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“「日本に震度10級の地震」というタイトルの動画に注意”というチェーンメールが拡散中。注意

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
『Twitter』では「震度10」がトレンド入り。筆者キャプチャ

 「[日本に震度10級の地震]というタイトルの動画が来たら絶対に開けないで下さい」との文面のチェーンメールが、2月5日ごろから拡散しています。

『Twitter』のトレンド1位に「震度10」

 2月6日朝、『Twitter』で「震度10」というワードがトレンド入りしました。

 「なんだなんだ」と思ってタップしてみると、何やら「[日本に震度10級の地震]というタイトルの動画が来たら絶対に開けないで下さい」との文章が出回っています。

 文章には「動画は動画のフリをしたスパムウイルスであり、送金機能など銀行業務の情報を引き出すそうです」とありました。本当だったら怖いですね。本当だったら。

[日本に震度10級の地震]のスパムメールが見つからない

 真偽を確かめるために『Twitter』のツイートをさかのぼって調べてみたのですが、どこまでさかのぼっても「[日本に震度10級の地震]」と書かれたメールのキャプチャが見つかりません。

 出てくるのは「[日本に震度10級の地震]というタイトルの動画が来たら絶対に開けないで下さい」と書かれた『LINE』のトーク画面のキャプチャばかりです。

 もしかして、この「[日本に震度10級の地震]というタイトルの動画が来たら絶対に開けないで下さい」の文章そのものがチェーンメールなのではないでしょうか?

「新聞にも報道されたそうです」→されてない

 (ツイートが削除されていなければ)『Twitter』で一番最初に発信したと思われる人の文章には、「新聞にも報道されたそうです」とありました。

[日本に震度10級の地震]というタイトルの動画が来たら絶対に開けないで下さい。

すぐに削除お願いします。

実際の動画ではなくスパムウイルスですが、携帯電話にある送金機能など銀行業務の情報を引き出すそうです。

現在、新聞にも報道されたそうです 。

被害がないようにしましょう。

出典:Twitter

 そこで、全国紙や地方紙の紙面を特定のキーワードで検索できる有料サービス『G-Search』を使って調べてみました。

 キーワードは「震度10級」、検索期間は最近1週間分です。

 「検索結果は0件です」と表示されました。

 念のため「震度」でも調べました。新聞だと「10級」が全角や漢字になっているかもしれません。

 今度は引っかかりましたが、地震については北海道新聞の『根室で震度2』や共同通信の『震度=気象庁発表(5日1時42分) :地震(小規模)』くらいしかなく、「震度10級」について書かれた記事は見つかりません。

 ついでに『Google』ニュースでも調べてみましたが、そのような記事はありませんでした。

[日本に震度10級の地震]というチェーンメールと判断

 以上のことから、筆者としてはもはやこの「[日本に震度10級の地震]というタイトルの動画が来たら絶対に開けないで下さい」との文章自体がチェーンメールだと判断します。

 もしかしたらこの世のどこかに動画(ウイルス)が存在しているのかもしれませんが、その証明はかなり難しいです。

 現時点では“[日本に震度10級の地震]というタイトルの動画”は見当たらず、「[日本に震度10級の地震]というタイトルの動画が来たら絶対に開けないで下さい」という文章だけが大量に出回っている状態です。

 このようないたずらに不安を煽るチェーンメールを拡散しないよう注意してください。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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