鮮魚市場向けに独自の発展を遂げた長浜ラーメンを牽引〈元祖〉は、昔も今も地元民に愛されるソウルフード

ラーメンアンテナ｜福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

1/14(日) 8:00

長浜鮮魚市場周辺で独自の発展を遂げてきた〈元祖の中の元祖〉は、昔も今も変わらず、福岡・長浜のラーメンシーンを牽引している。長年、地元の方々に愛されてきた長浜ラーメンの聖地〈元祖長浜屋〉。現在は、早朝から行例ができることもあり、当然、お昼のピークタイムは地元の方だけではなく、多くの観光客などで大行列になる、福岡市内の観光名所の一つと言っても過言ではない存在に。

長浜ラーメンの元祖の中の元祖

歴史ある名店の味を受け継ぎ、今年創業72年。お店のすぐ側に、昔も今も変わらず鮮魚市場があり、食事を取る時間の少ない市場で働く方のために、茹で時間を短くするように、スープに細麺を合わせて提供するスタイルになったのが、このお店〈元祖長浜屋〉の始まり。昔からずっと通い続けている常連さんも多く、最低でも週イチ以上は食べているという猛者も多数存在。まさに地元の方から愛されているソウルフード。また、このお店を起源とする派生系のお店や、インスパイア系のお店も多数存在していて、どのお店も人気があり、食べ比べてみるのもまた楽しい。ただ、今現在〈元祖長浜屋〉には支店はなく、ここ「長浜」の地の1店舗のみ。

実は観光資源の少ない福岡市内

余談にはなるけれど、福岡の観光スポットといえば「太宰府天満宮」や、近年では「糸島」が観光系の名所エリアとしても人気が高いけど、実はどこも福岡市外の隣接している地域に存在している。そのため現在、福岡市内での人気の観光スポットといえば、百道・地行浜エリアの「福岡PayPayドーム」周辺や「福岡タワー」、住吉地区の「キャナルシティ博多」、天神地区や、博多駅周辺など、歴史的な事や物よりも、レジャーやお買い物、お食事がメインといった様相になっている。

そんな中でも「食」が大切な観光資源に

その中で、福岡市中央区「長浜」は、昔ながらの「屋台エリア」が復活を遂げ、話題になったり、天神地区にも隣接している地区でもあるため、ここ〈元祖長浜屋〉も、長浜ラーメンの発祥地（聖地）として、もれなく観光客や出張の方々のお食事スポットの選択肢の一つとなり、話題になっている。

豚骨だけど濁りの少ないスープが特徴的

訪麺は早朝6時頃。クルマで訪れるとまずは〈元祖長浜屋〉の上階にある立体駐車場へ。2階にクルマを停め、その駐車場の階段を降りていくと、すぐそこに「元祖長浜屋」がある。

この日は、平日だったため行例はまだなく、割と空いている時間帯。店先にある券売機では「ラーメン」と「替玉」を発券・購入し、店内へ入っていくと、速攻で「ベタナマ」を自らコールしつつ、空いた席に着座。待つこと1分弱で、すぐに着丼。まずは、そのまま麺とスープを啜る。その状態でもキマっている時もあれば、そうでない時もあったりもする。その後、味を均等に整えるため、麺とスープをよく混ぜる（それぞれ個人により作法は違う）。それでもちょっと薄く感じる時は、ポットに入った「ラーメンのタレ」を少々注いで味を整えると自分好みの最高の一杯に。あとは卓上に紅生姜と胡麻もあるのでお好みで。丼は小さいサイズだけど、麺量は意外と多いので、替玉の際はご注意を。

麺だけのおかわり「替玉」の発祥店でもある

替玉は硬さによっては速攻で届くので、早すぎるコールには注意を払いつつ、この日は「4分の3」ほど食べたところで「硬い玉」をコール。やはり速攻で茹で上がり、スタッフさんが麺の入った皿を持ってきて、そのまま直接、丼に投入してくれるスタイル。昔ながらの平ザルから直接のスタイルではないけれど、ぜひお腹を空かせた状態で替玉まで体験するのをおすすめしたい。

朝の「元祖」をいただくことを一部の方は「モーニングガンソ」を略して「モーガン」と呼ぶこともある。

「麺の硬さ」の注文について

厳密なルールは存在しないと思うし、人それぞれ、お店それぞれ、なので、あくまでも地元民の肌感覚として。まず、地元の方で「ハリガネ」や「粉オトシ」といったワードを使って注文する人は見かけない（というかコールしているところを未だに見たことも聞いたこともない）。「ズンダレ」については、ごく一部の推奨店を除いては、ほぼほぼ聞くことはない。最も硬い麺をオーダーする時は「ナマ（もしくはバリカタ）」で、日常的には「普通 or カタ」で、十分といった印象。お店によっては、ナマ（バリカタ）を推奨しないお店もあるので、初めて訪れるお店では「カタ・普通・ヤワ」からの選択がまずは無難。ソレを食した上で「硬さ」を上下させて、そのお店の「自分好みの麺の硬さ」を調整するのがよいのかなぁと。さらに麺の硬さを聞かれないケースも多々あるので、そこはお店にお任せでOK。