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『青のSP』のワケあり生徒役で注目の米倉れいあ 「普段はあんな冷たい言葉は言いません(笑)」

斉藤貴志芸能ライター/編集者
『青のSP』で女優デビューした米倉れいあ(撮影/松下茜)

クライマックスに入るドラマ『青のSP-学校内警察・嶋田隆平-』。1年前の音楽教師の死を巡る謎のカギを握る、不登校だった生徒を演じているのが米倉れいあだ。このドラマで女優デビューした16歳。『ZIP!』内の英会話コーナー『星星のベラベラENGLISH』でも注目されていた。劇中では胸の内を見せず主役の藤原竜也と渡り合い、美少女ぶりとも相まって目を引く。その素顔を探ってみた。今回の役とはだいぶ違うキャラのようだ。

友だちと遊びで踊ったTikTokからスカウト

米倉れいあは和歌山出身の高校1年生。深田恭子、綾瀬はるか、石原さとみらを輩出したホリプロタレントスカウトキャラバン出身で、合格者5人によるガールズユニット「821(ハニー)」で2020年にデビューしている。もともとTikTokを見た今のマネージャーにスカウトされて、スカウトキャラバンへの応募を薦められたという。

――TikTokからスカウトされたそうですが、どんな動画を上げていたんですか?

米倉 普通に友だちと軽く踊った動画です。遊びでやってました。

――当時は中1ですよね。どんな中学生でした?

米倉 部活は華道部でした。活動が月イチで楽だから入ったんですけど(笑)、お花を生けてました。和歌山は田舎で、遊ぶところはイオンモールくらいしかなくて。家で『スプラトゥーン』とかゲームをやったり、アニメを観たりしてました。

――明るいキャラだったんですか?

米倉 いえ、陰キャでした(笑)。友だちをたくさん作っても、大変じゃないですか。仲良い子が2人いれば十分だと思って、他の子とはそんなに関わっていませんでした。

――芸能界に興味はあったんですか?

米倉 なかったです(笑)。将来の夢はディズニーランドのキャストでした。ゴミ拾いしている人も芸をしたりしていて、楽しそうだったので。大変なお仕事かとは思いますけど。

――テレビを観たり、音楽を聴いたりはしてました?

米倉 アニメは観てましたけど、ドラマとかは観てません。音楽は洋楽をよく聴いてました。アリアナ・グランデさんとか、『アテンション』を歌ってる人(チャーリー・ブース)とか。

――じゃあ、演技に興味を持ったのは、スカウトキャラバンに参加してレッスンを受けてから?

米倉 石原さとみさんの『密やかな結晶』という舞台を観に行ったのがきっかけです。さとみさんの演技がすごくて、惹きつけられて感動して「私もこんなふうになりたい」と思いました。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

いつもと違う怖い顔で演じました(笑)

学校内に警察官が常駐する制度が試験導入された中学校が舞台の『青のSP』。敏腕刑事だった嶋田隆平(藤原竜也)は、校内の様々なトラブルを解決しながら、恋人だった音楽教師の死の真相を探っていた。前回の8話では、校長が黒幕だったことを突き止めて逮捕している。一方、米倉が演じる涌井美月は男性教師のセクハラから不登校だったようだが、教室で校長の逮捕を知り、クラス委員長の尾崎香澄(鈴木梨央)と意味深な目くばせを交わしていた。

――『青のSP』では不登校だった生徒の涌井美月役で、学校に出てきた4話から登場しました。自分でもリアルタイムで観ました?

米倉 はい。「私が出てる!」って衝撃でしたけど、何か実感が湧きませんでした。「これ、地上波で放送されているの?」という(笑)。身近な人からは「いつもと顔が違ってる」と言われました。ちょっと怖い顔でしたよね(笑)。

――意識して、そういう表情にしていたのでは?

米倉 そうですね。涌井美月になり切っていたので、いつもの顔と違うのはいいんですけど、自分で観ると、ちょっと寝不足感が出ていたのが難点でした(笑)。

――実際、寝不足だったんですか?

米倉 朝早くて、撮影場所が千葉だから遠くて、帰ると夜だったので。『星星(のベラベラENGLISH)』の撮影も挟んでいたから、あのときは大変でした。

――ドラマ出演の反響はありました?

米倉 いっぱいありました。家族や地元の友だち、それと話したことのない人からもLINEが来ました。いきなり「ドラマ観たよ」って連絡が来て、「この人、誰だっけ?」って、気まずかったです(笑)。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

ツボがおかしくて1人で笑ってます(笑)

――涌井美月はやりやすい役でした?

