ナイキの厚底ランニングシューズの関連特許を調べてみた
「世界陸連がナイキ厚底シューズ禁止の動きへ、ライバル社にも影響」というニュースが話題になっています。ナイキのVaporFlyという厚底型ランニングシューズにより、記録更新を出すケースが続いているため、不公平なアドバンテージをもたらしているのではないかということで規制されるのではないかという話です。
技術革新によりスポーツ用品の機能が向上し、それによって記録が更新されることの何がいけないのか(だったら、陸上選手は裸足で走らなければならないのでは)という議論もあるかと思いますが、ここでは、関連する特許について調べてみます。
特許の話の前に、実際の製品について見てみましょう。実際に購入した商品(VaporFly NEXT%)を分解して内部構造を調べているYouTube動画がありました。配信者はランナーの方なのでVaporFlyの効果についてもちゃんと検証していて興味深いです。
VaporFlyのポイントは、内底がウレタン-カーボンファイバー製の板-ウレタンの三層構造になっている点です。ドクター中松のジャンピングシューズのようにスプリング構造になっていたり、それ以外のスプリング的な物が入っていたりするわけではありません。
ただし、ここで注意したいのは、ケニアのエリウド・キプチョゲ選手がフルマラソンで2時間切り(非公式記録)を達成した際に履いていたナイキ製のシューズ(AlphaFly)は、現在市販されているVaporFlyとは厚底という点では共通しますが異なる製品であるという点です。AlphaFlyは今春に一般市販開始される予定だそうです。箱根駅伝で話題を呼んだピンクの靴はZoomX VaporFly NEXT%という現在市販されている商品の方です。AlphaFlyとVaporFlyをごっちゃにした報道があるように見受けられます(というか私も調べるまでごっちゃになってました)。
この記事は有料です。
栗原潔のIT特許分析レポートのバックナンバーをお申し込みください。
栗原潔のIT特許分析レポートのバックナンバー 2020年1月
税込880円(記事4本)
※すでに購入済みの方はログインしてください。