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任天堂のゲームミュージックが聴き放題! 新アプリ「Nintendo Music」の楽しみ方

鴫原盛之ライター/日本デジタルゲーム学会ゲームメディアSIG代表
「Nintendo Music」公式サイトのトップページ(※筆者撮影。以下同)

任天堂は、歴代の同社製ゲームミュージックを配信するiOS/Android用アプリ「Nintendo Music」の配信を10月31日から開始した。

本アプリは、Nintendo Switch向けの有料サービス「Nintendo Switch Online」に加入しているユーザーであれば、誰でも無料で利用できる。アプリ内の課金も一切発生しない。

収録タイトルは、11月1日時点で全23タイトル。「スプラトゥーン3」「あつまれ どうぶつの森」など、おなじみのNintendo Switch用ソフトから、懐かしのファミコン用ソフト「スーパーマリオブラザーズ」「メトロイド」に至るまで、年代もジャンルも幅広くカバーしている。

以下、筆者が実際に使用したうえでまとめた本アプリの特徴のほか、読者におすすめしたい収録曲や各種機能を紹介しよう。

懐かしのニンテンドーDS用ソフト「nintendogs」の曲を再生したところ。曲の再生中には、それぞれのゲーム画面が表示されるのも嬉しい(※Android版で撮影。以下同)
懐かしのニンテンドーDS用ソフト「nintendogs」の曲を再生したところ。曲の再生中には、それぞれのゲーム画面が表示されるのも嬉しい(※Android版で撮影。以下同)

面倒な設定は一切不要。カンタン操作ですぐに曲が聴ける

本アプリの最大の特長はズバリ、選曲やプレイリスト作成などの面倒な設定は一切不要で、ダウンロードした直後から曲が聴けることだ。

ホームメニューでは、運営側のイチオシの曲を集めた「Nintendo Musicセレクション」をはじめ「Nintendo Switchセレクション」「マリオセレクション」など豊富なプレイリストが用意されているので、気になるリストを見付けたらタッチするだけで、すぐに曲が再生される。

いずれのリストも曲数が豊富で、加えて再生する順番が毎日変わるので、家事や勉強中の聞き流しBGMとしても手軽に楽しめる。ちなみに、筆者が11月1日に「Nintendo Musicセレクション」を選択したところ「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」「マリオカート8 デラックス」「nintendogs」など全65曲、再生時間は2時間47分ものボリュームがあった。

「Nintendo Musicセレクション」を選択したところ
「Nintendo Musicセレクション」を選択したところ

上記以外にも、「クッパ」や「ヨッシー」「とたけけ」などキャラクター別に曲をチョイスした「キャラクタープレイリスト」のほか、各タイトルのタイトル画面で流れる曲を集めた、その名もズバリの「タイトル画面」、その日の気分に応じて選べる「ほっと一息」「おやすみなさい」など、さまざまなまプレイリストが用意されている。

本アプリはニンテンドーアカウントと連動しているので、「さがす(検索)」メニューを選択すると、ユーザーが過去に遊んだタイトルを自動で表示してくれる。ユーザーが曲を自由に選んで再生したり、プレイリストを作成したりすることももちろん可能で、古い作品の音質も総じて良好だ。

キャラクターごとにまとめたプレイリストも用意されている
キャラクターごとにまとめたプレイリストも用意されている

曲のチョイスも、各便利機能も至れり尽くせり

アルバムが中古市場でプレミア価格が付いているため、今では入手が困難な「スーパードンキーコング」と、現在までに一度もアルバム化されていないと思われる、ゲームボーイ版「ドクターマリオ」の曲が本アプリに収録されているのも、特にゲーム歴30年超のファンは要注目ポイントであろう。

数ある収録タイトルの中でも、筆者が最もうならされたのは「Wiiチャンネル」だ。「Wiiチャンネル」を選ぶと、Wiiの本体起動時に流れる「Wiiメニュー」のほか、「似顔絵チャンネル」「Wiiショッピングチャンネル」「お天気チャンネル」などのアプリを起動中に流れる曲も聴くことができる。

ゲームに限らず、サービスを終了して久しい古いハードのアプリの曲を、いつでも聴けるようにした「Wiiチャンネル」の収録は、ゲームミュージックのアーカイビングという視点からも、実に面白いアイデアだ。

「Wiiチャンネル」のプレイリストに収録された「似顔絵広場」の曲を再生したところ
「Wiiチャンネル」のプレイリストに収録された「似顔絵広場」の曲を再生したところ

ロールプレイングやアドベンチャー系ゲームのクライマックスの場面で流れる、対ボス戦やエンディング曲もバッチリ収録されている。もし、これらの曲を聴きたくない場合は、あらかじめ「ゲームソフトのネタバレ防止」設定をONにしておけば、該当する曲が再生されなくなるのも、実に心憎い配慮だ。

また一部の曲では、ユーザーが再生時間を15分、30分、60分のいずれかに設定できる「ながさチェンジ」にも対応している。好きな曲だけをとことん聴きたい人には、こちらもありがたい機能だ。

「ながさチェンジ」に対応した曲の一例。写真は「スーパードンキーコング」のタイトル画面で流れる「TITLE SCREEN PAGE」
「ながさチェンジ」に対応した曲の一例。写真は「スーパードンキーコング」のタイトル画面で流れる「TITLE SCREEN PAGE」

(C)Nintendo

(参考リンク)

・「Nintendo Music」(任天堂のホームページ)

ライター/日本デジタルゲーム学会ゲームメディアSIG代表

1993年に「月刊ゲーメスト」の攻略ライターとしてデビュー。その後、ゲームセンター店長やメーカー営業などの職を経て、2004年からゲームメディアを中心に活動するフリーライターとなり、文化庁のメディア芸術連携促進事業 連携共同事業などにも参加し、ゲーム産業史のオーラル・ヒストリーの収集・記録も手掛ける。主な著書は「ファミダス ファミコン裏技編」「ゲーム職人第1集」(共にマイクロマガジン社)、「ナムコはいかにして世界を変えたのか──ゲーム音楽の誕生」(Pヴァイン)、共著では「デジタルゲームの教科書」(SBクリエイティブ)「ビジネスを変える『ゲームニクス』」(日経BP)などがある。

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