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決戦まで2日、絶対に負けられないWBAヘビー級3位

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 WBCヘビー級タイトルマッチ、タイソン・フューリーvs.デオンテイ・ワイルダー戦開始のゴングまで残すところ2日となった。前座には、WBA3位のロバート・ヘレニウスと、同10位のアダム・カナッキのリターンマッチが組まれている。

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 37歳のヘレニウスは2020年3月7日に、カナッキ(32)を4ラウンド1分8秒でKOした。同ファイトは「WBAヘビー級タイトル挑戦者決定戦」とされたが、今回リターンマッチを戦わねばならない。

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 デビュー以来20連勝(15KO)を重ねたカナッキは、祖国ポーランドを背負い、人気者となっている。

 挑戦権を得た筈のヘレニウスは、スウェーデン生まれでフィンランド在住。3敗のうちKO負けが2度あり、将来を期待されていた選手ではない。

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 そのヘレニウスはワイルダーのスパーリングパートナーに抜擢され、調整を続けてきた。

 ワイルダーは身長2メートルのヘレニウスを、<仮想フューリー>としてスパーを依頼したのだ。実際にはヘレニウスの方がフューリーよりも6センチ背が低いが、WBA3位にとっては、願ってもないオファーであった。

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 9日、ヘレニウスがいい内容でカナッキに勝利すれば、タイトル挑戦が実現するかもしれない。風雪に耐えてきたヘレニウスがチャンスを掴むことを祈る。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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