米倉 難しいことを考えず、サラッとやった感じです。わからないところは、共演者さんにどうすればいいか聞きました。友だちが少ないオーラは私に元からあるので(笑)、やりやすかったかもしれません。

――話し方とかは普段と変えて?

米倉 そうですね。藤原さんに冷たい言葉を言ってますけど、普段の私はそんなこと、言わないと思います(笑)。

――初ドラマで難しいことはありませんでした?

米倉 撮る順番がバラバラだったんです。最初に7話から撮ったりして、ちょっとゴッチャになってしまって、「ここはどういう感情で言えばいいんだろう?」ということがありました。そういうとき、一番アドバイスをもらった共演者が鈴木梨央さんです。

――鈴木梨央さんはクラス委員長の役で、美月のことを気に掛けていました。

米倉 生徒役の中で一番ベテランなので、「こうすればいいんじゃない?」って、2人で話し合ったりしました。

――どんなアドバイスを覚えてますか?

米倉 2人が気まずい空気になる場面があって、普段の私はずっと笑ってるハッピー女なので(笑)、どういうふうにすれば気まずくなるのかわからなかったんです。それで「表情で表したらできるんじゃない?」と言われたのは覚えています。

――普段はそんなにハッピーなんですか(笑)?

米倉 ツボがおかしくて、すぐ笑います。気がついたら、周りで自分1人だけが笑ってる感じですけど(笑)、そういうときはハッピーです。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

演じていて感動してずっと泣いてました

――主役の藤原竜也さんとの絡みも多いですね。

米倉 藤原さんは『カイジ』の印象が強かったです。クランクインして最初に撮ったのが藤原さんと2人のシーンで、めっちゃ緊張しました。深呼吸するしかなかったです(笑)。

――終盤には美月の見せ場が多いようですが、よく覚えているシーンはありますか?

米倉 泣くシーンがあるんです。撮ったあとにモニターで映像をみて「顔ヤバくない?」って笑いました(笑)。

――リアルに泣いていた、ということですよね?

米倉 やっぱり藤原さんの演技がすごかったので、感動してしまって。ドライから本番まで、ずっと普通に泣いちゃいました。

――普段から涙もろいほうですか?

米倉 感動する言葉を言われたら泣いちゃうので、涙もろいと思います。でも、泣いたエピソードはそんなになくて(笑)、映画を観て泣くくらいですね。

――どんな映画で泣いたんですか?

米倉 ディズニーの映画で泣いちゃいます。『ベイマックス』がすごく好きで、異世界でロボットのベイマックスが自分を犠牲にして主人公のヒロを助けたシーンが特に感動的で、ずっと号泣でした。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

長い待ち時間はだいたい寝てました

――涌井美月は何を考えているのかよくわかりません。

米倉 最初は謎な感じでしたよね。後半になるにつれて、わかってくることがあります。私は頭がいいなと思いました。

――全体的に、演技にそこまで悩みませんでした?

米倉 基本は楽しんでできました。自分とは違うキャラクターを演じられるように、頑張りました。

――空き時間は何をしてました?

米倉 寝てました(笑)。待ち時間は長くて、自分の出番が来るまで音楽を聴いていたり、撮影して帰ってきた同級生役の子と「どんなことをしたの?」と話したりもしましたけど、朝が早かったので基本は寝ていて。ロケバスでも待ち教室でも寝ました。

――どこでも寝られるタイプですか?

米倉 はい。今ここで寝るように言われたら、寝られます(笑)。

――今まで、とんでもないところで寝たようなことも?

米倉 私のお母さんが6人きょうだいで、いとこが多くて、10年くらいずっと、みんなの家族で和歌山の南のきれいな海に行っていたんですね。海辺のいい場所にテントを張ってキャンプをしたんですけど、私はテントの外でビニールボートの上で寝てました。モフモフしていていいかなと思ったら、朝起きると蚊に30ヵ所くらい噛まれていて、地獄でした(笑)。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

学校に行く30分前まで寝てます

――『星星のベラベラENGLISH』のほうは、スタートからもう1年になります。『ZIP!』で毎朝7時半ごろから放送されてますが、れいあさんは学校に行くくらいの時間?

米倉 まだ家を出てない時間ですけど、私はギリギリまで寝てるタイプなので、自分の姿はごくまれに見ます(笑)。家を出る30分前に起きて、洗顔して着替えて、朝ごはんは電車の中で食べます。パンをマスクの下から口に入れて(笑)。

――効率がいいと言えばいいですけど(笑)。

米倉 効率いいですね。高校までは電車で1本なので、パンを食べながら動画を観て、その分、長く寝られるので。睡眠は大切です!

