史上屈指のシックスマン、ジャマール・クロフォード(ロサンゼルス・クリッパーズ)が語る”長持ちの秘訣”
ジャマール・クロフォード(ロサンゼルス・クリッパーズ)
1980年3月20日生まれ、36歳
ワシントン州シアトル出身 ポジションはガード
2000年ドラフト1巡目全体8位でシカゴ・ブルズ入り。以降、ニックス、ウォリアーズ、ホークス、ブレイザーズ、クリッパーズと渡り歩き、リーグ屈指のシックスマンとして活躍してきた。過去にシックスマン賞を3度受賞はNBA史上初。
心身のコンディションを保つこと
ーーニューヨークでニックスの一員としてプレーする君を見ていた頃は、これほど長いキャリアを過ごすことになるとは思わなかった。君本人も少し驚いている?
JC:いや、そんなことはないよ。どのくらいやりたいとか考えていたわけではないけど、僕は若い頃から自分がどれだけこのゲームを愛しているか、生き残るためにどれだけの練習が必要かも気づいていた。自分は体格的にも長いキャリアが築ける方だと思っていた。だから特に驚いてはいない。
ーー長持ちの秘訣は?
JC:ゲームへの愛情を保つことだ。それさえあれば、練習熱心な姿勢、普段からの規律をキープするのが自身にとって自然なことになる。そして、自分自身の健康をしっかりと管理し、食事にも気を配る。例え身体が痛まなくても、時間をかけてストレッチをやる。とにかくなるべくストレスをためないように、心身のコンディションを保つことが大事になってくる。
ーー食事は揚げ物は食べないようにする?
JC:そうだね。僕はファーストフードは食べないし、酒をまったく飲まないんだ。そういった習慣も助けになっているとは思う。
ーーニューヨーク・タイムズの記事内で、メッタ・ワールドピース(ロサンゼルス・レイカーズ)が「若い頃と違い、連戦の際は外出しなくなった」と述べていたのを読んだ。君も同じなのかな。
JC:僕は可能な限り同じリズムで日々を過ごすようにしている。(連戦だろうと)自分自身の習慣を守ることで、コンディションがキープできる。練習時も同じ量のシュート練習をこなそうとするのは大事なことだ。
弱いチームで20得点するよりも、勝ちたい
ーー少しキャリアを振り返って、君は2005~06シーズン頃からベンチ登場でプレーすることが増えた。ほぼ完全にシックスマンになった2009〜10シーズン以降はリーグ屈指のシックスマンとして確立してきた。スターターで十分やれる実力を持っていたのに、控えでプレーすることへの適応は当初は簡単ではなかった?
JC:うん、難しかったよ。ただ、それ以上に、僕は“弱いチームの好選手”であり続けることに飽き飽きしていた。だから、勝利を目指せる環境に身を置きたいと考えていた。キャリアを変えていく上で、必要な変化だったのだろう。
ーーシックスマンとして新境地を見出すことは、トップレベルでのキャリアをより長いものにするのに役立った?
JC:恐らくそうなんじゃないかな。シックスマンに転向した頃はそう考えていたわけではないけどね。負けてばかりのチームで平均20得点をマークするキャリアはもうたくさんだと思った。それよりも、必要に応じて、勝利に貢献できるプレーヤーになっていきたいと考えた上での適応だった。
ーーこれまで華やかなキャリアを過ごしてきたけど、36歳になった今は何がモチベーションになっているのかな?
JC:優勝を経験したい。それが最大であり唯一の目標だ。チャンピオンを目指し、その過程でバスケットボールへの愛を保ち、日々を楽しみたい。
史上最高の選手は?
ーー選手としてのキャリアが終わったあとのことを考えたりする?
JC:人生の約半分の期間をNBAで過ごしてきたのだから、今後どんな風になっていくのかは想像出来る。いつか引退する日が来るとしても、何らかの形でこのゲームに関わっていきたいと願っている。100%、いや、99.9%の確率でバスケットボールに関わり続けると思うし、それもまたエキサイティングなことだ。
ーー昨日はサンアントニオ・スパーズの取材をして、君と同じシアトル出身のデジャンテ・マレーにも話を聴いた。
JC:(嬉しそうに)ああ、僕のブラザーだよ。
ーー若手にも慕われる姿を見る限り、君にはコーチとしての適性もあるのかなと思ったけど。
JC:いや、コーチはないな。(少し考えて)フロントオフィスとか、ブロードキャスターとか、そんな感じじゃないかな。どうなるか楽しみだね。
ーーこのシンプルな質問を君にまだ尋ねたことはなかった。これまで数え切れない選手を見てきた中で、最も凄いと思ったのは?
JC:史上最高はマイケル・ジョーダンだ。彼がベストだよ。
ーー対戦した中でに限定すると?
JC:コービー(・ブライアント)だね。実際にゲームで対戦した中では最もタフな選手だったな。