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台風26号 通勤通学の足に影響か

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
台風26号の予想進路(14日12時現在)

台風26号は14日正午、大型で非常に強い勢力で日本の南海上を北上しています。今日(14日)は台風の動きに大きな変化はありませんが、明日(15日)からは上空の偏西風に乗り、スピードアップする予想です。きょう(14日)は全国的な秋晴れ、台風が近づいているとは思えない穏やかな天気です。でも、明日の東京は一転して、くもりから雨模様、だんだんと雨足が強くなりそうです。

台風26号の進路予想

台風26号は現在、北寄りに進んでいますが、明日の午後からは次第に進路を東寄りに変えて、東日本に近づくでしょう。スピードが速くなるため、雨や風が急に強くなるおそれがあります。そして、16日(水)には関東地方にかなり接近し、房総半島をかすめるようなコースを進む予想です。もちろん、予想円の西側を通った場合は、上陸する可能性もあります。今の予想では、接近、上陸、いずれにしても首都圏への影響はとても大きいコースです。

首都圏への影響は?

東京の天気(15日~16日)
東京の天気(15日~16日)

上記の図では棒グラフが雨量の多さを示しています。また、上部の矢印は風向と風速で、青から赤に向かって強い風を示しています。

台風が関東地方に最も接近する時間帯は16日午前中です。東京は午前9時前後で、東京23区が暴風域に入る確率は50%以上と高くなっています。暴風域とは最大風速が25メートル以上の範囲のことで、瞬間的にはこの1.5倍から2倍の風が吹きます。まさに暴風が吹き荒れるので、交通機関は運転見合わせや運休、欠航などの大きな影響を受けるでしょう。

ただ、関東地方に近づく頃には台風のスピードが時速50キロ程度と速いため、風雨が激しい時間は数時間程度です。16日午後は強い風は残るものの、天気は急速に回復するため、交通機関へ大きな影響があるのは16日午前中と思っています。

東京は記録的な大雨も

1981年台風24号のコース
1981年台風24号のコース

これまでの話は現時点の、スーパーコンピュータによる天気予報です。一方、過去、似たようなコースをたどった台風によって、影響を考える方法もあります。例えば、今回の台風26号と似たようなコースをたどった台風に1981年台風24号があります。この台風24号は房総半島沖を北東へ進み、東京では一日で200ミリを超える記録的な大雨になりました。この台風で10月、1か月分の雨量がたった一日で降ったのです。

これから近づいてくる台風26号も、同じようになるとはいえませんが、少なくとも、まとまった雨になることは間違いないでしょう。そうでなくても、台風が近づけば近づくほど、風雨が激しくなりますから、今回の台風26号はやっかいな台風になりそうです。

【お願い】

この記事は14日12時現在の情報を元に書いています。台風情報は常に、最新のものをお使いください。

気象庁「台風情報」

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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