アラブ連盟復帰シリア現政権 「私たちは世界の重荷に」 孤立するシリア難民の声を直接届けたい(まとめ)
シリアで内戦が始まって12年が経過。UNHCR・国連難民高等弁務官事務所によると、シリア国内で人道援助を必要としている人の数は1530万人(2023年2月現在)、国外に逃れるシリア難民の数は536万人(2023年3月現在)と、厳しい状況が続いている。
一方、国連では先月29日、内戦化のシリアで当局に連行されるなどした行方不明者の所在を調べる独立機関の設置を決めた。ルクセンブルク提出の決議を、日米など83カ国の賛成多数で採択した。シリアやロシア、中国など11カ国が反対し、インドなど62カ国が棄権した。
▼シリア・アサド政権は今年5月、12年ぶりにアラブ連盟に復帰
ウクライナへの軍事侵攻などもあり、私たちの目はシリアから遠ざかってはしないか。今週3日、8bitNewsおよびTOKYOMX「堀潤モーニングFLAG」ではヨルダンのザアタリ難民キャンプで暮らすシリア難民の方々と協力して直接声を発信してもらった。あらためて皆さんにシリア内戦の今を届ける。
▼シリア国内では「人口の90%が貧困状態」国連が警告
さらに、総会では83カ国が行方不明者の所在を明らかにするための機関を設立する決議採択に賛成、11カ国が反対、62カ国が棄権した。
また、アラブニュースは、現地の厳しい状況やレバノンが調査機関設置の国連決議を棄権したということを報じている。
▼採決に先立ち日本の国連大使が演説「長い紛争の根本原因に対処する政治的解決策」必要
そうした中、日本の石兼公博国連大使は次のように演説。
▼難民キャンプで暮らすシリア人「私たちはUNHCRの数になってしまった」
8bitNewsは、ヨルダンのザアタリ難民キャンプで支援を続ける日本のNGO「国境なき子どもたち」松永晴子職員と共に、キャンプ内で暮らすシリア人、ヤーセルさんの声を伝え続けている。「世界難民の日」の二日後、ヤーセルさんは「私たちは世界の重荷になっているのか」とやるせなさを語り、人としての尊厳が奪われてきたこの十数年を「私たちはUNHCRの数としてしか認識されていない」と胸のうちを明かした。ヤーセルさん撮影のキャンプの様子をぜひみてみて欲しい。
【この記事は、Yahoo!ニュース個人編集部とオーサーが共同で企画したキュレーション記事です。キュレーション記事は、ひとつのテーマに関連する複数の記事をオーサーが選び、まとめたものです】