【男性更年期】つらい不眠の原因とぐっすり眠れる5つのセルフケア
「このごろ寝つきが悪い」、「夜中に目が覚めてしまう」。男性の更年期によく現れる症状のひとつに、不眠があります。今回は、男性更年期障害で起こる不眠の原因と、心身をリラックスさせ眠りやすくするセルフケア方法をご紹介します。
男性ホルモンが低下すると、なぜ不眠が起こりやすくなるのか
男性更年期になると、なかなか眠れない、ぐっすり眠れない、一度目が覚めると再度眠りにつけないといった「不眠」の症状が起こりやすくなります。
厚生労働省の調査*によると、日本人の約5人に1人が睡眠で休養が取れていない、また、何らかの不眠の症状があるそうです。
*厚生労働省:平成30年「国民健康・栄養調査」
眠れない日が続くと、夜寝ようとしたときに「今日もまた眠れないんじゃないか」とますます不安になったり、「早く眠らなければいけない」と焦ってますます眠れなくなったりということもありますよね。
眠れない原因は、ストレスが溜まっている、環境が変化した、お酒を飲みすぎた、カフェインをとりすぎた、運動不足、悩み事がある…など本当にさまざまですが、男性ホルモンのテストステロンの急激な低下も、睡眠に大きな影響を与えます。
テストステロンが急激に低下すると、自律神経が乱れやすくなります。自律神経は、私たちの体を興奮させたり、リラックスさせたりするときに働く神経。自律神経が乱れると、夜リラックスして眠りたいのに、頭が冴えてしまってなかなか眠れないといったことが起こりやすくなります。さらに、自律神経の乱れによって引き起こされやすい「ホットフラッシュ(体がほてったり、汗が出たりする症状)」や、不安といった症状が眠りを妨げることもあります。
男性更年期の「不眠」の対策
眠れない状態がつづくと、体が休まらないだけでなく、精神的にも大変つらいものです。そこで、不眠の原因を取り除き、自分に合ったリラックスできる方法を見つけるヒントをご紹介します。自分にあった方法を見つけて試してみてくださいね!
毎朝、同じ時間に起きる
平日や週末にかかわらず、起きる時間を一定にして、生活リズムを整えましょう。
ところで、なぜ生活リズムを整えるといいのでしょうか。それは、「体内時計」が整うからです。私たちの体は、1日のなかでも体温が上がったり下がったり、ホルモン分泌を調整したりというように、体内の環境を適切に変化させる仕組みをもっています。これが「体内時計」です。起きる時間を一定にして、体内時計を整えれば、体調も整いやすくなります。不眠の症状で、なかなか寝付けずに夜を過ごしていると、起きる時間を一定にするのは難しいこともあるかもしれません。そんなときでも、できるだけ朝は同じ時間に起きてみてください。
朝、太陽の光をあびる
朝起きたら太陽の光を浴びること。起きる時間が一定で生活リズムがととのううえに、太陽の光を浴びることで、体内時計がリセットされ、体内で新しい1日が始まります。朝起きたら、まずはカーテンを開けて太陽の光を取り込みましょう。
睡眠時間にこだわらない
よく「8時間は眠りましょう」と言われますが、必要な睡眠時間は人それぞれです。8時間眠れなかったとしても、次の日に疲れが残っていなければOKです。
適度な運動をする
体が疲れていないとなかなか眠れないのは当然のこと。適度な運動で体を疲れさせてあげることで、夜、眠りにつきやすくなります。おすすめなのは、日中、特に午後、まだ日の高いうちに、軽いウォーキングやジョギングなどの有酸素運動をすることです。
寝る前にリラックスすること
ぬるめのお風呂にゆっくり入ったり、寝る前に簡単な軽いストレッチをするとリラックスでき入眠しやすくなりおすすめです。しかし、リラックスといっても寝酒には少し注意が必要です。アルコールは眠りに入りやすくしてくれたとしても、眠りの質を下げ、夜中に目覚めやすくなってしまうからです。寝る前は、お酒よりも軽いストレッチでリラックスを手に入れていきましょう!
すぐにリラックスできるおすすめの呼吸法
夜眠る前に試していただきたい、短時間でリラックスできる呼吸法があります。座った状態でも、ふとんの上で横になった状態もできますので、寝る前に試してみてください。
①鼻から8秒間かけて息を吸ってお腹を膨らませる(腹式呼吸)。
②口から8秒間かけて息をスーッと細く長く吐き出しながら、お腹を凹ませる。同時にあごを引いていく。
あごは二重あごになる状態に引いていき、首の後ろがストレッチされるのを感じます。
③ ①と②を5回程度、繰り返す。
この呼吸法では、呼吸とともに頭蓋骨を上下に動かします。深呼吸と首の動きがリラックスのポイントです。
というのも、背骨の中には神経の束が通っており、その神経のなかには自律神経の一つである「副交感神経」も含まれています。副交感神経は、リラックスするときに働く神経。この副交感神経の“根っこ”といえる部分が、呼吸をしながら動かす首の付け根の部分に集約されています。
ですから、呼吸と連動させて頭を上下に動かすことで、短時間でとても質の高いリラックス効果を得ることができます。眠れないときはもちろん、ふとんに入ったときにより深いリラックスを得られるよう、ぜひ寝る前に試してみてください。
実際に動いているところを見ると、よりわかりやすいと思いますので、こちらの動画もご参照ください。