Jリーグの2016年の観客動員数を集計してみた
明治安田生命Jリーグの2016年シーズンのリーグ戦日程が11月20日に終了した。J1ではチャンピオンシップ、J2では昇格プレーオフ、J2とJ3の間では入替戦が行われている最中だが、リーグ戦に限定した観客動員数をひとつの指標として、2016年のJリーグを振り返ってみたい。
J1リーグの平均観客数は0.93%の微増 吹田スタジアム新設が寄与
まずはJ1リーグの動員数を見てみよう。
J1全体で観客動員数が50,620人増えて、観客動員数の平均だと0.93%増加した。
動員数でいくと浦和が前年に引き続き首位をキープしたが、前年比だと昇格組(大宮、磐田、福岡)を抜いてG大阪が58.4%増で1位となり、観客動員実数でも2位に食い込んできた。吹田スタジアムを開業した効果がはっきりと出た形だ。
J2は1.87%増、J3は21.59%の大幅アップ
続いてJ2リーグ。
J2全体で59,459人増えて、観客数平均では1.87%のアップとなった。動員数首位は札幌。最終節まで優勝争いがもつれたおかげで、前年比21.73%の増加となった。J3から昇格してきた山口、町田もそれぞれ52.37%、36.03%の大幅増となった。
J3は、観客動員数の平均で21.59%の大幅UPとなった。動員数首位は大分で、J1からJ3までの全カテゴリーにおいて、観客を最も集めたクラブが成績面でも年間首位に立つという結果になった。
前年は13チームの3試合総当たり全36節だったが、今年は16チームの2試合総当たり全30節となり、平日試合が少なくなったことが動員増に貢献したと推測される。また、本来大幅ダウンが見込まれる降格組の大分が3.16%UP、栃木が4.84%DOWNと堅調だったのも見逃せない。
J1、J2、J3全体での平均観客数は2.13%の増加
最後に56チーム全体の表を作成した(平均観客数の順で並び替えてみた)。
J1、J2、J3全体の観客動員数平均は前年比で2.13%増える結果となった。リーグ全体として、2季連続で前年比アップを成し遂げたのは大きな成果と言えるだろう。
2015年にJ1リーグに導入された2ステージ制については、来季からの放映権をDAZN(ダ・ゾーン)が獲得したことで、再度1ステージ制に戻すことが検討されている。
Jリーグの運営には、2ステージ制導入がJ1リーグの観客動員数にどのような影響を及ぼしたかをしっかり精査してほしい。改革というものはやりっ放しにするのではなく、その成果がどれほど出たかを都度測定し、次のアクションに活かしてこそ意味がある。
JリーグがDAZNと放映権の面で10年間2,100億円という大型契約を結んだことで、3年前に中西理事が言っていた「ゆでガエル状態」は財政面では脱したと言っていいだろう。
この潤沢な資金を使って、観客動員の面でも右肩上がりの成長を続けていくことができるか、これからも見守っていきたい。