新たな台風の北上を上層の高気圧がブロックか?
”台風20号”は西寄りに
日本のはるか南海上にある熱帯低気圧は、今後24時間以内に台風へ変わる見込みとの情報が気象庁から発表されています。発生すれば台風20号になります。この新たな台風は沖縄方面に向けて北上してくる計算も多くありましたが、最新の計算では北上傾向は弱くなり、西進傾向が強くなってきています。
きょう21日(月)午前9時の発表では、予報円の真ん中を進むと、24日(木)から26日(土)にかけて、フィリピンの北部付近(ルソン島)を通り、南シナ海へ抜ける可能性が大きくなってきています。北上傾向が弱まり、西進傾向が強まってきたのは、台風の北側に張り出す上層の高気圧が強い予想に変わってきたことが大きな要因のようです。
北上をブロックする上層の高気圧
上図は上空5000メートル付近から10000メートル付近にかけて(中層から上層にかけて)の高気圧の予想で、上空5000メートル付近は太平洋高気圧、上空10000メートル付近はチベット高気圧とも呼ばれています。
24日(木)夜の予想をみると、上空5000メートル付近の高気圧は沖縄付近で弱まっていて、この状態が続くならば、台風はこの道を通り、北上してもおかしくないと思われますが、上空10000メートル付近の高気圧をみると、沖縄付近に強く張り出していて、台風の北上をブロック(阻害)する形となっています。
台湾付近を北上する計算も多い
新たに発生する台風は、諸外国を含む計算や台風予報円で、フィリピン北部付近を西進する傾向が強まってはいるものの、まだ日本のGSM予報のように、週末にかけて台湾付近を北上する計算も一定数残っています。フィリピン北部付近に達した後の動向はまだ不確実性が大きいため、最新の予報円にご注意ください。