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レッドソックスのビアード(顎鬚)やヤンキースのマスターシュ(口髭)とは違う、インディアンスの坊主頭

宇根夏樹ベースボール・ライター

キャップやヘルメットをかぶっているのであまり目立たないが、クリーブランド・インディアンスでは、頭を丸めた選手やコーチが増えている。だが、これは2013年にボストン・レッドソックスで流行したビアード(顎鬚)や、今シーズンのニューヨーク・ヤンキースにおけるマスターシュ(口髭)とは意味合いが異なる。

チームメイトのマイク・アビーレスと彼の4歳の娘、エイドリアナを応援するためだ。彼女は5月上旬に白血病と診断された。白血病の化学療法は、髪の毛が抜ける副作用を伴う。約10日間にわたってチームを離れたアビーレスは、娘を病院に見舞ってすぐに頭を剃ったという。チームメイトの間でも、ジェイソン・キプニスニック・スウィッシャーをはじめ、頭を丸める者が増えていった。

これに先立ち、3月22日にはシカゴ・カブスの選手も頭を丸めている。こちらはチームメイトの家族ではないが、小児癌の患者を支援するためのチャリティ・イベントだ。寄付をしたファンは、そこで選手の頭を刈ることができ、このイベントのTシャツももらえる。選手だけでなく、ジョー・マッドン監督やコーチ、フロント・スタッフも丸刈りになった。

カブスでは、ジョン・レスターアンソニー・リゾーが癌を経験している。レスターは2006年、リゾーは2008年に発症し、化学療法を受けて克服した。3月に頭を刈ったリゾーと違い、もともと坊主頭にしているレスターはこのイベントには参加しなかったようだが、2人とも癌患者を支援するためのチャリティ活動に携わっている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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