「銀座の和菓子」で楽しむこどもの日は、ちょっとリッチな大人の時間。自慢のこし餡にも舌鼓。
銀座は銀座でも、新橋にほど近い銀座七丁目にお店を構える「銀座萬年堂」さん。
店名に銀座、とついておりますが、実は1615年~1624年の元和年間に京都で創業され「亀屋和泉」を名乗っていらしたお店。京都といえば、「亀屋」の号がついたお店が多々ありますね。
御所や所司、寺院にお菓子を納めていらしたお店でしたが、1872年の遷都により東京都八重洲へ。そこから「亀屋和泉萬年堂本店」を名乗りお店を営んでおりましたが、度重なる震災や戦災により消失。その後銀座あずま通りに移転し、店舗がはいっておりましたビルの建て替えに伴い、現在は銀座七丁目にて喫茶スペースを併設したお店として営業なさっております。
歌舞伎界など、芸能界といった多方面からも信頼の厚い銀座萬年堂さんには、お店を代表する銘菓だけではなく、四季折々の上生菓子も店頭にズラリ。
今回は、柏餅でも粽でもない、大人の魅力にあふれた銀座の女性のような美しさが漂う、こどもの日に相応しい上生菓子2種類をご紹介。
ひゅっと上を向いた絞りの練り切り「花菖蒲」。中心の黄色と白でぼかされた色合いから藤色に切り替わる加減が美しい意匠です。中心の黄色と花びらの紫色の間の、ほんのり紫を帯びた白の繋ぎ方が、なんとも綺麗だなぁと惚れ惚れ。
練り切り餡と、萬年堂さん自慢の敢えて渋切らずに仕上げたこし餡がお茶によく合います。お店でそのままお茶と一緒にいただけたら、得も言われぬひとときになりそうですね。
生命力すら伝わってくるような、鮮やかな草原を気持ちよさそうに泳ぐ「こいのぼり」の焼き印に惹かれて。こんなに薄皮なのに、芋の風味が際立つ薯蕷饅頭はなかなかお目にかかれないかと。そっと持ち上げなければ破れてしまいそうなほど繊細なのに、吸いつくような潤いを湛えた餅肌。そして濃厚な芋の香りと味わい。
やや甘味が引き立つような漉し餡と口の中で交わり、非常に濃厚なお饅頭に。
自宅だけではなく、お店でお茶と一緒に召し上がることも。拘りの器や食器と一緒に、ワンランク上の銀座のお茶の時間を楽しんでみてくださいね。
勿論おひとつからでも購入可能です。