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岡部四段、記録3部門でトップ 服部六段、史上最高勝率ペース 藤井七冠、8年連続8割台に届くか?

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 将棋界の2024年度も後半戦が進んでいます。

 記録部門では依然、岡部怜央四段(25歳)と服部慎一郎六段(25)が好調です。

岡部四段、対局数、勝数、連勝数でトップ

 岡部四段は現在38局戦って、31勝7敗(勝率0.816)です。


 岡部四段は現在、対局数(38局)、勝数(31勝)、連勝数(16連勝)の3部門でトップに立っています。

 11月14日におこなわれたC級2組6回戦では横山友紀四段に勝ち、5勝1敗で昇級圏内につけています。

 岡部四段は勝ちまくっている若手らしく、25日(棋聖戦一次予選)と26日(朝日杯二次予選)が連戦。最大3局指すことになります。

 朝日杯では一次予選を突破し、二次予選ではレジェンドの羽生善治九段、佐藤康光九段と同じ組になりました。1回戦で佐藤九段と対戦します。


 岡部四段は勝率でも2位。ここでも1位となれば、記録4部門すべてで1位です。

 過去に記録4部門で1位独占を達成した棋士は、内藤國雄現九段(1回)、羽生善治現九段(4回)、藤井聡太現七冠(1回)の3人しかいません。

服部六段、史上最高勝率ペース


 今年度、2度目の新人王戦優勝を達成した服部慎一郎六段。現在の成績は24勝3敗(勝率0.889)です。


 服部六段は、叡王戦六段戦で長岡裕也六段に敗れました。しかし依然、中原誠五段(現16世名人)が1967年度に達成した不滅の史上最高勝率(0.855)を上回るハイアベレージを維持しています。

 服部六段は11月28日、朝日杯二次予選1回戦で、谷川浩司17世名人と対戦します。


 服部六段は現在B級2組で6連勝中。ただ一人無敗で昇級争いのトップに立っています。また順位戦では通算17連勝中です。

 順位戦の歴代最高連勝記録は森内俊之現九段の26連勝。以下、錚々たる顔ぶれが並んでいます。服部六段はこの先、どこまでこのリストの上まで進んでいけるのか。7回戦では深浦康市九段と対戦します。

タイトル防衛戦続く藤井七冠


 将棋界の若き王者・藤井七冠の今年度成績は22勝8敗(勝率0.733)です。


 11月27日、28日には大注目の竜王戦七番勝負第5局・佐々木勇気八段戦がおこなわれます。

 藤井竜王はデビュー以来7年度連続で勝率8割以上、対局数50局以上、勝数40勝以上という、信じられないような成績を残し続けてきています。

 はたして今年度はどうなるでしょうか。


将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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