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なぜバルサはレヴァンドフスキの獲得に近づいているのか?ハーランドの獲得失敗とFW補強の必要性。

森田泰史スポーツライター
バイエルンでプレーするレヴァンドフスキ(写真:ロイター/アフロ)

ストライカーの補強が、必須なのかもしれない。

先日、アーリング・ハーランドのマンチェスター・シティ移籍が決定した。ハーランドを狙っていたバルセロナだが、最終的には契約解除金6000万ユーロ(約81億円)を準備したシティが彼を射止めた。

■トップターゲット

バルセロナは照準を切り替えてほかのストライカーを確保するべく動いている。

バルセロナは冬の移籍市場でピエール・エメリク・オーバメヤンを獲得した。今季開幕前には、メンフィス・デパイとセルヒオ・アグエロを獲得している。アグエロが引退を余儀なくされたとはいえ、駒が不足しているわけではない。

それでも、シャビ・エルナンデス監督は、FWの加入を望んでいる。現在、トップターゲットとされているのがロベルト・レヴァンドフスキ(バイエルン・ミュンヘン)だ。

シュートを打つレヴァンドフスキ
シュートを打つレヴァンドフスキ写真:ロイター/アフロ

「レヴァンドフスキと話をした。会話の中で、レヴァンドフスキから契約延長の意思がないことを伝えられた。新しいチャレンジがしたいということだった。だが我々のスタンスは変わらない。レヴァンドフスキは2023年の6月30日まで契約がある」

これはバイエルンのスポーツディレクターのハサン・サリハミジッチのコメントだ。

■契約期間と交渉の行方

レヴァンドフスキは2023年夏までバイエルンとの契約を残している。この夏、フリーになる選手ではなく、保有権を有するバイエルンとしては無料あるいは安価で彼を譲るわけにはいかない。移籍金4000万ユーロ(約63億円)前後を要求すると見られている。

レヴァンドフスキは2014年夏にボルシア・ドルトムントからバイエルンに移籍した。バイエル加入後、20個のタイトルを獲得。5度、ブンデスリーガの得点王に輝いている。

ユルゲン・クロップ監督、ペップ・グアルディオラ監督、カルロ・アンチェロッティ監督、ハンジ・フリック監督、ユリアン・ナーゲルスマン監督…。多くの名将が、レヴァンドフスキを指導してきた。すべての監督の下で、レヴァンドフスキはレギュラーであり続けた。決定力はさることながら、戦術眼、献身性、フィジカルベースの高さ、一人のフットボーラーとしてレヴァンドフスキは非常に高い能力を備えている。

バルセロナのシャビ監督
バルセロナのシャビ監督写真:ムツ・カワモリ/アフロ

レヴァンドフスキのバイエルンでのパフォーマンスが落ちたわけではない。今季、レヴァンドフスキはブンデスリーガで34得点をマークしている。パトリック・シック(24得点)、ハーランド(22得点)らを抑えて得点王に耀いている。

だが彼は新たな挑戦に出ると決めた。「ヴォルフスブルク戦がバイエルンでの僕の最後の試合だったかもしれない。100%断言できるわけじゃない。だけど、その可能性はある。自分にとって、クラブにとって、ベストな解決を模索したい」とはレヴァンドフスキの言葉だ。

シャビ監督は【4−3−3】のCFにレヴァンドフスキを据えるだろう。そのポジションの選手には、得点力に加え、守備時のハードワークやポストプレー、スペースメイキングと多くのタスクを求めている。

ガビ、ペドリ・ゴンサレス、フレンキー・デ・ヨング、ニコ・ゴンサレス、セルヒオ・ブスケッツとバルセロナの中盤には依然として素晴らしい選手たちが揃っている。

中盤はバルセロナの肝だ。ただ、それは「仕上げ」が伴って初めて完成する。つくり、仕上げ、勝利する。シャビ監督の考えるラストピースとして、レヴァンドフスキが嵌ろうとしている。

スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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