に埋め込んだXの投稿などから動画でも見ることができる。なおJAIA事務局によると、ライブチケットは10月29日の時点で完売間近とのこと。観覧を希望する人は、早めにチケットを購入しておきたい。

5:未来の業界を担う人材輩出につながるのか? 「アミューズメント業界研究セミナー」を初開催

今回が初めての開催となる、業界志望の学生に向けた主催者企画「アミューズメント業界研究セミナー」にも注目したい。

セミナーにはラウンドワン、共和コーポレーション、コナミアミューズメント、システムサービス、泉陽興業の全5社のスタッフが登壇し、店舗運営のほかゲーム機類や景品の開発、および販売の事業内容についてレクチャーする。ほかにもクレーンゲームの体験プレイや、優秀店長のトークセッションにも参加できるとのことだ。

JAIA事務局によると10月29日の時点で、すでに200人ほどの応募があったとのこと。こちらも定員に達したところで申し込みは終了となるので、こちらの参加希望者も早めに手続きを済ませておきたい。

(参考リンク)

・「アミューズメントエキスポ2024」公式サイト

・「新生『アーケードゲームの祭典』 現地で見た展望と課題」(拙稿:2023年12月1日掲載)

ライター/日本デジタルゲーム学会ゲームメディアSIG代表

1993年に「月刊ゲーメスト」の攻略ライターとしてデビュー。その後、ゲームセンター店長やメーカー営業などの職を経て、2004年からゲームメディアを中心に活動するフリーライターとなり、文化庁のメディア芸術連携促進事業 連携共同事業などにも参加し、ゲーム産業史のオーラル・ヒストリーの収集・記録も手掛ける。主な著書は「ファミダス ファミコン裏技編」「ゲーム職人第1集」(共にマイクロマガジン社)、「ナムコはいかにして世界を変えたのか──ゲーム音楽の誕生」(Pヴァイン)、共著では「デジタルゲームの教科書」(SBクリエイティブ)「ビジネスを変える『ゲームニクス』」(日経BP)などがある。

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