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熱帯低気圧は低圧部に変わり、しばらく西進する予想

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

低圧部としてしばらく西進へ

予想天気図(ウェザーマップ)
予想天気図(ウェザーマップ)

きのう16日(水)午後3時に、グアム島近海で発生した熱帯低気圧は、きょう17日(木)午前9時から低圧部という解析となっています。低圧部というのは、周囲より気圧が低く、雲の循環はあるものの、その中心付近がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心付近が解析されるようになると熱帯低気圧に名前が変わります。

ですから、熱帯低気圧から低圧部に解析が変わったということは、中心付近がややぼけた状態ともなっていて、熱帯低気圧よりは、少し弱まった状態となったということもいえる状態です。気象庁の発表によるあさって19日(土)午前9時の予想天気図でも、低圧部の予想となっていますので、今後、しばらくは低圧部のまま、西進する見込みです。

発達する計算も多い

アンサンブル予報の一部抜粋(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)
アンサンブル予報の一部抜粋(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

上述した低圧部位相の将来的な予想はかなり難しく、そのまま衰弱する予想や再び発達する予想、またそのままフィリピンを通過する予想など、様々となっているのですが、参考までに、上図は来週23日(水)午前9時のアンサンブル予報の一部を抜粋したものです。

アンサンブル予報の内、その半数近くで、フィリピンの東に熱帯低気圧とみられる低気圧が予想されていて、2割から3割程度で、台風とみられるような勢力に発達することが予想されています。これらは今発生している低圧部位相がそのまま発達するものや、この後からやってくる雲域が発達するものなど、まだ様々な予想が散在している状態です。

ただその後、諸外国の予想を含めて、来週後半にかけて、日本の南に北上してくる計算も多くありますので、引き続き、南の海上の熱帯擾乱の動向に要注目です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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