イーロン・マスクの twitter 440億ドル(5.6兆円)買収劇でこれからどうなる?を大胆予測!
2022年4月4日(月)に、イーロン・マスクのtwitter株の9%の取得の表明から、4月25日(月)ついに決着がついた。イーロン・マスクは、440億ドルでtwitterを買収することで合意となった。
さて、これから、twitterで何が起きるのか?
取締役就任かどうかの話から一気に、twitterを100%所有する方向へと動いた。ポイズンピルなどの非買収戦術なども行使されずに動いたのは、イーロン・マスクの改善案を受けたほうが、株主の利益が守れるとのtwitter経営側の皮算用があったからだろう。
■twitterの決算発表が近かった…
twitterはまもなく5月に2022年の第1決算発表を迎えるが、
2023年末までに利用者3億1,500万人、年間売上高75億ドルを目指す目標(2021年第4四半期決算)を掲げているが、その達成の見込みや売上の規模感を発表しずらい状況にある…。
2022年4月27日(水)現在のtwitterの株価は49.68ドル。時価総額で379億ドルだ。イーロン・マスクの買収を拒み、さらに決算の結果が悪ければ、さらに株価は落ちる可能性が大きかった。現在のPBR(株価純資産倍率)は5.44倍だ。つまりtwitterの純資産は69億ドルだ。
イーロン・マスクの買収額は1株あたり54.2ドルで440億ドルのオファーだ。現在の時価総額よりも61億ドル以上の高値である。
twitter幹部にとっても純資産に匹敵する高値は魅力だったであろう。
■テスラ株価への影響
twitter買収の発表と共に、TESLA株売りを警戒する値動きが動いた。
twitter株はこの1週間でイーロン・マスクの影響で上昇した。
一方、TESLA株は、876ドルまで暴落している。
これは、現在、世界一の大富豪のイーロン・マスクといえども、純資産は30億ドル(3,000億円 @100円)程度しか、手元にないからである。
■イーロン・マスクの資産総額は2,750億ドルだが…手元には30億ドルの流動資産のみ。残りの210億ドルはどこから?
イーロン・マスクは、2022年4月1日のtwitterの終値に38%のプレミアムを上乗せし、総額465億ドルの買収資金を用意したと公表した。
twitter担保による銀行融資130億ドル+テスラ株担保の融資125億ドル=255億ドル 残りの210億ドルはどこから調達した?
イーロン・マスクの資産総額は2,750億ドルで世界一と言われる。
しかし、それらのほとんどが株式での保有なので資産はあるが、売却しないことには、現金とならない。
しかし現金を含む流動資産は、30億ドル分相当しかない。
つまり、210億ドル-30億ドルで、残りの180億ドルは株式パートナー、もしくは手つかずのテスラ株(担保制約のない約216億ドル相当保有)、もしくは暗号資産(ビットコインとイーサ、ドージコインの保有を明らかにした)の売却などが考えられる。
いや、もっと単純に、暴落前のTESLA株での買収というスキームも考えられるだろう。
■4月28日、テスラ株 約40億ドル売却(追記)
同社(テスラ)株を約40億ドル(約5200億円)分売却したことが28日、分かった。
米証券取引委員会への提出文書によると、26日と27日にテスラ株を計約440万株を売却。マスク氏は自身のツイッターに「本日以降にテスラ株を売却する予定はない」と投稿した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0e9a4e8719fe5569a98bc853447eeb685cd29c55
あと残るは 180億ドル▲40億ドルなので、140億ドルとなった。
いずれにしても、イーロン・マスクの資金調達で、twitterは440億ドルで実質イーロン・マスクのものとなることだろう。
ちなみに、この440億ドルという金額だが、ビル・ゲイツの離婚の慰謝料1,341億ドルよりは安く、ジェフ・ベゾスの離婚の慰謝料350億ドルよりは高いという金額だ。
GAFAMのオーナーの慰謝料は、twitter社が吹っ飛ぶほどの高額だ。
ちなみに、イーロン・マスクの元嫁さんの(2008年)ジャスティン・マスクとの慰謝料は当時400万ドル(4億円)だったので、今を思えば破格値だったと言えるだろう。
2008年当時のイーロンの総資産は6億8,000万ドル、
2015年で120億ドル、2022年で2,750億ドルとなっているからだ。現在、離婚していると、1,375億ドル相当となりビル・ゲイツを抜いていた…。
■twitterの非上場化による、イーロン・マスクのプライベートカンパニー化とWEB3
ただ、今回の買収は、いろんな制約をかけられるよりも自由に運営するためにtwitterそのものを非上場化を計画しているので、イーロン・マスクの自由度はかなり鮮明になることだろう。
いや、twitterは、イーロン・マスクの『言論ツール』となるといっても過言ではないだろう。いわば資金調達のスキーム次第だが、イーロン・マスクのプライベートカンパニー化すると考えるべきだろう。
すでに、周回遅れの広告ビジネスではなく、株主利益も考える必要がないので、広告ではなく、言論トークン主体のWEB3型のビジネスへ経営へと舵をきりかえることも可能だ。
正しい言論や評価された言論に価値を生まれていくという新たなビジネスモデルが創出できそうだ。すでにユーザー数は圧倒的に多いし、WEB2の権化のGAFAMではない可能性だ。
■トランプ元米大統領のアカウント復活はあるのか?
言論の自由を唱え、イーロン・マスクが、twitterの運用をオープンソース化していくとするとアカウントの停止などは、極力避けられるようになるかもしれないが、フェイクか非フェイクなのかの見極めはさらに厳しくなってくることだろう。
また、ドナルド・トランプ元米国大統領のtwitterアカウントが復活する可能性も考えられるだろう。
そして、バイデン大統領のロシアへの対応次第では、プーチンと蜜月だったトランプ大統領への期待も高まりそうだ。
しかし、トランプ自身は、『自身のアカウントが再開した場合でも、ツイッターを再び利用することはない。自身が主導する独自SNS「トゥルース・ソーシャル」で発信する』とFOXニュースで声明している。
ただ、朝令暮改が常であるトランプと、同じく問題発言が続くイーロン・マスク、共和党テキサス州知事とは蜜月であり、現在のテスラは、テキサス州オースティンで『ギガテキサス』のギガファクトリーで生産を続けているほどだ。
朝令暮改のトランプ、共和党の支援を活用するイーロン・マスク。
twitterを手に入れることにより、ハイパーループや、スペースXなど、政府の許認可事業が得やすくなる政権と近づくこともありえるだろう…。また、イーロン・マスクはGMやフォードを指示するバイデン政権とは対立している構造だ。
もっと、想像力をたくましくすると、2024年の大統領選挙に、共和党の顔として、イーロン・マスクがいてもちっともおかしくない…。トランプ大統領でもつとまった大統領職だ。イーロン・マスクの火星プロジェクトがケネディのアポロ計画並になるのかもしれない…。