阪神・野口恭佑選手 1週間6試合で3本塁打、打率.435《阪神ファーム》
プロ野球はこの時期、屋外での1軍戦はナイターで行われますが、ファームの公式戦は基本的にデーゲームです。ただ、昔は数えるほどしかなかったファームのナイトゲームが今は各チームで組まれ、特にここ数年はかなり増えてきました。さすがに20年前、30年前とは夏の気温が違いますからね。
阪神タイガースのファームも、7月は19試合のうち7試合(17時開始を含む)がナイター、8月は21試合中8試合(16時開始も含む)がナイターです。また8月にある中日との6試合は、4試合がバンテリンドームで10時20分開始のモーニングゲーム(?)となっています。
先週前半、阪神ファームの試合が行われた名古屋へ行ってきました。ナゴヤ球場は相当ご無沙汰していると思ったら、コロナ前の2018年8月17日以来5年ぶりでした。矢野燿大監督のもと、打って走ってリーグ優勝、そしてファーム日本一にもなった年。もう5年前ですか。
ナゴヤ球場といえば、真夏はもちろん5月に行っても9月でも、とにかく暑かった記憶しかありません。と言いながら、コロナ前は屋内の記者室で試合を観ていたため試合前と試合後の練習時間しか熱さを体感していないくせに。炎天下でご覧になっていたお客様に失礼ですね。
でもコロナ以降は取材陣も屋外での観戦となり、私もナゴヤ球場のスタンドを体験することに。試合は少し遅めの14時開始だったものの、練習時間がかなりキツかったですねえ。中日担当の記者さんに「きょうは風があるので天国ですよ~」と言われたけれど……十分な試練でした。
そうそう!中日の中村豊コーチや森越祐人コーチとも会えました。中日の攻撃中は一塁に中村コーチ、三塁に森越コーチが立っているという、ちょっと不思議な感覚。森越コーチのドラゴンズユニホームも懐かしかったですねえ。
【攻撃的な暑さのナゴヤ】
さて、1日はそんなナゴヤ球場での試合。試合は阪神15安打、中日11安打と打ち合い、7対5で阪神の勝ち。井上広大選手が二塁打3本、熊谷敬宥選手と野口恭佑選手も3安打ずつ放っています。
中日-阪神 19回戦 (ナゴヤ)
阪神 100 003 120 = 7
中日 001 400 00X = 5
▼バッテリー
【神】茨木(5回)-石井(1回)-○渡辺雄(1回)(1勝1敗)-二保(1回)-S岡留(1回)(2勝1敗3S) / 中川-栄枝(7回~)
【中】福谷(5回2/3)-近藤(1/3回)-福(1回)-●福島(1回)(3敗)-祖父江(1回) / 木下-味谷(5回~)-大野奨(8回~)
▼本塁打 中:アキーノ6号ソロ(茨木)
▼三塁打 神:遠藤
▼二塁打 神:野口、井上3
《試合経過》※敬称略
阪神は1回、先頭の遠藤が中日先発・福谷の初球をセンターへ!三塁打となり、続く熊谷の右前タイムリーで生還。鮮やかな先制攻撃です。
阪神の先発・茨木は1回、2回とともに2三振を奪って三者凡退という立ち上がり。しかし4回、先頭のアキーノにホームランを浴び追いつかれ、4回は2四球と2安打で2点、さらに自身の暴投で2点と、5回5安打5失点で交代しました。
一方、打線は6回に反撃。板山の左前打と井上のタイムリー二塁打で1点、ヒットと四球などで2死満塁となり、連続四死球による押し出しで2点と1点差にします。7回は板山の四球と代打・栄枝の内野安打などで2死一、二塁とし、中川が左前へ同点タイムリー!
