二匹目のドジョウならぬドジャース!? 東海岸から「大物マニー」を獲得したのは、10年前の夏と同じ
マニー・マチャドが、ボルティモア・オリオールズからロサンゼルス・ドジャースへ移籍した。スタッツ社によると、オールスター・ゲームに選ばれ、そのシーズンにア・リーグ東地区の球団からナ・リーグ西地区の球団へトレードされたのは、マチャドが2人目だという。
実は、1人目を獲得したのもドジャースだった。今回のマチャドと同じく、その選手も「マニー(マニュエル)」だ。ポジションや当時の年齢などは異なるが、2人とも右のスラッガーで、オフにFAという点も同じ。ついでに言えば、オールスター・ゲームに先発出場し、2打数0安打に終わったことも共通する。
2008年7月31日、ドジャースは三角トレードで、ボストン・レッドソックスからマニー・ラミレスを獲得した。残る1球団はピッツバーグ・パイレーツ。ラミレスやジェイソン・ベイをはじめ、計6選手が動いた。
新天地へ移ったラミレスは、打ちまくった。オールスター・ゲームに選ばれたことからもわかるとおり、それまでも好調だったが、移籍後のスラッシュライン(打率/出塁率/長打率).396/.489/.743は、移籍前と比べ、どれも90ポイント以上も高い。ホームランは20本と17本だが、出場は100試合と53試合だ。
ドジャースはアリゾナ・ダイヤモンドバックスを追い抜き、地区優勝を果たした。ワールドシリーズには進めなかったものの、ラミレスはポストシーズンの2シリーズとも、打率.500以上&2本塁打を記録した。
あくまでも数字のお遊びだが、最初のマニーと同じだけポイントが上がれば、マチャドの移籍後のスラッシュラインは.412/.478/.789となる。オリオールズで打ったホームランは、移籍前のラミレスより4本多く、ドジャースはあと66試合を残している。数字は別としても、マチャドが打棒を爆発させれば、ハリウッドならぬ「マニーウッド(MANNYWOOD)」の文字が、再びドジャー・スタジアムに躍るかもしれない。
もっとも、それよりも肝心なのは、ドジャースのポストシーズン進出とワールドシリーズ優勝だ。いくら優れた成績を残しても、ここ一番で打てなければ、マチャドは批判されるだろう。1988年を最後に、ドジャースはワールドシリーズで優勝していない。ラミレスを獲得した2008年から数えても10年が経とうとしていて、昨年はあと1勝まで迫ったことで、優勝を望む声はさらに高まっている。
ちなみに、2008年のポストシーズン敗退は、ラミレスのせいではない。勝負を避けられることが多く、敬遠四球は4度。うち1度は初回だった。ラミレスが薬物違反で出場停止処分を科されたのは、その翌年だ。ドジャースはFAになったラミレスと、3月に再契約を交わした。万が一、マチャドがラミレスと同じことになっても(薬物使用の噂があるわけではないが)、来年であればドジャースにダメージはない。マチャドは他球団にいて、ドジャースの遊撃は、復帰したコリー・シーガーが守っているはずだ。