Yahoo!ニュース

「いままで通り集中して指せたのかなとは思います」竜王戦七番勝負第2局、藤井聡太竜王が勝利

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

藤井聡太竜王「(先手で角換わり腰掛銀に進み)先後逆で端を突き合っている形でおそらく、類型がある展開かなと思うんですけど。こちらが仕掛けていって、という将棋で。ちょっと攻めが細いので、微妙なところかなと思っていました。(57手目、飛銀両取りの)▲5二角に△4四飛車と浮かれる手を少し軽視してしまって。▲4七金ではちょっと自信のない展開にしてしまったかなと思っていました。そのあとも、ちょっとこちらの玉がかなり薄い形が続いてずっと、判断もつかないまま指していたという感じでした。(81手目▲4一金と王手で打つ手に38分考えた)駒を渡さずに指すのが自然かなと思ったんですけど。考えているうちに本譜もあるのかなと思って進めてみたんですけど。ただ、そうですね。進めてみるとちょっとあまり、よくなかったような気もしたので、あのあたりは精査が必要かなと思います。(10月11日の八冠達成後、気持ちの変化はあった?)いや、特にそれは意識せずに、いままで通り集中して指せたのかなとは思います。(25日、26日に福岡県北九州市で第3局)すぐ、1週間後ということで、その間に他の対局もあるので(21日に将棋日本シリーズ準決勝で永瀬拓矢九段と対戦)。しっかりとよい状態で臨めるように調整したいと思います」

伊藤匠七段「ちょっとあまり想定していない展開にはなったんですけど。(55手目)▲7三歩成のところで(△同金と取らず)△3七歩成から攻め合う方がよかったのかもしれないですけど。ちょっと妥協をしてしまって。そこからは自信のない展開かなと思っていました。(60手目を封じたあと)1日目の夜からずっと考えてはいたんですけど、ちょっと自信のある順が見つからなくて。本譜以外だとすぐに負けてしまうかなと思ったので、本譜を選びました。ずっと自信はなかったんですけど。(81手目)▲4一金から踏み込まれて、最後(91手目)▲7七玉までの順をちょっと軽視していて。そこで長考したんですけど(残り1時間27分から2分になるまで考えた)なかなかいい順が見つけられなかったです。(第3局に向けて)やはり中盤で苦しくしてしまう展開が続いているので、修正して第3局に臨みたいと思います」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

松本博文の最近の記事