8回は熊谷と野口のヒットと豊田の四球で2死満塁と攻め、井上が左翼線へ2点タイムリー二塁打!これで7対5と勝ち越します。
投手陣は6回に石井が登板し、3安打を浴びて2死満塁となったものの、最後はセンター・板山が飛球を好捕して無失点。7回は渡辺雄が内野安打1本に抑え、8回の二保も2死満塁のピンチをしのぎ、9回は岡留が2奪三振の三者凡退で締めました。
成長が見えた茨木、上昇気配の井上
試合後、和田豊監督はまず茨木秀俊投手について「前回よりよかったし、成長のあとは見て取れる。ただランナーがいない、自分のペースで投げている時は本当にいい球で、きょうも真っすぐがよかったし、チェンジアップも非常によかったけど、やっぱりランナーが出ると球速がガタンと落ちるし、コントロールも乱れる。そこらへんが課題だね」と話しています。
そして「でも前回の、新潟の登板よりずっとよくなっているから、次を楽しみにしている。本当はもっと行ってほしかったけど、球数(5回102球)がね。それに4回、5回はもうバテも入っていたから。ただ、何度も言うけど前回よりはいいからね。成長しているよ」と期待の言葉です。
続いて二塁打3本の井上選手に「最後(左翼線)のはエラーだけどねえ。ああいうのにヒットがつくと気持ちが乗ってくるし、あとは自分の思った方向に打てたかというところで。そこらへんのギャップが埋まってくるとね」と振り返り、こう続けました。
「逆に、きょうはアウトになったライトフライ2つの方が内容はよかった。あれはしっかり打てているので。そういうところだよね、上がってくるのは。ちょっと上がってきそうな打席だったよね。それが大事。次に期待ができるっていうね」
いい状態を維持していけるように
次は選手のコメントです。茨木投手は7月22日の石川ミリオンスターズ戦(鳴尾浜)以来の先発で、公式戦は7月9日のファーム交流試合・西武戦(新潟三条)以来。西武戦では初回に長打や四球で5点を失ったものの、今回は最高の立ち上がり。でも4回に崩れました。
「やっぱり長いイニングになるとつかまったり、失点も多くしてしまうんですけど、序盤の3回まではホームラン以外よかったので、そのピッチングを長く続けられるようにしたいと思います」
5回で8奪三振!三振は変化球が多かったですね?「チェンジアップとスライダーです」。いい球でしたねと言うと、メチャクチャはにかみながら「よかったです」と答えてくれた茨木投手。
きょう見つかった課題は?「いつもなんですけど、クイックになると球速も落ちてしまいますし。球速だけじゃないですけど、ずっと維持してしっかり抑えられるようにやっていきたいです」
待ち遠しい1軍のマウンド
体調不良で離脱していた石井大智投手が、この日に復帰。久しぶりの登板はいかがでしたか?「いや〜ヒットをいっぱい打たれちゃったんで…。次回しっかり抑えられるように頑張ります」
体調は?「もうまったく!感覚もそんなに悪いわけではなかったので。キャッチャーとの話とか、投げきるべきところで投げきれていなかったのかとか、映像を見ながら反省して次に生かしていきたいです」。もうちょっとファームで投げておきたい?「体調不良でずっと休んでいたので、そこは試合勘というか、投げていかないといけないかなと思います」
和田監督が「ヒジ、肩うんぬんじゃないので。体調も戻っているし、投げるたびによくなっていくと思うよ。心配はまったくない」と語った通り、中1日おいて3日の中日戦(バンテリンドーム)で1イニングを投げ、2奪三振の三者凡退。
さらに中1日で5日のオリックス戦(ほっともっと)でも1イニングを三者凡退でピシャリ!最速が151キロでした。これでもう大丈夫でしょう。いざ1軍へ!と思ったら…発熱できょう8日の出場選手登録は見送られたとか。残念です。
ファームでの意識付け
井上選手は二塁打3本を放ち、そのうち2本はタイムリーで3安打3打点。「アウトのライトフライもいい感じで打てていますし、追い込まれてからのアプローチとかもよくなっているので、それを継続できればなと思います」
監督もライトフライ2本がよかったと。「はい。そうですね。あんまり滑らないようにだけ自分の中で意識していたので、1打席目(一塁線を破る二塁打)も遅れてはいるんですけど振り切れている、噛んでいるから、いい打球がいったような」
「あっち向いてホイみたいな打ち方でしたけど、それでも振れていて、しっかりボールをつかまえられている感じがあったので、それはいい方向。そこからヒットが出て、アウトも内容のいいアウトだったので、このいい感覚を忘れないようにしていけたらなと思います」