――目覚ましが鳴ったら、すぐ起きられるんですか?

米倉 アラームを5分おきにかけて、5回目くらいで布団から出ます(笑)。

――それで、『ベラベラENGLISH』で教わったフレーズは、だいたい覚えてますか?

米倉 あまり覚えてません(笑)。2週間分、10本を一気に撮るので。でも、あのレイアは英語が苦手な女子高生という設定だから、いいかなと(笑)。

女子高生っぽいことは全然してません

――休みの日は何をしてますか?

米倉 寝てます(笑)。

――さっきから寝てる話が多いですね(笑)。一番長く寝た記録は?

米倉 15時間くらいです(笑)。お休みの前の日に、ゲームで夜ふかしをして3時くらいに寝て、夕方の6時くらいになって、「夜ごはんだよ」って声が聞こえてきて、起きました(笑)。

――1日損した気分になりませんでした?

米倉 全然そんな感じではないです。私、寝るのが大好きなので(笑)。睡眠時間が減ると、頭がヘンな感じになります。

――仕事が増えて、さらに忙しくなると、そこまで睡眠時間が取れなくなるかも。

米倉 そしたら、レッドブルを飲みます(笑)。

――何のゲームをやって、夜ふかしするんですか?

米倉 相変わらず『スプラトゥーン』です。あと、最近はスマホで『荒野行動』に似たゲームをやってます。シューティングゲームが得意です。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

――JKっぽいことはしてますか?

米倉 全然してません。友だちとスイーツを食べに行ったりもしませんし、全然女子っぽくないです。流行りの言葉も全然知らなくて。

――原宿で遊んだりもしません?

米倉 行かないですね。人混みが嫌いなので。サンキューマートにかわいいグッズとか売っているので、行ったくらいです。あと、スカウトがイヤで。J.Y.Parkさんみたいな人に声を掛けられたり(笑)。

――これから有名になると、スカウトはなくなるでしょうけど。

米倉 涌井美月は三つ編みで、『ベラベラENGLISH』ではツインテールなので、この髪で行くと、よくスカウトされます。それからナンパもあって、「お姉さん」とか言われて(笑)。私、20歳くらいに見られるんですよね。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

15階以上のタワマンから日の出を見たいです

――基本、インドアなんですか?

米倉 そうですね。でも、スノーボードは好きです。家族で車で福井や岐阜に行って滑ってました。

――運動神経はいいんですか?

米倉 運動は好きです。でも、楽なことが第一なので、バスケとか遊びでやるのはいいんですけど、部活とかでガチでやるのは苦手。みんなが当たってくるのが怖くて。楽しんでやりたいです。

――仕事では厳しいことも乗り越えていくんですよね?

米倉 はい。でも、お仕事も基本楽しんでやっていて、辛いことはそんなにありません。演技のワークショップくらいです(笑)。

――ワークショップで怒られたりしたんですか?

米倉 最近も厳しい先生に正論を言われて、グサグサきました。「表情がない」と言われて、どうすればいいかと思って、ドラマを観て勉強してます。

――他に今、できるようになりたいことはありますか?

米倉 歌がうまくなりたいです。最近はコロナで、821は地方の子もいるから活動がなかなかできませんけど、今のうちに歌とダンスをもっと上達させたいです。自主練で音域を広げて、高い音も低い音も出せるようにしています。

――仕事以外で将来的にやってみたいことは?

米倉 タワマンに住みたいです。15階以上がいいです。豊洲方面の海沿いで、レインボーブリッジ越しの日の出を見たくて。いつかそういうところに住めるように頑張ります!

撮影/松下茜
撮影/松下茜

Profile

米倉れいあ(よねくら・れいあ)

2005年2月8日生まれ、和歌山県出身。

2018年のホリプロタレントスカウトキャラバンに合格。2020年にガールズユニット・821でデビュー。『ZIP!』(日本テレビ)内の『星星のベラベラENGLISH』に出演中。ドラマ『青のSP-学校内警察・嶋田隆平-』(カンテレ・フジテレビ系)に出演中。

『青のSP-学校内警察・嶋田隆平-』

カンテレ・フジテレビ系/火曜21:00~

公式HP https://www.ktv.jp/schoolpolice/

『青のSP』より(関西テレビ提供)
『青のSP』より(関西テレビ提供)

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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