ポリスボクサー杉田ダイスケ 目標は警察官でチャンピオン
警察官とプロボクサーの二刀流で活躍する、杉田ダイスケ選手にインタビューをした。
前半では、二刀流を始めたきっかけ、練習時間の工夫、家族の存在について話を聞いた。
異色のポリス(警察官)ボクサー杉田ダイスケ 二刀流のコツは短期集中
後半では、モンスター井上尚哉とのスパーリング、同期の井岡一翔の話、国内のライバル達について語ってくれた。
憧れのボクサーは二刀流パッキャオ
ーーー休日はどう過ごされていますか?
杉田:4歳と1歳の2人子どもがいるので、子どもと時間を取って遊ぶことですね。この時間が一番癒されます。
ーーーそうなのですね。好きな選手や憧れの選手はいますか?
杉田:パッキャオですね。家にも、パッキャオの大きいポスターを貼っています。
ーーー同じ二刀流ですね。
杉田:夢がありますから。国会議員をやって世界チャンピオンを6階級制覇して、完璧です。最強の二刀流ボクサーですよ。
ーーーパッキャオの試合は見ますか?
杉田:パッキャオは負けても、負けを帳消しにするような試合をしているから、誰も過去に負けたことなんて、気にしていないような感じですね。
ーーーそうですね。結構負けていますね。
杉田:負けているのですが、負けても立ち上がってきたことが凄いですね。フィリピンの国民などは勇気もらえているのではないかと思います。
自分もポリスボクサーでやっていますが、杉田が頑張っているから俺も頑張ろうと思ってもらえる存在になれたら、というのはあります。
ーーーそういうのがモチベーションになってるんですね。
杉田:モチベーションになりますね。パッキャオは、やっていることに夢がありますから。
ーーー大統領になったらすごいですよね。
杉田:モハメド・アリの次はパッキャオではないですかね。偉大な人物だと思います。
同級生の井岡一翔の存在
ーーー杉田選手の周りの選手の話を聞きたいのですが、井岡選手と同学年ですね。どのような存在ですか?
杉田:彼の存在は非常に刺激になっています。彼は、私が警察官になる前に世界チャンピオンになっていたのですが、思い出深いエピソードがあります。
私が機動隊員だった時なのですが、警備が終わって帰ろうとしたときに、偶然井岡に遭遇しました。
品川駅で「井岡」と言って「久しぶりだね」と。
「俺もプロになるよ」と言う話をしたら「頑張れよ」みたいな感じで、運命的に出会いました。
彼は大阪を拠点にしていた時だったので、たまたま東京の品川駅にいて、再会しました。
会って、私が警察官になっているので「本当に警察官になっているね」みたいな会話をしました。
お互い夢がかなってよかったねという話をしたのです。
世界チャンピオンになっていますし、私が警察官になって、プロボクサーになるという話でした。
ーーー彼も4階級を目指して頑張っていますね。
杉田:すごく良い刺激をもらっていて、頑張ってほしいなと思います。本当にいい同期を持ちました。
今までで一番強かった相手
ーーースパーリングの話を聞きたいのですが、今まで、一番強かった人は誰ですか。
杉田:今までで一番強かったのは、やはり井上尚弥選手ですね。
3回スパーしているのですが、警察官で井上選手とスパーする選手は僕しかいないので。非常に誇らしく思っています。
ーーーどうですか、井上選手の何を一番強く感じましたか。
杉田:やはり、圧倒的なスピードとパンチ力です。ボクサーの強さというのは本当にそこなんだなと思いました。
今までいろいろな選手とやっていますが、井上選手は、やはり他の選手とは次元が違いました。
ーーーパンチは痛いですか。
杉田:痛いです。本当に痛いです。
ーーー井上選手とは階級も近いですし。試合することになったらどうしますか?
杉田:妻には、スパーリングも止められています。試合のとき全く緊張しないのですが、尚弥君のときは緊張します。
国内のライバル達
ーーー国内で意識するライバルなどはいますか。
杉田:大体同じ階級のトップ選手とは手合わせをしています。岩佐亮佑選手は高校の時スパーをして、小國以載選手はインターハイでやっています。
勅使河原弘晶、亀田和毅、和氣慎吾選手はスパーリングパートナーをやっていました。
その中で名前は出せないですけれども、結構相性がいいのではないかなという人もいます。
ボクシングは相性があると思うので、僕はまだランキングにも入っていないので大きいことは言えません。
でも、その時が来れば大きい試合ができたらなという気持ちはありますね。みんな盛り上がるような試合がしたいです。
今後の目標について
ーーー今後の目標はありますか。
杉田:今はベルトを巻くことですね。アマチュアになかったのがベルトですし、象徴だと思います。
警察官でプロボクサーで、チャンピオンになったら、意義はあるのではないかなと思います。アピールになると思うので、それが一番の目標です。
ーーーでは、まずは今後の目標としてはベルトを巻くというのが。
杉田:何でもとにかくベルトを巻いて、日本タイトルや東洋タイトルで、しのぎを削って試合をやっていきたいです。
大体プロ3~4年後ぐらいが自分の年齢が33、34ぐらいになってくるので、そのときがピークかなと思っています。
その時につぶし合いみたいな、面白いマッチメイクができたらなというのがあります。
ーーー強い選手とやっていきたいということですね。
杉田:はい。もう現役でやれる時間が長くないので。
やってみたい選手
ーーーやってみたい選手はいますか。
杉田:もし自分が日本ランカーになって、盛り上がりそうなのは勅使河原選手などはやりたいですね。
ーーー面白そうですね。「ポリスボクサー」対「元やんちゃボクサー」みたいな。
杉田:そんな感じのマッチメイクは客観的に見ても、面白いと思います。もともと僕も輪島ジムでしたから。
ーーーそうですか。
杉田:輪島ジムでボクシングを始めましたので。
ーーーまだ次の試合は決まっていないのですか?次に向けて意気込みなどはありますか。
杉田:まだ確定していないので、言えないのですが、大きい試合が決まりそうな感じがします。
僕は、いつもファンの人の想像と違うマッチメイクができていると思います。
いきなり元日本チャンピオン芹江選手、世界ランキング4位の阿部選手など、いきなりこうくるのか、みたいな。そういうところを、楽しみに待ってもらえたらと思います。
ーーーその辺は楽しみですね。
杉田:マッチメイクも含めて楽しみにしていてください。
ボクシングは人生そのも
ーーーでは、今年は結構、勝負の年ですね。
杉田:毎回勝負です。仕事の関係で、できなかったのですが、WOWOWエキサイトマッチに出ているトップ選手からも話が聞きました。
そんな強い選手からくるんだ、みたいな話もきているので、頑張りたいなと思います。
ーーーボクシングとは杉田選手にとってどのような存在ですか。
杉田:自分の人生そのものです。ボクシングがあるから、今があると思います。
ボクシングを中心とした人生を歩んできたので、自分のやってきたことをどのように社会に貢献できるか、と考えています。
私ももう30歳で、引退も考える年です。自分の代で終わらず、次の若い世代に、道を作ってあげたいと思っています。