1軍に向けての思いをきかれて「やっぱりチームの勝つことが一番だと思うので、自分が上にいる時、どういうシチュエーションでアウトになっているかとか、ファームでそういうのをもっと考えながら打席に入って、もし呼ばれた時に、“ファームで意識してやってきたから大丈夫だ”と、自信を持てるようになれれば」と答えた井上選手。
リフレッシュ&打ち込みが奏功
熊谷選手も3安打。和田監督によれば「この前の3日間は残留して、かなり打ち込んできたので、体も新鮮だしスイングも振れていたからね」とのこと。「どうしても足と守備に注目されるけど、打てばレギュラー争いにも入っていけるような選手。打力をもっともっと磨いてほしいね」と期待を込めます。
熊谷選手自身も「倉敷と丸亀が残留で、そこでしっかり練習できたんで。その練習の成果が結果につながってよかったなと思います」と言っていました。
残留中の打撃練習は、どういう感覚で?「以前のタイミングが問題だったので、タイミングだけをちょっと早めて、という感じです。感覚というより少しタイミングを変えて、きょうの試合に臨んだので、それがいいタイミングだったから、いい結果につながったかなと」
打ちにいくタイミングですかね?「それもそうですし、自分なりに打席の中で取るリズムを変えたりしてみたので、すべてのタイミングですね」。そう話す熊谷選手は翌2日の試合で、途中からセンターの守備に就きました。そしてご存じのように、試合後はそのままバンテリンドームに残って1軍昇格となっています。
大事に至らずホッ…
グラウンド整備を3回行うなど体調管理に配慮しての試合だったのですが、ちょっと心配な場面がありました。7回の攻撃中、四球の板山祐太郎選手を一塁に置いて、打席に立つ井上選手がタイムをかけ、一塁を指差したのです。
トレーナーが一塁へ赴き声をかけますが、板山選手は大丈夫という動き。井上選手が右飛で2死となったところで、板山選手はトレーナーが持ってきたペットボトルで水分補給。それで理解しました。
8回の守備からベンチへ下がったものの、試合後に聞いたら「大丈夫です!ちょっとクラッと来ただけなので」と板山選手。井上選手はそのクラッとする様子に気づいてタイムをかけたんですね。大事に至らなくてよかったです。
【涼しいけど朝が早いドーム】
8月2日はバンテリンドームに場所を移して、午前10時20分試合開始。ビジターの阪神は8時半からウォーミングアップ、9時から打撃練習です。この日は1軍も同じく中日-阪神戦の、文字通り親子ゲーム。1軍から原口文仁選手と小幡竜平選手が参加し、ともに最後まで出場しました。
中日-阪神 20回戦 (バンテリンドーム)
阪神 200 104 000 = 7
中日 000 200 000 = 2
▼バッテリー
【神】佐藤蓮(3回2/3)-○岩田(2回1/3)(2勝3敗)-望月(1回)-及川(2回) / 藤田-片山(8回~)
【中】●根尾(5回1/3)(4敗)-橋本(2/3回)-鈴木(2回)-谷元(1回) / 木下-味谷(7回~)
▼本塁打 神:野口2号2ラン(根尾)
▼二塁打 神:井上 中:石垣2、加藤翔
《試合経過》※敬称略
中日の先発・根尾から1回、四球の小幡を一塁に置いて、野口が先制2ラン!4回には井上の二塁打、高寺の中前打で1死一、塁として藤田の二ゴロで1点を追加します。
先発の佐藤蓮は1回が三者凡退、2回は連続四球があったものの後続を断って無失点、3回はまた三者凡退と上々の立ち上がり。しかし4回、四死球で2死一、二塁となり石垣の二塁打、加藤翔の中前打と連続タイムリーで2点を失い、ここで交代しました。
1点差で迎えた6回の攻撃は1死から四球と高寺、藤田の連打で満塁として代打・山本が押し出し四球、代打・栄枝のタイムリー、さらに小幡と野口は連続で押し出しの死球。この回4点を加えて7対2とします。
4回途中でリリーフした岩田が6回までパーフェクトピッチング!7回は望月が二塁打と四球があったものの無失点。8回と9回は及川が二塁打1本で0点に抑えて試合終了です。
魅力を感じる投打の2人
1年ぶりの先発だった佐藤蓮投手について「今回は急遽だったけど、ストライクが入れば球も強いし、カーブのキレもいいピッチャーなので。というところでストライクが入ったよね、きょうはね」と和田監督。はい、そうです。ストライクが入っていました。
「自分のタイミングで投げるコツっていうのを、ちょっとつかんだような感じがするので、あとはランナーがいてクイックが入ったり、自分のペースで投げられない時のコントロールが落ち着いてきたら、十分投げられるようになると思う」
