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「夕方以降食べなければ痩せる」は本当。最新医学研究が証明【最新エビデンス】

黒澤恵(Kei Kurosawa)医学情報レポーター

米国医師会発行の学術誌で有効性が証明されたダイエット法

食欲の秋が始まり、冬の幸が美味しい時期もやってきます。外は寒くなり運動は億劫。そうなると問題になるのが「体重増加」ですね。男女を問わず悩みの種ではないでしょうか?そんなあなたに、つい最近、医学的に有効性が証明されたダイエット法をご紹介します。

世の中にダイエットのやり方は山ほどあれど、効果がきちんと科学的・医学的に検証されているものは数えるほどしかありません。今回ご紹介するのはそのうちの一つ。今年の8月8日、「米国医師会雑誌・内科学」という論文誌に掲載されました [文献1]。名称からも分かるように、かなり信頼性の高い学術誌です。

「午後のオヤツ以降は食べ物を口にしない」だけで、14週間後に6.3kgも減量

この論文で試したのは、食事時間を「朝7時から午後3時」までに限定する「食べるのは午後のオヤツまで」ダイエットです。カロリー制限や運動などの生活指導は受けていましたが、強制はなし。好きなものを食べられました。

このダイエットを14週間続けて体重の変化を、生活指導だけを受けて好きな時間に食べられた人達(非ダイエット群)と比べました。試験に参加したのは、米国の肥満男女90人です。

その結果、「食べるのは午後のオヤツまで」ダイエット群の体重は14週間で6.3kgも減っていました。「非ダイエット」群と比べても2.3kgの減量でした。

「えっ、差はたったの2.3kg?」と思った方もいるでしょう。でも2つのグループの体重差は、時間が経過するほどに広がっていました。14週間で試験が終わらなければ、もっと大きな差になっていた可能性が高いのです。

実行可能性は高く気分も爽快

「だけどそんなダイエット続きそうにない」。

そんな声も聞こえてきそうですね。でもご安心を。強制がなかったにもかかわらず、この試験では1週間のうち6日間で「食べるのは午後のオヤツまで」ダイエットは守られていました。また逆に言えば、週に1日くらい守らなくても、このダイエットは14週間で6kg以上痩せさせせてくれるということですね。魅力的ではありませんか?

なぜそれほど遵守率が高かったのでしょう?はっきりした理由は解析されていません。しかし「食べるのは午後のオヤツまで」ダイエット群では、メンタルへの好影響も観察されました。「活力」が増し、「倦怠感」や「気分の落ち込み」が減ったのです。

だからでしょうか、「食事時間を午後5時まで認めてくれるなら」という条件付きですが、41%の参加者が、試験終了後も「食べるのは午後のオヤツまで」ダイエットを続けたいと回答していました。

朝ごはんをしっかり食べるのがダイエットのコツ?

ではなぜ、「食べるのは午後のオヤツまで」ダイエットでそれほど体重が減るのでしょう?

興味深いデータがすでに報告されています。「1日を通して同じカロリーなら、朝摂った方が痩せる」という研究です。2013年の「肥満」という学術誌にイスラエルから報告されました [文献2] 。

この研究では、太り気味/肥満の93人を、1日の摂取カロリーは同じにして「朝食しっかり」(1日摂取カロリーの半分を朝食で摂取)群と「夕食しっかり」群(逆に夕食で50%を摂取)群に振り分けました。振り分けにはくじ引きを使い、人為性は排除されています。

その結果、12週間後、「朝食しっかり」群では「夕食しっかり」群に比べ、5.1kgも体重が減っていました。なぜ体重が減ったのでしょう?調べてみたら、「朝食しっかり」の方が食欲が減っていたそうです。「食べるのは午後のオヤツまで」ダイエットによる減量には、こんな作用が働いているのかもしれません。だとすれば空腹に悩まされる心配もなさそうですね。

まとめ

いかがでしたか?好きな食べ物を我慢しなくても痩せられる「食べるのは午後のオヤツまで」ダイエット。仕事や学校がリモートになり食事やお酒の付き合いが減った今こそ、絶好の機会です。早速試してみましょう。次回、リアルで会った時に驚かれること必至です!

今回ご紹介した論文は、以下の米国国立医学図書館サイトで要約(英語)が無料で閲覧できます。無料翻訳サイトDeeplを使えば日本語への翻訳も簡単です。

  1. 「食べるのは午後のオヤツまで」ダイエット
  2. 「朝食しっかり」でダイエット

医学情報レポーター

医療従事者向け書籍の編集者、医師向け新聞の記者を経てフリーランスに。15年以上にわたり新聞社系媒体や医師向け専門誌、医療業界誌、会員向け情報誌などに寄稿。近年では医師向け書籍も共著で執筆。国会図書館収録記事数は3桁(含筆名)。日本医学ジャーナリスト協会会員(。

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