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リリーフから先発に転向する若手が開幕投手を任される。マイナーリーグでも先発登板は皆無

宇根夏樹ベースボール・ライター
ギャレット・クローシェイ(シカゴ・ホワイトソックス)Feb 21, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 3月18日、シカゴ・ホワイトソックスは、10日後の開幕戦に登板する投手を発表した。ホームのギャランティード・レイト・フィールドのマウンドに、ギャレット・クローシェイが上がり、デトロイト・タイガースに対して投げる。

 クローシェイは、24歳の左投手だ。あと3ヵ月で25歳となる。2020年6月にドラフト全体11位指名を受け、マイナーリーグで投げることなく――この年のマイナーリーグは、新型コロナウイルスのパンデミックにより、シーズン全体が中止――9月にメジャーデビューした。

 トミー・ジョン手術を受けて全休の2020年を挟み、これまでに、メジャーリーグの72試合とマイナーリーグの12試合に登板している。どちらも、先発登板は皆無。すべて、ブルペンからマウンドに上がった。

 MLB.comのサラ・ラングスによると、メジャーリーグで初の先発登板が開幕戦は、過去110年間に8人しかいないという。1945年以降は、1981年のフェルナンド・バレンズエラと2014年のタナー・シェパーズの2人だ。

 昨年、ホワイトソックスでは、5人が先発20登板以上を記録した。彼らのうち、現在もホワイトソックスに在籍しているのは、マイケル・コペックだけだ。

 ホワイトソックスは、夏にトレードでルーカス・ジオリトランス・リンを放出し、オフに入ると、マイク・クレベンジャーの球団オプションを破棄した。ジオリトもリンもFAになり、それぞれ、ボストン・レッドソックスとセントルイス・カーディナルスに入団した。クレベンジャーは、FAのままだ。

 MLB.comのスコット・マーキンによると、ペドロ・グリフォール監督は、1月25日に参加した地元のボーイズ&ガールズ・クラブのイベントで、開幕投手にディラン・シースの名前を挙げていたという。だが、ホワイトソックスは、3月13日にシースをサンディエゴ・パドレスへ放出した。その翌日、クリス・ゲッツGMは、コペックをブルペンに回すことを発表した。

 とはいえ、クローシェイの先発転向は、シースがいなくなる前から決まっていた。資質からすれば、開幕投手を務めてもおかしくない。そのスケジュールが早まった、あるいはブレイクと開幕投手の順序が逆になった、という見方もできる。

 なお、ホワイトソックスのローテーションには、クローシェイ、エリック・フェディマイケル・ソロカクリス・フレクセンが並びそうだ。最後の5人目は、ニック・ナスリーニチャド・クールトゥーキー・トゥーサント……まだわからない。

 クローシェイの資質については、先月下旬にこちらで書いた。

「大谷翔平が今春初打席で対戦予定の投手は、次代のエース候補。クリス・セールと同じ道を歩んできて…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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