西日本から下り坂の天気の週明け 気温の上昇率はほぼ全国的に4月が一年のうちで最大
大きな移動性高気圧
令和3年(2021年)は3月から高気圧と低気圧が交互に通過し、その周期は7日間でした。
このため、3月6日(土)から7日(日)の週末に全国的に雨になると、その後は、「週末は全国的にほぼ雨」が一か月以上も続きました。
しかし、4月の第2週はゆっくりと移動する大きな高気圧に覆われ、10日(土)から11日(日)は、ほぼ全国的に晴れとなり、土日に雨という周期が崩れました。
筆者が気象庁予報課で予報官をしていた30年以上前には、すでに予報官の間で「へそ天」という言葉が使われていました。
大きな移動性高気圧に覆われるときは、へそを出して寝ていても予報できる天気図ということから、「予報が簡単な天気図」という意味です。
「へそ天」になれば少なくとも明日までは晴れますので、明日までの天気予報が主眼であった昔の時代では、予報は簡単といえました。
ただ、現在は、明後日以降の予報も重視されていますので、「へそ天」であっても、予報が簡単とはいえなくなってきました。
土日に雨という周期は崩れましたが、高気圧と低気圧が交互に日本列島を通過するということは続いています。
沿海州や東シナ海にある低気圧や前線が近づいてきます(タイトル画像参照)。
このため、12日(月)は九州から雨が降り始め、13日(火)は、ほぼ全国的に雨の予報です(図1)。
4月は気温上昇が一番大きい月
春は低気圧と高気圧が交互に通過し、低気圧が通過するときに暖かくなり、低気圧に伴う寒冷前線の通過で少し寒くなります。
春は低気圧が通過するたびに春本番になってゆきますが、中でも昼間の時間が日増しに伸びる4月は、一年中で一番気温上昇が大きい月です。
東京の平均気温は4月1日の11.0度が、月末の30日には16.5度と5.5度も上昇しています(図2)。
月初めと終わりの気温上昇は、4月が一番大きく、次いで3月の4.1度、7月の3.5度の順です。
東京だけでなく、南にある鹿児島も4月が一番大きく4.5度、次いで3月の3.7度、5月・6月の3.0度です。
また、北にある札幌でも4月が一番大きく6.3度、次いで3月の5.2度、5月の4.1度です。
このように、多くの地方では、4月が一年中で一番気温上昇の大きい月ですが、梅雨の有無や期間によって、2番目以降に気温上昇が大きい月が変わります。
ただ、那覇で気温上昇が一番大きいのは4月ではなく6月の3.5度です。
そして、4月の2.7度、3月の2.5度と続きます。
これは、沖縄では6月に梅雨が明けるからで、月初めは雨や曇りの日が多く、月末は真夏の晴天になるからです。
東京の4月の気温
東京の4月の入りは、最高気温、最低気温ともに平年よりかなり高く始まりました。
その後、北日本を中心とした寒気の南下で東京も気温が低くなる日もありましたが、それでも、平年を少し下回る程度でした(図3)。
そして、今週以降は、最高気温、最低気温ともに平年より高い日が続く予報です。
タイトル画像、図1の出典:ウェザーマップ提供。
図2の出典:気象庁ホームページをもとに筆者作成。
図3の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。