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「MLB The Show」のカバーを飾った選手は、その年に活躍したのか。大谷の前はタティースJr.

宇根夏樹ベースボール・ライター
フェルナンド・タティースJr. Sep 13, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月に発売されるゲームソフト、「MLB The Show 22」のカバーは、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)だ。

 このシリーズのカバーを飾った歴代の選手は、以下のとおり。他にも、アメリカ以外で発売された違う選手のカバーもあり、2021年版は、ジャッキー・ロビンソンのカバーも存在する。

筆者作成
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 2017年版のケン・グリフィーJr.以外は、いずれも旬の選手が並ぶ。グリフィーJr.の場合は、前年に殿堂入りしたのが理由だろうか。二刀流の大谷を除くと、いずれも野手だ。意外な気もするが、マイク・トラウト(エンジェルス)はカバーに起用されたことがない。

 15人中10人は、カバーを飾ったシーズンのOPSが.870を上回った。2006年のデビッド・オティーズと2008年のライアン・ハワードは、本塁打と打点の二冠王となり、2021年のフェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)も、本塁打王を獲得した。2007年のデビッド・ライトは、30-30を達成している。

 一方、2011年のジョー・マウアー、2015年のヤシエル・プイーグ、2020年のハビア・バイエズ(現デトロイト・タイガース)は、OPS.760未満に終わった。もっとも、マウアーとプイーグは、故障の影響もあった。出場試合は二桁にとどまった。バイエズはフル出場に近かったが、この年は異例の短縮シーズンだった。打撃は極度の不振でも、遊撃の好守は変わらず、ゴールドグラブを手にしている。また、マウアーとバイエズは、この翌年に復調した。ちなみに、今年、プイーグは韓国でプレーする。メジャーリーグの試合に出場したのは、2019年が最後だ。昨年は、メキシカン・リーグでプレーした。

 なお、MVP受賞の翌年にカバーとなったのは、2009年のダスティン・ペドロイア、2010年のマウアー、2014年のミゲル・カブレラ(タイガース)、2016年のジョシュ・ドーナルソン(現ミネソタ・ツインズ)に続き、大谷が5人目だ。カブレラは、三冠王の2012年から2年続けてMVPに選ばれた。これまでの4人とも、カバーを飾ったシーズンは、MVP投票で3位以内に入っていない。カバーに起用されたシーズンにMVPを受賞したのは、2013年のアンドルー・マッカッチェンだけ。前年の順位は、バスター・ポージーライアン・ブラウンに次ぐ、ナ・リーグ3位だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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