日焼け止めがもらえる!? 子どもにはシャボン玉おもちゃ、びっくりノルウェー選挙運動
「はい、日焼け止めをあげるわ。SPF30よ!」
保守党の党員の女性が、笑顔で小さな日焼け止めをくれた。
ノルウェーでは9月9日に統一地方選挙を迎える。全国各地では、各党が市民に必死に声をかけて、政治の話をしようとしている。
この国では、選挙運動において厳しい決まりはない。食品や文房具なども、無料で配布したい放題だ。さすがにお金や酒は配らないが……。
13日、首都オスロの大通りカール・ヨハンを歩いてみた。私が「選挙小屋」や「選挙スタンド」と呼んでいる、各党の持ち場をのぞいてみる。
コーヒーやパンなどを無料配布する光景は、ほかの北欧の国、スウェーデン、デンマーク、フィンランドでも見かける。
党の予算や選挙戦略によって、配布するものが場所や時期によって異なるため、私は無料配布グッズをチェックするのが、毎回楽しくて仕方がない。
この時期にノルウェーを観光予定の方は、ぜひ選挙小屋を訪れてみてほしい。
楽しそうに政治をしている現地の人の姿は、良いカルチャーショックとなるだろう。
投票日まで間があるので、この日はまだまだ無料グッズは少なかった。
どこの国も、中道右派を率いる「保守党」に当たる政党は、お金に余裕があり、グッズも豪華だ。
今日いただいたのは、日焼け止めとシャボン玉。
ちょうど17度だったこの日は快晴で、「日焼け止めをもっと塗ってこればよかった」と私は思っていた。小さなチューブに入った日焼け止めは、思いがけないプレゼントだった。
「え? 政党が子どもに玩具をあげていいの?」と思った方。
はい、子どもも若者も、いずれは有権者となる大事な市民。子どもが喜ぶもの、お菓子やジュース、お絵かきしたりする場所を用意するのは当たり前。
子どもが遊んでいる間に、保護者は気になっていた政策を、党員とおしゃべりすることができる。
まだ選挙小屋を出していない政党もある。私が「お祭り」と呼ぶワイワイした雰囲気が始まるのは、これからだ。
今までもらって嬉しかったものといえば、トランプ、果物、ワッフル、クッキーの型など。今年は何をゲットできるか。楽しみだ。
Photo&Text: Asaki Abumi
写真・文:あさきあぶみ(鐙 麻樹)