植物を増やす方法 挿し木、挿し芽から葉だけで増やせる事例まで紹介します。やってみると楽しい植物再生
種を撒き、発芽した姿や冬を乗り越えて新芽を出す姿を見て感動できるのは園芸の良さですね。花を楽しんだ後、今年購入した一年草の種を来年用に採種し、植物の命をつないでいくのも楽しみのひとつだと思います。
植物繁殖で注意しなければならないこと
今回は、植物を増やす方法をいくつか紹介しますが、その前に知っておいていただきたいことがあります。
植物には原種(野生にある自然の植物)と品種改良された園芸品種があります。品種改良された植物で、育成者権を得て登録されている品種は、種苗法で育成者に無断で増殖することが禁止されています。増殖したものを販売する行為は権利侵害になりますので、ご自身で楽しまれるだけにとどめてください。
種の保存
一般的なほとんどの種子は乾燥させて、低温状態で保存します。植物から種を採り、室内で乾燥させた後、個別に袋に入れ、種保存用の密閉容器に乾燥剤を入れて冷蔵庫で保管しています。
挿し木
昨年の春にオオデマリとビバーナムを挿し木しました。冬に落葉し、植え替え後、春には無事に新しい葉が出ました。落葉樹の挿し木は、春直前、新芽を出すためのパワーが木に充実している頃の方が成功しやすいそうです。
一カ月前に挿し木したラベンダーの様子です。たまごパックを利用して挿し木しました。透明容器なので根が出ているのが確認できます。この後は小さいビニールポットに植え替えます。
挿し木は種が出来にくい植物の場合に役に立ちますね。ラベンダーが倒れて樹形が悪くなってしまい、強剪定するつもりですが、保険として挿し木をしました。
挿し芽
挿し芽をする場合、挿し木、挿し芽用の用土や赤玉土のみ、鹿沼土のみを使うことが多いです。
上の画像は水苔で茎を巻いてビニールポットに挿しています。それをプラスチック容器に入れ、容器に水をいれることで水切れを防いでいます。挿し木や挿し芽は水切れしないように注意することが大切です。直射日光があたらない日陰や室内に置きます。
水に浸けて根を出す方法も簡単です。夏の花でしたら、バーベナやユーフォルビア、トレニアは水に浸けておくと簡単に発根します。発根してから小さいビニールポットに植え付けます。植え付け直後は直射日光を避けて置きます。
株分け
最初は一株だったのが年々増えてくる植物がありますね。密集したり、株が小さくなったり、花が咲きにくくなったりすることもあるので、掘り起こして切り分けます。根の部分が増えていくものや、オリヅルランやイチゴのようにランナーで増えるものなどがあります。
室内で育てているサンセベリアも子株が出てきました。分けたい場合は、親株の力で大きくする方が早いので、ある程度大きくなってから切り分けます。
球根
球根植物は球根が分球するので自然に増えます。植えっぱなしでいいもの、掘り上げるもの、掘り上げたものの保存方法が植物によって違いますので注意が必要です。球根と言えば、チューリップの球根のようなものを想像されそうですが、上の画像のカラジウムは塊茎(コンケイ)と呼ばれる球根です。チューリップは葉、カラジウムは茎が変形したものに養分を蓄えています。球根植物も種子はできますが、花を楽しむなら球根を育てるほうが簡単です。
葉だけで増やせる⁈ 葉挿し
多肉植物の葉挿しはご存じの方も多いのではないでしょうか。
一枚の葉から個体が出来上がっています。とても可愛くて、簡単に増やせるので楽しいです。葉挿しと言えば多肉植物と思っていましたが、セントポーリア、ペペロミアなどでもできるそうです。
レックスベゴニアで実際にやってみました。一枚の葉を葉脈を含むように切断し、湿らせた水苔の上に置き、乾かないようにしておきました。根、葉、茎がしっかりできています。
こちらはサンセベリアの葉片挿しです。上の株分けで紹介したものと同じ株から葉を取りました。実は、お店で元気がなくなって値下げされていた苗を買ってきて植え替えしています。こういった植物を復活させるのも楽しいです。
植物を増やす方法、まだまだたくさんあります。手軽に楽しめるのでぜひやってみてください。