今後も先発で?「いやいや、タイプ的には中で投げる選手だと思うから。まあゼロではないけど、こんな球数を投げたのも、ことし初めてやし。基本的には中ですね」
そして1回に先制2ランを放った野口選手は、前日も3安打といいスイング。「ずっといいよ、スイングは。思い切りもいいし、当たれば、ああやって長打も打てるし。まず振っていけるっていうのが彼の魅力、持ち味なので。また追い込まれてからそんなに極端にボール球を振る選手じゃない、ある程度の選球眼も持っているしね」
「どうしてもバッティングが先行するところはあるけど、最近は守備でも落ち着いて守れるようになってきたし。走塁も、先の塁をという意欲が出てきて、ここ1か月くらいですごく成長している」
場数を踏んだことが大きいのでしょうか?「それまで故障していて、試合に出ていなかったから。まず彼の場合は体力的なところ、スタミナも含めてね。今までは、ちょっと連続で試合に出るとガタンと体力的に落ちたり、故障をしたりっていうのが繰り返してきたから。そこらへんを、この1年でクリアしていかないとダメだよね」
続けて「皆さんが見ていて感じるのと一緒で、すごく楽しみな、魅力のある選手だと思うからね。大卒なんだけど高卒みたいな体力なので、この1年でしっかりスタミナをつけていかないと」と和田監督は締めました。
決まれば打たれないカーブ
佐藤蓮投手は昨年9月1日のソフトバンク戦(タマスタ)以来の公式戦先発。その時は3回1/3を投げ5失点で、本人も「ダメだったんですよね」という記憶でした。でも、この日はいい立ち上がり。「そうですね、よかったと思います」
課題は、やはり走者を出してから?「そこもそうだと思いますね。日曜日に投げて中2日だったので、最後の4回はちょっとバテていたところもあったかと…」。そうでした!7月30日の広島戦(丸亀)で7回に登板、打者3人9球とはいえ投球練習もありますからね。
「4回は打たれちゃったんですけど、最後の加藤さんのところは真っすぐもすごく感覚がよかったので、その感覚で投げられたら。真っすぐがしっかり決まってくれれば」
「最初はカーブだけでいけるんですけど、打順が進むにつれて相手バッターもカーブに絞ってきて、僕もちょっとバテてきてカーブがぬるくなって打たれるっていうのが最後の回だったので、そこをしっかり投げられればいいかなと」
なるほど。ほぼ真っすぐとカーブですよね?「はい。もっとフォークも使いたかったんですけど」。フォークも3球くらいあったかと。「はい。いいところに決まっていたので、真っすぐが低めに集まれば、フォークもどんどん振ってくると思う。ストレートも悪くはなかったんで、よくなっているので、継続してもっとよくなるようにしたいです」
本当にいいカーブです!ぶんぶん振っていましたよねえ。「ありがとうございます。決まればあまり打たれることはないと思います。そこは自信を持って」
26歳のバースデーに
昨年9月に右肩を手術してリハビリを続けていた望月惇志投手。7月22日の練習試合・石川戦で初登板して1イニングを無失点でした。翌23日の同・富山戦で連投し、1イニングで1失点(2四球、2暴投)という内容。
公式戦は7月27日のソフトバンク戦(鳴尾浜)で9回に登板してヒットと暴投、四球1死一、二塁となり、味方エラーにより1失点(自責0)で交代しています。今回はそれ以来のマウンドでした。
まず記者陣に「おめでとう!」と言われ、ちょっと怪訝な表情を見せた望月投手。取材中に、自身の26歳の誕生日を祝う言葉だったと気づき「ああ!そのことだったんですか(笑)。ありがとうございます」と時差で喜んでいました。
公式戦2試合目は無失点。「そうですね、投げるたびに階段を上っていっているところを見せなくちゃいけない立場ですし、前回は1イニング持たなかったので。前回よりもいい形で、と思って投げました」
スピードがすべてではないですけど、きょうのMAXは147キロ。そのあたりは?「いい形で投げられたら自然とボールの軌道とかスピードも戻ってくると思います。まだゲームの中で、ちょっと力が入ったり開いたりして、真っすぐの球速差も多いですし、それは使い方もバラバラなので。そこは、きょうよりも次の試合、また次の試合と確率を上げていくことが大事かなと思います」
ワンポイントで信頼を
岩田将貴投手は4回に3対2と1点差に迫られ、なおも2死一、三塁で登板。1球で右飛に打ち取って、5回と6回をビシッと三者凡退に!
