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オープン戦の「チーム三冠王」。東京ヤクルトの村上と東北楽天の島内に、福岡ソフトバンクの上林も…

宇根夏樹ベースボール・ライター
東京ヤクルトはオープン戦の最下位ながら、4本塁打が2人、3本塁打も1人(写真:アフロ)

 村上宗隆(東京ヤクルトスワローズ)と島内宏明(東北楽天ゴールデンイーグルス)、上林誠知(福岡ソフトバンクホークス)の3人は、オープン戦のチーム三冠王となった。

筆者作成
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 チーム三冠王の3人のうち、村上の打率.362(47打数17安打)はNPB全体の3位、4本塁打と11打点は2位タイだ。島内は本塁打こそ1本――東北楽天だけは2本塁打以上の選手がいなかった――ながら、打率.400(30打数12安打)はNPB全体で最も高く、9打点も5位タイに位置する。

 ただ、上林の打率.227(44打数10安打)は、規定打席以上の38人中20位だ。数値も順位も低い。福岡ソフトバンクの規定打席以上は他に3人いるが、いずれも打率は上林よりも下。規定打席未満を含めても、福岡ソフトバンクで二桁のヒットを打った選手は、10安打の上林しかいなかった。

 また、北海道日本ハムファイターズで規定打席に達したのは、打率.182(33打数6安打)の渡邉諒だけだった。規定打席――北海道日本ハムは40打席(13試合×3.1=40.3)――に足りない分をすべて凡退として計算すると、北海道日本ハムの打率1位は、野村佑希となる。39打席で打率.342(38打数13安打)なので、40打席で39打数13安打とした場合の打率は.333だ。

 読売ジャイアンツのチーム首位打者も、.324(34打数11安打)の丸佳浩ではなくなる。40打席で打率.371(35打数13安打)の若林晃弘は、43打席で38打数13安打としても、打率.342なので丸を上回る。そうなると、若林はチーム三冠王だ。2本塁打と10打点は、どちらも読売では最も多い(本塁打は岡本和真とタイ)。

 チーム打率1位が入れ替わるのは、北海道日本ハムと読売だけではない。この計算方法は、レギュラーシーズンの首位打者を決める際に適用される。それについては、「今さらながら「打席」と「打数」について知っておきたいこと。「首位打者」や「連続安打試合」にも関わる話」で書いた。

 なお、3本以上のホームランを打ちながら、チーム本塁打王になれなかった選手は、4人いる。阪神タイガースのジェフリー・マルテ(4本)とジェリー・サンズ(3本)、東京ヤクルトの西浦直亨(3本)と北海道日本ハムの野村(3本)がそうだ。

 昨シーズン、各チームでトップの打撃成績を記録した選手については、こちらに書いた。

各球団トップの打者たち。柳田悠岐と鈴木誠也は「三冠王」。打率.250以上がいない球団も

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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