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機動戦士ガンダム 戦場の絆2 14年ぶりの新作は新たな筐体とともに新世代ゲームのオーラを放つ!

黒川文雄メディアコンテンツ研究家/黒川塾主宰/ジャーナリスト
機動戦士ガンダム 戦場の絆2 新型筐体全体図(開発中)

印象的だった丸くてデカイあの筐体のインパクトはどこへ?

私の記憶が確かならば、バンダイナムコゲームス(旧社名/現在はバンダイナムコアミューズメント)による「機動戦士ガンダム 戦場の絆」がゲームセンターに広く導入されたのは2006年のことだった。現在は2020年…あれから14年が経過した。

その筐体の特徴はプラスチック製のドーム形状で、ただでさえ狭いゲームセンターのなかで異様な存在感を放ったものだった。おそらくゲーム機にもそれぞれの筐体が持つ「オーラ」があるとすれば、「機動戦士ガンダム 戦場の絆」の「オーラ」は薄暗いゲームセンターのなかで朝焼けのような輝きを放っていた。

戦場の絆 (現行機)筐体
戦場の絆 (現行機)筐体

ゲームセンターのなかで、その筐体の大きさゆえに占有率が上がったことで、稼働前はゲームセンターの経営者からは収益に関しての懸念があったというが、「機動戦士ガンダム 戦場の絆」はそんな懸念を吹き飛ばすかのように、ゲームセンターにとって大きな救世主となり、今に至るまでゲームセンターのなかで、その異様な存在感は、プレイヤーに高く支持されているコンテンツであり、筐体と言えよう。

@「機動戦士ガンダム 戦場の絆2」体験会

今回、バンダイナムコアミューズメントより、新規開発中の「機動戦士ガンダム 戦場の絆」の続編にあたる「機動戦士ガンダム 戦場の絆2」の体験会に招待された。

ただし、この体験会は完成版を披露するものとは異なり、現状の開発状況と実装されるはずの各種のモードをメディア関係者に披露するというもので、映画などで言うところの製作宣伝的なお披露目だ。

今回の新作「機動戦士ガンダム 戦場の絆2」、体験会場に入った瞬間に目に入ってきたものは従来のドーム形状のスクリーンタイプのものとは異なる、プレイヤーの正面にモニタースクリーンを3つ配置したものであった。「…なるほど開発途中のバージョンとはこのことか?」と個人的に納得したものの、実際の完成版筐体もオープンエア型のもので、従来のドーム形状タイプと異なることが分かった。

完璧なモビルスーツのコックピットを再現

さて、あの従来のドーム形状タイプの包み込まれる感覚に関してはどうだったか?…と言えば、それは今回のオープンエア型の筐体でも十分問題はないと断言しよう。

むしろ、プレイヤー前面に傾斜をもって配置された3つの43インチ!のHDモニタースクリーンは精細度が向上しており、包み込む要素としてのサウンドエフェクトと、そのサウンドシステムも前面、背面、そしてシート下部からのサラウンドでプレイヤー自身を疑似的な球ドーム形状のなかにいるかのように錯覚させる。

ちなみにこのコックピットデザインは、1年戦争時の設定資料から忠実にモビルスーツ内の操縦環境を再現したもので、開発者自身が長年ガンダムのファンとして蓄積してきた愛と情熱を具現化したものだ。

プレイヤーの操作自体は、前作と同様にレバーとペダル操作、連携のためのボイスチャット機能も搭載している。

コントロールパネル(体験会開発中の)
コントロールパネル(体験会開発中の)

今回はチーム戦における楽しさをより追求したものを念頭に置いて開発されたもので、プレイヤー自身が事前に3機のモビルスーツをセットするという「デッキシステム」を採用している。これによって、対戦相手との駆け引きや対戦中にデッキのなかからモビルスーツを乗り換えて使用することができるものになっている。

デッキシステム画面
デッキシステム画面

「現在の開発状況はまだ50%…」

個人的に興味を引いたのは、昨今のバトルロワイヤル系ゲームのように、プレイヤー自身が特定の場所にモビルスーツで移動して、降下して対戦を行うという点だ。このあたりは開発における柔軟なアイディアの取り込みではないだろうか。

またモビルスーツごとのカラーリングカスタマイズ、武装カスタマイズも可能で、それ自体を画面の中、対戦中も楽しむことができる点もよくできている。

画像

完成度に関しては、バンダイバムコアミューズメントの塚田プロデューサーに依れば「まだ50%程度の完成度…これからもっとよくなります」とのことだが、これで50%だとすると、前作を超えるダイナミックなゲームに仕上がることは間違いないだろう。

バンダイナムコアミューズメント 塚田プロデューサー
バンダイナムコアミューズメント 塚田プロデューサー

(写真:筆者撮影)

最後に個人的に驚いたのは各筐体にコイン投入口がないことだ…しばらくゲームセンターには足を運んでいないが、ターミナルと呼ばれる、別のコントロールユニットでコインを投入することになっている。一応、捕捉すると、各筐体では電子マネーの決済は可能だ。コインをターミナルに入れるところからキミのモビルスーツでのミッションは始まっているのだ。

新たなモビルスーツ伝説を作り出すのはキミ次第だ。

戦場の絆2 イメージポスターを真似て記念写真
戦場の絆2 イメージポスターを真似て記念写真

(写真:筆者撮影)

なお今回の体験会の発表に合わせて新筐体や新たなバトルシステムについて紹介したプロモーションビデオを公開している。

連邦軍イメージ写真
連邦軍イメージ写真
ジオン軍イメージ写真
ジオン軍イメージ写真

※掲載している画像やシステムは開発中。公式サイトはこちらから(プロモーションビデオもこちらからどうぞ)

(C)創通・サンライズ

※なお、正式なタイトル名における2はローマ数字ですが、原稿中はアラビア数字の2を使っております。

※11月5日 誤字脱字分など修正反映しました。

メディアコンテンツ研究家/黒川塾主宰/ジャーナリスト

黒川文雄 メディアコンテンツ研究家/黒川塾主宰/株式会社ジェミニエンタテインメント代表 アポロン音楽工業、ギャガ、セガ、デジキューブを経て、デックスエンタテインメント創業、ブシロード、コナミデジタルエンタテインメント、NHN Japan (現在のLINE、NHN PlayArt)などでゲームビジネスに携わる。現在はエンタテインメント関連企業を中心にコンサルティング業務を行うとともに、精力的に取材活動も行う。2019年に書籍「プロゲーマー、業界のしくみからお金の話まで eスポーツのすべてがわかる本」を上梓、重版出来。エンタテインメント系勉強会の黒川塾を主宰し「オンラインサロン黒川塾」も展開中。

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