和田監督が「今は“マウンドにいるピッチャーが何かあった時の岩田”という形でやっていて、だいだいランナーがいるタイミングで登板するので、そういう意味ではしっかりとそこで切ってくれて、いい仕事してくれている」と評価していたと伝えたら「もともと去年からワンポイントもしていたので、ランナーのいる状態は…」
そこで止まったので「気にならない?」と続けたら「気にならないというか」。ちょっとニュアンスが違ったようで「いないに越したことはない?」と言い換えてみると「そうですね」という返事でした。
そして「上でも使ってもらうとしたらワンポイントとか、そういう場面だと思うので、まずはランナーがいる状態でも自分の投球ができるのが一番かなとか思います」と岩田投手。
ファームの試合では、ピンチを断ったあとイニングをまたいで失点するピッチャーをよく見てきたんですけど、本当にナイスピッチングでした!完璧といっていいのでは?「きょうはよかったです。はい!」。いい顔というか、いい顔つきになりましたね。
とても余裕が増したように感じる岩田投手。着実に自信をつけてきたのでしょうね。楽しみです。
野口vs根尾、6年ぶりの対決
野口選手は2月のキャンプに左太ももの肉離れを発症し、4月初旬に再発。5月24日の練習試合(ベイサイドリーグ選抜)で代走からレフトの守備に就いたのが復帰戦でした。
公式戦は5月27日のソフトバンク戦で代打出場、6月1日の中日戦は7番レフトで先発出場。6月8日には公式戦初の4番を打っています。なお“プロ初ホームラン”は7月6日のソフトバンク戦(タマスタ)で、この日のバンテリンドームが第2号です。
打撃練習では引っ張る打球が多かったようですが、練習で意識していることはありますか?と聞かれた野口選手は「とにかく強く振って、飛ばすことしか考えていないです。(引っ張るのは)無意識で、という感じです」と回答。
そして「バンテリンドームで試合をするのは初めてだったので、そこで打てたのは自信になると思いますし、もう1本ヒットを打てたらよかったですけど、ホームランを打てたのはよかったです」と話しています。
打った相手が同い年の根尾昂投手ですね。これまで対戦は?「プロに入ってからは初です。高校で一度やったことがあります。神宮大会で。対戦は楽しみにしていました」
創成館の野口選手と大阪桐蔭の根尾投手は2年生だった2017年11月13日、第45回明治神宮大会(高校の部)準決勝で対戦。根尾投手は4番ショートで先発出場して6回からピッチャーに代わっています。
大阪桐蔭が1点先制し、直後の3回に創成館は1死二塁から1番・レフトの野口選手が中前打!これがセンターの送球エラーを誘って同点。さらに3点を勝ち越して4対1となりました。
そのあと創成館は2年の川原陸投手(現阪神)が4回2/3を0点に抑える好投で、大阪桐蔭を破って決勝進出。残念ながら明徳義塾に敗れ準優勝に終わったものの、初出場での快進撃が記憶に残っている方も多いと思います。
この時以来6年ぶりの対決がプロで実現して、結果がホームランというのは最高だったでしょう。次はぜひ1軍で!ですね。
6試合で打率.435、3本塁打!
3日も同じくバンテリンドームで午前開始の試合が行われ、5対1で阪神が勝ちました。これで中日戦は3カード連続負けなしの9連勝!対戦成績も16勝4敗1分けです。
中日-阪神 21回戦 (バンテリンドーム)
阪神 101 300 000 = 5
中日 000 000 010 = 1
▼バッテリー
【神】才木(3回)-石井(1回)-○鈴木(3勝)(3回2/3)-二保1/3回)-岡留(1回) / 栄枝-中川(8回~)
【中】●垣越(3回0/3)(4敗)-福島(2回)-松木平(1回)-近藤(1回)-福(1回)-石森(2/3回)-松田(1/3回) / 味谷-加藤匠(7回~)
▼二塁打 神:高浜 中:石垣
▼盗塁 中:樋口
ちなみに野口選手は1回無死一、二塁で先制の左犠飛、3回もまた1死一、二塁でタイムリーを放って3打数1安打2打点。さらに、4日からのオリックス3連戦(ほっともっとフィールド神戸)で、チームは3連敗してしまったのですが…野口選手は3試合ともヒットを放ちました。
4日は3号ソロを含む4打数3安打、5日は4号ソロなど2打数1安打、6日は5打数1安打で打率が.323となりました。この6連戦だけを見ると23打数10安打7打点で打率.435。6試合で2試合連続を含む3本塁打を放って、現在6試合連続安打中です。
和田監督も言われたように、思い切りのいいスイングが魅力の野口選手。特にあのフォロースルーはワクワクさせてくれますね!
<掲載写真は筆者撮影>