フェイスブックのモバイル人口、ほぼ10億人に インドとインドネシアが急成長
米国の市場調査会社、eマーケターがこのほどまとめたフェイスブックの利用実態調査によると、2015年に携帯電話を通じて同サービスを使う人の数は、ほぼ10億人に達する見通しだという。
携帯電話経由のフェイスブック利用者数は一昨年時点で7億1000万人、昨年時点で8億6000万人だった。これが今年は9億9000万人に達し、来年は、11億2000万人、3年後の2018年は13億4000万人になると、同社は見ている。
世界のモバイルSNS人口の6割超がフェイスブック利用者
またフェイスブックの全利用者数に占める携帯電話の比率は今年が70.1%。この比率は2018年に75.1%にまで増えるという。
eマーケターによると、フェイスブック事業の成長を支えているのはモバイル広告。一昨年における同社の全広告収入、69億9000万ドルのうち、モバイル広告は45%を占めていたが、昨年はこの比率が65.1%に拡大したという。
フェイスブックは昨年73億9000万ドルをモバイル広告で得ている。
携帯電話経由のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の利用は、新興国市場を中心に急速に拡大している。eマーケターの推計によると、携帯電話を使うSNSの人口は今年15億8000万人になるという。
そうした中、フェイスブックのサービスは世界最大の人口を抱える中国で禁止されているほか、ロシアなどの人口の多い国では地場サービスが台頭し、苦戦している。
だがそれでも世界市場におけるフェイスブックの影響力は大きく、携帯電話経由の同社サービスの利用者数は、携帯電話経由のSNS利用者数の60%以上を占めるという。
モバイル経由のフェイスブック利用者、インドが米国上回る見通し
フェイスブックの利用者数を国別で見ると、最も多いのは米国。昨年における携帯電話経由の米国人フェイスブック利用者の数は1億1230万人で、このあと、インドの8060万人、インドネシアの5150万人、ブラジルの4740万人、メキシコの2610万人などと続いた(ちなみに日本は2150万人で第7位だった)。
そして、これらの国の中で今後急成長すると見られているのがインドとインドネシアだ。
例えば、インドにおける携帯電話経由のフェイスブック利用者数は、今年1億150万人となり、初めて1億人の大台を突破する見通し。インド市場のこの利用者数は今後も増え続け、2017年には、米国を上回る1億4590万人に達するとeマーケターは見ている。
インドネシアは携帯電話の利用で世界一
一方、インドネシアは利用者数でインド、米国に続き3位となるものの、携帯電話の比率では世界一を維持すると見られている。
例えば、昨年のインドネシアのフェイスブック利用者数に占める携帯電話利用の比率は88.1%で、この比率は上位10カ国の中で最も高かった。
eマーケターによると、その高い携帯電話の利用率は、今後もさらに高まり、今年は92.4%、2018年は98.8%になるという。
なお、同社の別のリポートを見ると、インドネシアでは、携帯電話を使ってSNSを利用する人のほぼ全て(2015年時点では98.7%)が、同じく携帯電話を使ってフェイスブックを利用するという。これは同国の全人口の約4分の1(24.5%)、全携帯電話利用者の42.0%に当たるという。
(JBpress:2015年1月27日号に掲載)