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記録4部門独走、藤井三冠(19)好調、服部四段(22)伊藤四段(19)8番棒勝ち佐藤康光九段(52)

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 将棋界の記録4部門(対局数、勝数、勝率、連勝)。現在は藤井聡太三冠(19歳)が35勝6敗(勝率0.854、前年度からの継続で19連勝)で全部門独走を続けています。

 年間勝率は現在、史上最高記録をうかがうペースです。

 現在進行中の竜王戦七番勝負や王将戦リーグなどの他、10月31日放映のNHK杯2回戦(収録日未発表)、11月18日放映の銀河戦1回戦(収録日7月27日)など、テレビ棋戦の結果もまた注目されるところです。

 現在の藤井三冠は例外的ですが、一般的に記録4部門は、クラスは下ながら実力の高い若手棋士がその名を多くつらねます。

 現在のランキングの中でピックアップすると、服部慎一郎四段(22歳)、伊藤匠四段(19歳)などが好調です。

 服部四段は今年度24勝6敗(勝率0.800、9連勝)。最近では加古川青流戦で優勝しています。

 現役最年少の伊藤四段は今年度23勝7敗(勝率0.767、10連勝)。最近では新人王戦で優勝しています。

 現役のタイトル獲得経験者のうち、最年少は藤井三冠(19歳)。その上は高見泰地七段と斎藤慎太郎八段(いずれも28歳)。いずれその間の世代からタイトル獲得者も現れるのでしょうか。

 さて、若手優位の記録部門の中にあって、ただ一人、五十代でランクインしている棋士がいます。それが佐藤康光九段(52歳)です。

 佐藤九段は今年度15勝5敗(勝率0.750)。連勝することを「棒に勝つ」といいますが、佐藤九段は丸太を振り回すかのような豪快な指し回しで、現在は8番を棒に勝っているところです。日本将棋連盟会長として重責をにない、激務をこなしながらこの成績は、驚異的と言うよりありません。

 王座戦挑決では惜しくも敗れた佐藤九段。現在は棋王戦でベスト4に進出しています。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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