次元が違う低価格と美味しさを両立させた日常《地元の人々を惹きつける魅了溢れる320円の博多ラーメン》

ラーメンアンテナ｜福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

1/1(水) 6:31

あけましておめでとうございます。2025年もスタートしました。今年も福岡の日常食としてのラーメンを食べてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

　今から26年前の1998年（平成10年）。福岡県福岡市南区の「大楠」に1号店となる店舗を開業した〈博多ラーメン膳〉。初めて訪れたのはちょうどその頃で、300円以下という価格設定もさることながら、豚骨ラーメン自体の美味しさにも驚かされた記憶がある。当時は、仕事途中に訪れることも度々あったが、通勤路からも近かったため、仕事終わりや飲み会のシメにも立ち寄ることもあった。

　2006年、その1号店が日赤通りの道路拡張のため一旦閉店。2007年に小笹へ移転し〈博多ラーメン膳小笹店〉として再開した頃には立地的なこともあり足が遠のく時期もあったけど、その後、福岡市の中心街「天神」や「大名」エリアにも支店が開業し、郊外店だけでなく駐車場のない都心型のお店に挑戦。その頃は、職場が近かったこともあり、どちらのお店にもよく立ち寄っていた。その両店も今は、天神の再開発等の影響もあり、都市型の店舗は無くなったものの、ここ最近は休日を利用して再び懐かしさを求め〈博多ラーメン膳小笹店〉に車で訪れるようになった。

福岡市内では2番目の安さの一杯320円

　最も安価なメニュー「おいしいラーメン」は、いま現在「320円」。少し前までは300円以下の価格だった。現在、福岡市内では「博多ラーメンはかたや」の「博多ラーメン290円」に次ぐ、一九ラーメン老司店系列の「18ラーメン」の「ラーメン320円（つい先日までは310円だった）」と同様、2番目の低価格店として知られている。ちなみに、福岡市南区野間の地で、10年前の2014年まで営業されていて惜しまれつつ閉店した「勝龍軒」の「100円」が長らく最安値だったという懐かしい時代もあり、その後は「18ラーメン」の「250円」がそれに続いた時期もあった。

お得な「ニンニクコク味ラーメン」480円

　この日訪れたのは、慌ただしい年末の大晦日の前日。ちょっと寝坊して、朝10時のオープン時間には間に合わず、10時半過ぎに到着。「営業中」の木の看板とともに暖簾もすでに掛かっていて、店内も地元の人らしき先客が多数で賑わいをみせていた。

店内すぐ左手にある券売機での選択はラーメンメニューの上位にあるお店おすすめの「ニンニクコク味ラーメン」480円を発券。「ニンニクコク味ラーメン」専用トッピングのフライドガーリック・マー油・煮玉子・きくらげがデフォルトで付いていて、ワンコイン以下の480円という値段設定のひと品。

カウンターに席に着く前に、スタッフさんに食券を手渡し、麺の硬さは「カタ」で注文。まず券売機の反対側に設置されているガーリックプレス（ニンニククラッシャー）と生ニンニク2個をセルフで準備し、ようやくカウンター席に腰を下ろした。

待つこと少々。配膳された「ニンニクコク味ラーメン」は、贅沢なトッピングがデフォルトで入っているのに500円以下のバグった価格の逸品。まずは〈博多ラーメン膳〉こだわりの本格的な豚骨スープをひと口啜る。安定のその美味しいベースの一杯に安心を覚える。

豚骨の出汁をしっかり感じながらも、まろやかでくさみの一切ない風味で満足度も高い。合わせる麺は小麦の風味も感じられるザクザク歯応えのいい中細のストレート麺。もちろんスープとの相性も抜群にいい。カエシやチャーシューも地元の人たちに受け入れやすい味付けに仕上がっていてバランスの取れた一杯。

そんなベーシックな「おいしいラーメン320円」に「フライドガーリック」と「自家製マー油」さらに「煮たまご」と「きくらげ具」がデフォルトで付いているのに、わずかプラス160円の「480円」というバグった設定価格になっている。

途中、予め用意していた「生ニンニク」も自ら搾って投入。さらに味と香りを増強しワンコイン以下とは思えない贅沢な逸品に仕上げて、とても美味しくいただきました。

　現在、福岡県内の最安値で「290円の博多ラーメン」を提供している「博多ラーメンはかたや」と同じ系列で「昭和食品工業株式会社」の傘下で運営されている。そのほか、釜揚げうどん小麦冶、うどん黒田藩などのチェーン店も展開。どのお店にも共通するのは、地域の人々に身近な存在で、安くて旨いお店ばかり。低価格を維持しながら地域のみなさんに愛されるラーメンやうどんを提供し支持され続けている。ご興味のある方は福岡に寄られた際、ぜひお試しください。